商品名を変えてバカ売れ(大ヒット)した商品

商品名を変えてバカ売れ(大ヒット)した商品

商品のネーミングはお客さんにアピールするための大切なもの。簡単に変更することはできませんが、もし名前を変えるだけで爆発的に売れるとしたら、商品名の変更はぜひともやるべきでしょう。

ここではおなじみの「シュレッダーハサミ」を例にとって、「商品名の変更」と「想定外の使用方法」「柔軟なカスタマイズ対応」の3点から、視点変更の重要性を考えてみました。
用途とネーミング、ちょっとしたパッケージ変更で「大化け」する商品もあるのです。

もとは「きざみ海苔用ハサミ」だった人気アイテム「シュレッダーハサミ」

「シュレッダーハサミ」とは、個人情報が記載されている書類などを細かく刻んで切って処分するためのハサミです。使い方は一般的なハサミと同じですが、ハサミの歯が何枚か重なった形をしており、一度切っただけでとても細かく切れるのでシュレッダーがわりに使用できるのです。

しかしこのハサミは、もともと料理で使う「きざみ海苔」を作るアイテムとして販売されていました。きざみ海苔を自宅で作りたい人からの需要はあるが購買層がとても限定的という商品でした。
しかしあるお客さんが「自宅で、シュレッダーがわりに封筒やはがきなど個人情報が記載されているものを捨てる前に切り刻むのに便利」と言ったことから急展開。
「シュレッダーハサミ」として売り出したところ、手軽さからたちまち人気に火が付き、急激に売り上げが上がったのです。

発想の転換が売り上げを生む

このように、本来の使用用途とはまったく別の使い方で人気が高まるアイテムは珍しくありません。
たとえば文房具のポストイット。こちらも強力な接着剤を作る過程で「非常に粘着性が高いがすぐはがれる」という一長一短の接着剤ができてしまったことから生まれた商品です。接着剤としてはすぐにはがれてしまうために利用できませんでしたが「貼った後に、いつでも好きなように剥がせる」点がメリットに転じて、付箋・ポストイットとなりました。

シュレッダーハサミもポストイットも、マーケティング上から見れば「失敗作」です。
しかし実際のユーザーからの声を丹念に拾い上げていくと、失敗作のなかに別の可能性を見いだせる事があります。本来は想定されていない使用方法が商品の新しい機能となり、本来の用途を凌駕してしまった好例なのです。
さらにシュレッダーハサミは、売り出してみたら予想以上に売り上げが伸びました。つまりだれも考えていなかったような客層・需要が存在していたということになります。

このように発想の転換で売り上げを生み出すには顧客の声を聞くことが重要ですし、声として社内に入ってきた想定外のアイディアに即座に対応する柔軟性も必要でしょう。

発想の転換+カスタマイズで大ヒット商品に

発想の転換をする、本来の用途とはまったく違う使用方法を採用して新しい商品として売り出す。
簡単なことのように思えますが、なかなかできません。

なぜなら商品を開発しているひとや「きざみ海苔ハサミだ」とすでに認識しているひとの頭の中には、他の目的に転用すると言う発想がないからです。そのため、顧客からの声として聞こえてきた情報もそのままスルーしてしまう恐れがあります。
発想の転換をするためには、日ごろから思考を柔軟にしておかねばなりません。またどんな物事もそのまま受け入れて再検討するという、思考上の癖をつけておく必要もあるのです。

さらに新しい商品として売り出すときには、ちょっとしたカスタマイズをほどこすとより効果的です。
シュレッダーハサミの場合は持ち手の色を変えてパッケージを新しくしただけで爆発的に売れましたが「ラカタンバナナ」というバナナでは「新しい発想を売り込むための新パッケージ」が役に立ちました。
「ラカタンバナナ」とはフィリピンでよく食べられている種類のバナナで、栄養価が高くクエン酸が豊富に含まれています。しかし酸味があるバナナであまり売れませんでした。
しかしクエン酸がエネルギー代謝に効果的な点から「スポーツ時に役立つバナナ」ということで「スポーツバナナ」と名付けてシールを貼り、売り出したところ劇的に売り上げも認知度も上がりました。
価値観を「味」から「機能性」にかえるという発想の転換とパッケージの変更が功を奏した一例です。

まとめ

どのような商品にも「化ける」可能性が秘められています。発想の転換で商品をリニューアルしたい場合は、以下の2点を考えてみましょう。

  1. ユーザーの声として、本来の用途以外の使用方法を吸い上げる
  2. 柔軟に方向転換をして、パッケージやデザイン変更などのカスタマイズで効果的に売り出す

どちらも「まったく新しい発想を素直に受け入れる」という企業側の柔軟性が求められます。思考の方向を百八十度転換することは簡単ではありませんが、あらためて商品を見直してみると新しい価値・用途が見つかるでしょう。

 

共感マーケティングの成功例

共感マーケティングの成功例

マーケティングにはさまざまな手法があり、なかでも記事や動画コンテンツなどを通じてネットユーザーの共感を得ることで収益につなげるのが「共感マーケティング」です。
ここでは共感マーケティングの基本を説明したうえで、具体的な成功例を2件ピックアップしました。

共感マーケティングでは、企業のブランドコンセプトや商品コンセプトを明確に伝えることがとても大切です。
ネットユーザーの感情に寄り添う内容のコンテンツを発信することで、結びつきの強い顧客を育成していくことができるのです。

モノの先にある「コト」に価値を見出す共感マーケティング

ネット上にいる潜在的顧客は商品そのものを買おうと思うだけでなく、「商品にかかわる物語」もふくめて購入したいと考えています。そこにあるのは、企業や商品・サービスと「感情でつながる」消費です。
しかし商品やサービスに、ただ関連するストーリーを紐づけても共感を得られやすいコンテンツは制作できません。

共感マーケティングを効率的に進めていくためには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. マーケティング対象のペルソナを作り込み、ターゲットを明確にする
  2. 設定したペルソナが共感しやすいポイントを考える
  3. 共感ポイントにそってコンテンツを作成・テキスト・動画コンテンツ全体に統一感を持たせる

この3点を基本に置き、潜在的顧客の視点に立って共感マーケティングを始めましょう。

顧客が楽しいと思うこと・顧客自身が参加したいと思うこと、顧客が感情的に同意できることを中心にコンテンツを組み立てていくと、共感マーケティングはいっそうの集客力・訴求力を持つことになります。
狙っている潜在的顧客にしっかりしたブランドコンセプトがハマれば、一気に売り上げにつながるマーケティング方法です。

ブランドコンセプトを徹底的に伝えて共感を喚起する「良品計画」

「良品計画」は、無印良品やMUJIブランドの商品開発と製造・販売を展開する会社です。現在では雑貨だけでなく、住宅や家具、衣類、食品などの販売店を国内外で運営しています。

良品計画の共感マーケティングで重視されているのは「良品計画のブランドコンセプトに共感・賛同し、応援してもらえる人を増やすこと」です。
たとえば主要ブランド「無印良品」の動画コンテンツの一つでは、人気商品であるスニーカーの製造工程がドキュメンタリー映画のように映し出されます。動画にはナレーションもなく、宣伝・広告的な内容はほとんどありません。しかし「無印良品」のブランドコンセプトである、「ユーザー目線に立ってていねいに商品を作る」ことが分かりやすく伝えられています。

「良品計画」のコンテンツは、企業理念や「なぜこの商品を作ったのか」が見ている人に伝えるためのものです。
広告色を排除したコンテンツですがユーザーの共感を得やすく顧客育成につながるものなのです。

スタイリッシュな世界観をぶれずに伝えることで共感を得る「土屋鞄製造所」

「土屋鞄製造所」は皮革製品の企画・製造・販売をしている企業です。もともとはランドセルの制作から始まった会社ですが、フェイスブックや自社のECサイトを立ち上げてから急激に売り上げをアップさせました。

土屋鞄が共感マーケティングで成功した理由は「明確な世界観・ブランドコンセプト」があったからです。
初めはショッピングモール型のECサイトへ出店していましたが、「土屋鞄の世界観」を十分に伝えきれないと自社ECサイトへ方向転換。それからはフェイスブックやSNSを使い、スタイリッシュな世界観をシャープに伝達することに集中しました。

しかし、ECサイトやSNSなど多数のツールを並行して使うコンテンツ発信では「世界観のブレ」が起きやすく、伝えたいことがバラバラになりがちです。世界観のブレを防ぐために、土屋鞄では特定の部署の主要メンバーがECサイトやSNS、カタログ、ブログのコンテンツ内容をすべてチェックしています。統一された世界観を維持するためです。

発信されたブランドコンセプトにブレがないために、顧客は安心して土屋鞄のブランドコンセプトに共感でき、収益に直結するのです。

まとめ

商品のもつ物語やコンセプトで潜在的顧客に共感してもらうマーケティング手法では、企業の「理念」が大きく関係してきます。マーケティング展開の際には、以下の3点に留意しましょう。

  1. ターゲットを絞り込み、特定の共感ポイントにそってコンテンツを制作・発信する
  2. 売り上げと同時に、商品や理念に共感してくれるファンの育成をこころがける
  3. 明確な理念を、ブレずに発信し続ける

現在は消費行動が大きく変化している時代です。
これまでのように大量消費ではなく、モノの向こうにある「コト=物語・ストーリー」に価値が見いだされつつあります。共感性の高いコンテンツの発信で、ストーリーを含めた販売力をアップさせましょう。

 

共感マーケティングの強み

共感マーケティングの強み

Webマーケティングで欠かせないのが、SNS上での「共感」です。
Webマーケティングでは、読者による「共感」が企業への好感度と信頼感を生み、商品やサービスの売り上げにつながります。

ここでは読者の共感を引き出す「共感マーケティングの説明」から始めて「顧客と企業の信頼感」「差別化しにくい業界での共感マーケティング」について考えていきましょう。
読者の共感を得るには、読者の「情緒」に訴えかけるのが有効なのです。

共感マーケティングとは

「共感」とは、読んだり見たりした他人の意見・感情などに同意すること、または同意する「感情」のことです。人間が共感するのは本や映像作品だけではありません。わたしたちが、日ごろよく接しているWebの世界でも「共感」が起きています。

たとえばWebでみた動画コンテンツや記事の内容に同感したり同意したりすることは、共感していると言う意味です。人間は無意識のうちに共感していることが多く、気が付かないうちにSNS上のシェアや「いいね」をつけることで同意や共感・賛意をあらわしています。
そこで、共感マーケティングでは商品・サービス・ブランドコンセプトの「情緒的価値」が重要になります。

従来のマーケティング手法では性能やコスパなど「機能的な価値」を伝えることを優先してきました。
しかし共感マーケティングでは、読者の感動や共感など感情の動きを喚起して、そこから「買ってみよう」という行動をうながすのが狙いなのです。

価値観の共有が企業への信頼感となる

共感マーケティングの目的は、ユーザーとの間に「価値観の共有」をすることです。

Web上にいる潜在的顧客の多くは、一般的に流行している「トレンド」を意識しつつ、どこかで「価値観を共有できる商品・ブランド」をさがしています。それは「自分だけのもの・自分が見つけたもの」を探しているといってもよく、「みんなが持っているから」というより「私が見つけ出した、私が選んだもの」を好む傾向があります。
なぜなら「私が見つけたもの」の背後には、ユーザーが共感できるブランドコンセプト・商品コンセプトがあるからです。物語性を背後に持った商品・サービスはユーザーの情緒を刺激し、共感を生みます。そして共感できる商品を購入するのは自己肯定の一環でもあり、ユーザーの感情に深く揺り動かすことができるのです。
ユーザーにとってはエコやエシカルなど企業コンセプトを共有できる商品が魅力的ですし、購入にも抵抗がありません。そして共感できる商品を多く販売している企業に信頼感を持つようになり、やがて熱心な顕在的顧客となって売り上げを支えてくれます。

共感マーケティングの真髄は、ユーザーの情緒・感情を揺り動かすことで忠実な顧客を育成することにあるのです。

差別化が難しい領域こそ、共感マーケティング

共感マーケティングの強みは、「差別化が難しい分野でこそ集客力を発揮する」点です。

従来のマーケティングでは数値で機能性をあらわすことで、他社製品との比較検討をうながしてきました。数値は検討するには有用なものですが、ユーザーは比較をするうちに「どれも高性能に思えて、どれを買ったらいいのかわからない」という事態におちいります。
つまり機能性だけでは、潜在的顧客は購買に踏み切れないのです。

しかし共感性をベースにしたマーケティングでは、機能性よりも情緒性が優先されます。商品への「気持ち」が優先されるのです。そこでは「AとBの違いはあまりよくわからないが、Aのほうがなんとなく好きだから買おう」という流れができています。
ユーザーが「なんとなく好き」だと感じる商品の背後には、感動を共有しやすい物語・ストーリーがひそんでいます。ユーザーは無意識のうちに商品が持つ物語に感情を動かされ、その物語ごと商品を支援するようになります。
これを繰り返せば、ユーザーは購買アクションを通じてどんどん企業に対する信頼感を強めてくれ、次第に企業との「一体感」を感じ始めます。こういった意識の流れは、機能性を紹介するマーケティングでは得られにくいものです。
情緒・感情を介してつながっているから、差別化がしにくい分野でも強力な集客が可能なのです。

まとめ

共感マーケティングはユーザーの感情と結びついて購買アクションをうながします。以下の3点に特に注意して進めていきましょう。

  1. 商品・サービスに、ユーザーの共感を得られやすい「情緒的価値」を付加しておく
  2. 価値観を共有することによって、ユーザーと企業との間の信頼関係を構築する
  3. 差別化しにくい分野でこそ、共感・情緒的価値を利用する

共感という感情の動きは人間の根源に根ざしたものです。商品やブランドコンセプトに共感を持ってもらえれば非常に強固な信頼関係が構築できます。差別化しにくい分野・商品こそ共感マーケティングを利用しましょう。

ストーリーテリングマーケティングの成功例

長いあいだ採用され続けている王道のマーケティング手法には、確実な集客力があります。物語・ストーリー性を核にした「ストーリーテリングマーケティング」は、シンプルな手法ながらバリエーションが豊富で、ユーザーへの訴求力も高い方法です。

ここではストーリーテリングマーケティングの説明とあわせて、実際の成功例を3つご紹介しましょう。「アマゾン」「apple」などの巨大企業も物語を通して、自社のコンセプトや商品の魅力を伝えているのです。

ストーリーテリングマーケティングとは

「ストーリーテリングマーケティング」とは、企業のブランドコンセプトや商品・サービスを「物語」を使ってユーザーに印象づける手法です。

太古の昔から物語(ストーリー)には人を強く引き付ける力があり、また見た人・聞いた人の記憶に深く、長く残るという利点があります。
商品やサービスの紹介は具体的な数値や機能データを伝えたほうが効率的な気がしますが、人間は論理的・数値的なデータだけでは物を購入する気にはなりにくいもの。
物語の吸引力を通じて「情緒」にアプローチして、より深い「共感」をよびさまし、購入アクションにつなげることがストーリーマーケティングの目的です。

それでは、実際のストーリーテリング成功例を企業ごとにご紹介しましょう。

アマゾンを利用した後の幸せな風景を表現する「アマゾン」

アマゾンは、アメリカのウェブサービスおよび巨大ECサイトの会社です。アマゾンの場合、「アマゾン→幸せを提供する企業」というコンセプトを、ドラマという情緒的に受け入れやすい手法で表現しているのがポイントです。

アマゾンのCMは物語をたくみに使い、情緒的に企業コンセプトを伝えているのが大きな特徴。
物語を通じて「アマゾンを利用すると、こんなふうに”幸せな気持ち”になれます」と言うことを、分かりやすく伝えています。
一般的なマーケティングなら、アマゾンの利点である「便利さ・取扱商品の豊富さ・送料の安さ」などを売りこみのポイントとして、他社との比較のために数値を駆使した論理的なコンテンツを制作するのが王道でしょう。
しかしアマゾンは、あえて合理性や論理性を排除して「幸せな物語」を見せることによって視聴者のなかの「情緒」に訴えかけ、記憶に強く残るマーケティングを展開しているのです。

魅力的なユーザー像を通して購買意欲を高める「Apple」

Appleは、アメリカのインターネット関連製品およびソフトウェアなどを開発・販売している多国籍企業です。
企業発足当初から、物語を非常に上手に使ったマーケティングが得意で、企業コンセプトの「自分らしく生きること」の支援を訴えるCMを多数制作しています。Apple製品を使うことで世界に革新をもたらすというメッセージを発信しているのです。

たとえば「Macの向こうからー新海誠」というCMでは、Apple製品について語られている部分はわずかしかありません。製品の魅力や性能よりも「Macを使って、こういうスタイルで作品を作っているひとがいる」と言う点に焦点が当てられており、CMの主人公はあくまでも映像作家の新海誠さんです。
しかし製品やサービスの具体的な機能については語らないのに、Macという商品がくっきりと記憶に残るのがAppleのストーリーマーケティングの特徴です。

Apple製品を使っている人の魅力そのものが、非常に力強いストーリーとなって視聴者にアピール。その結果として製品を買ってみたいと思わせることに成功しています。

共通の悩みを提示して共感性を高める「アフラック生命」

がん保険・医療保険大手のアフラック生命。こちらは実際にがんにかかったことのある人の物語を中心として、見る人の共感性を高めていくストーリーテリングマーケティングです。

強く印象に残っているのが、お笑い芸人の宮迫博之さんを起用したCM。自分自身ががんになったときの体験談を語ったもので、事実だけが持つリアルさ、力強さが特徴です。
内容は、がんに直面した時に受けたショックや家族をもつ父親としての経済的な不安など、「がんになったら誰でも直面する悩み・問題点」が中心。問題提起後に、解決策としてがん保険を購入すべき理由がシンプルに伝えられており、すんなりと必要性が理解できる仕組みです。

がんが身近な病気になった現在だからこそ、アフラックのがん保険CMは見る人の共感を得やすいのでしょう。

まとめ

「物語」を通じて、商品の魅力を伝えるのがストーリーテリングの手法です。伝えるときには、以下の2点を強調して進めるようにしましょう。

  1. 合理性ではなく、ユーザーの情緒に訴える「物語」を軸にして商品紹介を展開する
  2. 問題提起→解決の物語を通じて、ユーザーの共感性を高める

ストーリーテリングの強みは、どの業種でも効果を発揮できる点です。ブランドや商品にかかわる物語を紹介することによって、企業への好感度を高めてユーザーの購入意欲を促進しましょう。

 

ストーリーテリングマーケティングの強み

マーケティングの世界は、つねに新しい手法を開拓し続けています。同時に、昔ながらのベーシックな手法を磨き上げて、より進化させて採用することもあるんです。
ここでは「物語」を使ってマーケティングをする「ストーリーテリングマーケティング」の利点についてご説明しましょう。

ストーリーテリングマーケティングの強みは「吸引力」と「拡散力」です。物語性が強いほどユーザーを引き付ける事ができ、SNS上で広く拡散していくことになります。

ストーリーテリングマーケティングとは

「ストーリーテリングマーケティング」とは、ブランドや商品およびサービスに関する「物語」を訴えることで、ユーザーの共感を生み出して販売成果を上げるマーケティング手法です。

一般的にマーケティングと言えば、商品やサービス、あるいは企業ブランドを「性能や機能、優位性」から紹介して、購入をうながします。その際、マーケティングの前面に出て来るのは商品・サービスの具体的なデータです。
ある商品の機能や優位性を説明するには、数値での比較が一番わかりやすい・ユーザーに伝わりやすいため、「データ重視」のマーケティング手法には「スピーディな伝達能力」と言う利点があります。他社製四より○○円安い、耐久性が高い、コスパが良いなどの機能的な利点は、数値でこそインパクトがある説明ができます。

いっぽうストーリーテリングマーケティングの場合は、商品やサービスの優位性を訴えるのに数値ではなく「物語」を利用します。商品の開発秘話や自社サービスにまつわるエピソードなどを盛り込み、ユーザーの「情緒」に訴えて、共感を引き出すのが目的です。
なぜ情緒・共感に訴えるのかというと、記憶と結びつきやすいからです。感情を揺さぶられた小説は長く覚えているものですし、共感度の高いCMは記憶に残ります。

このように「物語」を核としたストーリーテリングマーケティングでは、ユーザーに強い印象を与えられます。いい物語を持つCMは長く深く記憶され、企業イメージと一体化して商品購入を促進していくのです。

ストーリーテリングマーケティングには、つよい吸引力がある

ストーリーテリングマーケティングのもっとも大きな利点は「物語の吸引力」です。

小説でも映画でも、起承転結のあるストーリーや心温まるストーリーにはつい引き込まれてしまうもの。多くのユーザーを引き付けて記憶に長く残るうえ、マーケティングを展開している企業やブランドのイメージの底上げもしてくれます。そして物語を通じて企業にプラスイメージを持ったユーザーは、企業サイトをじっくりと見てくれ、コアなファンに成長します。そこから商品のリピート購入をしてくれたり堅実に商品やサービスを購入する優良な顧客になってくれたりするのです。

商品にまつわる「物語」を核にしたストーリーテリングマーケティングが成功すると、ネット上の潜在的顧客を上手に育成することができます。顧客との間に、長期間にわたって信頼関係を維持できる基盤ができるのです。

ストーリーマーケティングは広がりを持つ

ストーリーマーケティングのもうひとつの強みは「拡散力」です。

ネットの世界は個人が自由に情報を発信できるSNSの登場で、大きく変わりをしました。それまでの「特定の人が情報を発信し、それ以外は受け取るだけ」という形から、フェイスブックやツイッター、インスタなどのSNSツールであらゆるひとが簡単に情報を「発信」できる形へ進化しました。
その結果「自分がいいと思った情報、共感できたコンテンツ」を他者と共有することも、重要な自己表現のツールになったのです。
自分が見て共感できた動画CMなどをSNS上で共有・拡散する、受け取った情報を再び拡散すると言う流れの中で、多くの人がスピーディに情報を共有することになり、企業に対するイメージも一気に広がります。

「物語」はとくに人の共感を引き出しやすいツールです。
自分がハマって面白く感じたCMやコンテンツを誰かに教えたい・面白さをシェアしたいという意識の高まりを利用するのがストーリーテリングマーケティングです。

まとめ

ストーリーテリングマーケティングは、昔からよく使われている王道の手法です。「ユーザーの共感」を引き出して寄り添うことで、企業およびブランドは顧客と長期的な関係を結ぶことができます。ストーリーマーケティングを展開するときには、以下の3点を踏まえて進めてみましょう。

  1. ユーザーの「共感」を生む物語で、購入意欲を刺激する
  2. 物語を通して、ユーザーの企業好感度を揚げる
  3. SNSを利用した「物語の拡散」で、企業や商品の知名度・好感度を上げる

ストーリーテリングマーケティングでは、物語における「伝播力の強さ・拡散力の速さ」という特徴を生かす方法です。あえてデータや論理による情報提供を控えて、商品に関するストーリーに特化しましょう。

 

OODAループの成功例

OODAループは観察、状況判断そして意思決定と行動のそれぞれの英単語の頭文字を合わせたものです。
もともとはアメリカ空軍のパイロットが考え出した理論であり、戦場においては瞬時の判断が必要であったため理論が利用されていました。

意思決定の速さ、迅速な対応が求められるスポーツや教育、ビジネスなど様々な場所でも応用されるようになり、その現場に応じた行動をするために考え出された仕組みとして認知されています。

OODAループを活用するには

OODAループの観察は周囲の状況をよく観て多くの情報を的確に収集しそれを把握する、ということが含まれます。
この時の見るはただその状況を見ているだけではなく、見た結果を瞬時に認識し、気づきを得ることになります。

状況判断は集めた情報に対して状況を判断し、将来はどのようになっているかを予測していきます。
この時、自分の知識や過去の経験なども参考にしながらビジョンをつくります。

正確性よりも方向性、世界観に意味があることを優先させており、それを実現するために意思決定があります。
さらにただ意思決定をしただけではなく、決定した方法を実際の行動に移すようになり、移した後は最初の観察に戻ります。

つまりOODAループは
●観察
●状況判断
●意思決定
●行動

が繰り返されているものであり、繰り返すことが多ければ多いほど次に何か起きたときに瞬時に判断しやすくなり、すぐに行動と結びつけられるようになります。

PDCAサイクル

OODAループと似たものにPDCAサイクルがあります。
PDCAサイクルは日本で品質管理または生産管理で活用されている方法であり、業務管理や改善が目的です。日本人好みのような手法であり、計画をしっかりと立てて計画通りに動くことが重要であり、目標を作成しその目標の結果に対して改善するまではある程度の期間が必要になります。

そのため瞬時に判断するというよりも、じっくりと長期的に考えだしていくフレームワークであり、PDCAサイクルを導入しているのは日本のみとなっています。

製造業や食品加工業などに向いている方法であり、しっかりと計画を立てることでより生産性があがります。
PDCAサイクルにも良い点があるので、状況に応じて使い分けることが大切であり、しっかりとした目標が立てられない場合はOODAループを使うとすぐに行動に移すことができます。

OODAループのメリット

メリットはとっさの判断が必要なときに効力を示し、予想外のことが起きたとしても実行することによって解決していくことができる、個々に責任感を与えることができる、目標をあらかじめ設定する必要がないので、新規事業の場合に活用しやすい点があげられます。

さらに個人の生産性を高めることが可能であり、計画を立てることに時間をかけないので、その時間を有効活用することができ、処理速度が高まります。
OODAループを利用してユーザー層をより早く集客する時に用いることができ、成功例はインターネット販売が多いです。

近年ではめぐるましくネットマーケティングは状況が変わっており、計画や評価などを考えていると乗り遅れてしまいます。
その時々の現場の判断と実行が求められるため、インターネット通販では必要な手法と言えます。ですが、一般的な会社においても使用できる方法であり、事務や人事にも生かすことができます。

OODAループの成功例

成功例としては、以前はPDCAサイクルによって顧客の要望や必要な情報を聞き出し、その情報を当てはめて運用してその結果どうなったかを測定し、改善点を試しながら進めていくことを行っていました。

ですが、この方法であると流行や話題となっていることを取り入れることが難しく、情報を集めただけでそれを生かし切れていませんでした。

そのためOODAに変更をし、必要な情報を聞き出すだけでなく顧客の要望を理解してどのような手法でアプローチをしていくかを決め、実際に実行して集客をし、うまくいかない部分を改善していくという方法を取り入れました。

その結果より知りたい内容がタイムリーとなり、必要としている情報を様々な人に提供できるようになり、売上も高まっています。

また、教育現場においても子どもは想定外のことを行うことがあるので、OODAの考えを取り入れたほうが、より様々なことに迅速に対応することが可能です。

適切な手法を取り入れるのが最善

OODAとPDCA、どちらの手法も目標を達成するための手法であり、どちらかが劣っているわけでもありません。

ですが、インターネットが普及した現在においてはスピードが大切であり、常に変わっていく状況にいち早く対応しなくてはなりません。

ルーティンとなる仕事が多く、スケジュールが細かく決まっている場合はPDCAの方が合っていますし、ベンチャー企業や教育などのように人の心理に応じて状況が変わるような職業の場合はOODAの方が合っています。

どちらの手法をとるかは会社の雰囲気、仕事内容に関係してくるので、社風に合ったものを選び実行していくことが大切です。

ストーリーテリングマーケティングとは

ストーリーテリングマーケティングは、ビジネスに物語性を付け加えて顧客心理を掴む手法で、ストーリーを求める消費者の心に訴えかけるのに役立ちます。

この手法はいわゆるコンテンツマーケティングの一種で、コンテンツを発信する側が消費者に情報を提供することによって、購買意欲を育てたり購買行動を促すのが特徴です。
ストーリーテリングの方法は、昔話や童話のように、物語性を感じさせる書き出しで興味を持たせるのがポイントです。

昔々というように話し始めたり、あるところで誰が何をといった具合にストーリーを作っていきます。
ストーリーに主人公を設定したり、舞台設定や目的、ストーリーの展開と結末まで簡潔にまとめることが大切です。

テレビで物語仕立てのCMが多いのは、それだけ消費者がストーリーを求めている証拠で、伝わりやすい上に興味を持って購買意欲が高まるからに他ならないといえるでしょう。

起業や商品開発ストーリーテリング

これを創業者の起業ストーリーに用いると、消費者は興味を持って、企業や創業者の人となり、そして商品にも興味を持ち始めます。

当然ですが、魅力的なストーリーを用意しなければ消費者は惹かれないので、惹きつける物語にすることが肝心です。
それと、主人公には課題とヒーロー性を与えて、困難に立ち向かい課題を解決する流れでストーリーを仕上げるのもコツです。

顧客像をペルソナとして設定したり、商品やサービスを擬人化するテクニックもあるので、ストーリーテリングマーケティングは奥深いといえます。
誰を物語の語り部に設定するか、これも消費者が受け取る印象を大きく左右しますから、読み手の気持ちになってストーリーを作り上げることが必要です。

物語を作りビジネスに用いるのであれば、共感してもらえる話を活用することが大事です。
印象に残したり魅力を伝えて興味を持ってもらう、それこそがこの手法における成功の鍵を握ります。

ストーリーは創業者の存在を印象づけたり、ものづくりに対する思いをメッセージに乗せるのに有用です。
また、商品やサービスの魅力を伝えるのにも有用で、企業の成り立ちを知ってもらうのにも便利です。

感覚的にはツールとして使えますが、使い方を間違えると消費者に異なるメッセージを発信してしまったり、望む結果とは異なる着地点に至ることがあるので注意をしましょう。

創作か事実のストーリーか

ストーリーテリングマーケティングでは、物語を作って発信する方法を用いるので、やろうと思えば創作を事実のように使うことも可能です。
しかし、顧客を騙すようなやり方は歓迎されませんし、嘘がバレると失うものの方が大きいですから、事実に反しない範囲でストーリーを魅力的にすることが求められます。

事実の方が創作よりも話に説得力が生まれますし、事実を魅力的に伝えた方が顧客は惹かれたり喜びます。
共感を生むことが目的の1つなので、消費者が抱いている悩みや不満を設定して、それに気がついた創業者が解決に挑むという物語にすると共感を呼びやすくなります。

共感を生むストーリーテリング

解決すべき問題や課題を仮想的に据えることで、発信する側と消費者の共通の敵が生まれます。
この仮想敵を倒す流れで物語を組み立てていくと、ヒーローの創業者や敵を打倒した武器の商品やサービスが共感を呼ぶ結果に至ります。

ストーリーテリングマーケティングの活用方法には、消費者をヒーローに仕立て上げて、敵を打ち倒す疑似体験を提供する手もあります。
その為には、魅力に感じられる舞台や設定を用意して、倒すに値する敵や打倒までの道筋を丁寧に物語にすることが重要です。

このような物語の提供は、創業者を印象づけて企業の顔にしたり、企業名や商品、サービスを消費者の記憶に残すことになります。
市場には沢山の商品やサービスが溢れかえっていますが、その中で存在感を放つのは至難の業です。

小規模事業者でも活用できるマーケティング手法

企業規模が大きく、マーケティングに使える予算が大きければ話は別ですが、零細企業であったり個人商店だと限界があります。
中小規模の企業や個人が大手と勝負するには、やはり消費者を味方につけてビジネスを展開していくことが不可欠です。

ビジネスの力をつけるのに役立つのがまさにストーリーテリングで、存在に気がついてもらったり、名前を覚えてもらうことがビジネスの武器になります。
物語はメッセージの内容と伝え方が重要なので、方向性を明確にして伝えたいことを伝えるようにします。

次に、感情を揺さぶる方向に持っていき、更に物語の展開に惹き込んでいきます。
消費者の顧客心理を掴むことができれば、消費者は購買意欲が高まって、商品の購入やサービスの利用を考えるようになるわけです。

ストーリーは必ずしも時系列順に並べる必要はありませんし、抽象化して伝わりやすいように工夫すると、物語の魅力が増してシンプルに伝わります。
敵を倒すだけでなく、再生の物語や壮大な冒険の旅、出発して戻ってくるまでの道筋など、用いることのできる設定は沢山あります。

無の状況から成り上がる話や、悲劇と喜劇も人を惹きつけますから、面白いストーリーを考えて伝えたいことを伝えるのがポイントとなります。

共感マーケティングとは

近年、スマートフォンが世代を問わず普及しています。
それに伴い従来のマーケティング手法ではなく、共感マーケティングが注目されており利用する企業が増えている現状があります。

これはお店の集客力を上げるには身近な売り場、親近感のわく会社やスタッフ、身近に感じることができる商品やサービス、価格、日常の悩みを解決する、何を伝えたいかがわかりやすいといった5つの項目が必要となり、息の長いヒット商品を生み出すには身近で親近感があり、日常に寄り添ったものになります。

ですがこれらを会社がある地域だけでなく様々な地域に広めるには、人が会社訪問などをして営業をする、新聞広告を出すだけでは不十分です。
そのためソーシャルメディアを利用した手法が注目されています。

共感マーケティングとは

共感マーケティングとは人の心に寄り添い、売れる仕組みを作り上げる手法とその効果を指しています。
人の心に寄り添っているため営業などのセールス活動を行わなくても自然と売り上げが伸びていくほか、ソーシャルメディアを巧みにより戦略的に活動できるため宣伝効果が高い、宣伝効果が高い割に低コストである特徴があります。

実際にその商品を使ってみた人が口コミを書き、それを見た人が欲しくなって購入する、または友人が使用しているのを見て使ってみたいと思うなど共感を得ることができる効果であり、営業を無理に行わなくても商品が売れることを実現できる手法になります。

つまり共感マーケティングの場合、消費者を売上率向上に向けて仕掛けてもらうので、消費者が発信者であり、1人が発信したことがソーシャルメディアを利用して3人になり、そして10人に広がるということを利用しています。

つまりつねに消費者が主人公であり、主人公が興味があり使用してみたい、または行ってみたいと思わない限り効果を得ることができません。

インフルエンサーを活用

共感マーケティングの一番簡単な方法は、インフルエンサ―とも言われる影響力のある人にある商品を試してもらい、その感想をブログやサイト、動画に配信してもらうことであり、見ている人が多ければ多いほど様々な人に拡散していき、自然と売りたい商品の宣伝をしてもらえます。

ただし、共感マーケティングは上手に活用しないと売れる仕組みを作り上げることはできません。
インターネットの仕組みを理解し、それを十分に生かしていけるスキルが必要となります。

インターネットで物を売る場合、その商品を現実に手に取ることはできません。
そのため商品の価値を見える化し、わかりやすく伝えることが大切です。

商品へのこだわりや、その商品の特徴はもちろんのこと日常からさほどかけ離れない言葉や画像、映像を的確な場所に配置をし、随時配信をしていく、常に商品の紹介やこだわりばかりではなくクオリティが高い画像などを適度にちりばめる、など会社の印象をあげていきます。

共感マーケティングの基本

人と会社が共感しあうには、

●どの世代をターゲットにするかを明確にする
●自社の強みを示す
●共感してほしい部分はどこなのかを考える
●一つのチームのみでなく会社全体がメッセージを共有し、それを言語化する

という4つが基本となります。

そしてそれらを発信する力が必要であり、たくさんのユーザーを獲得し口コミを集め、インフルエンサーの力を借りて広めてもらわなくてはなりません。
インフルエンサーの協力が得られない場合は、共感を得てくれる人を多く集めることが大切なため、サイトの構築は慎重に行うようにし、ある程度頻繁にソーシャルメディアを更新していくと良いです。

なお、インフルエンサーの力を借りたとしてもそれがすぐに売上率向上には結びつきません。
影響力のある人であっても、それを見た側が価値を見出せなかったり、情報がつまらないものであったりする場合はスルーされてしまうからです。

ユーザーの心理を考え抜く

近年ではブログやサイトを立ち上げる人が多くなっており、多くの人は他の人への貢献欲、そして認められたいという承認欲求があります。
これは人と人とが直接触れ合ることがきっかけとなり、誰かに貢献することによって自分に価値を見出しているからです。

つまり自分が心の底から良いと思い、それを誰かに伝えてその人から感謝されたいと思っているので、このような貢献欲や承認欲求を満たすようなものであれば、簡単に配信されていきます。
共感マーケティングとは影響力のある人、もしくは貢献欲や承認欲求を満たしたいと考えている人の発信力によって成功するものであり、売り上げを伸ばしていくにはこれらの人が求めているものは何かを考えなくてはなりません。

そのためには売りたい商品の情報を魅力あるものにし、それを使用することによってどのような利点があるのか、実際に試すとどのようないいことが起こるのか、などを明確に書き記すことが大切です。

特に最近ではビジュアルの良さも大切になっているので、写真の撮り方にも注意をすることが必要であり、よりセンスのよい画像は拡散される傾向があります。

ライフタイムバリュー(LTV)の向上で、長期収益型ビジネスをめざす

顧客の「ライフタイムバリュー(LTV)」は、Webマーケティングで重要視される要素の一つです。
LTVは「ひとりの顧客から得た利益」の総計で、長期収益型ビジネスモデルで収益を上げ続けるにはLTVの向上が欠かせません。

ここでは「顧客のLTVをアップさせる方法」と「売ってからの顧客育成型」の2点から、Webマーケティングとライフタイムバリューの関係を考えました。
一人の顧客を丁寧に育てて高い収益をあげる、持続的、継続的な営業が長期収益型ビジネスにつながるのです。

顧客のLTVアップ=企業収益の拡大

顧客のライフタイムバリュー(LTV)は「顧客生涯価値」とも訳されます。
つまり「顧客が取引期間全体を通じて、企業にもたらした売り上げ」のことです。

Webマーケティングにおいては顧客のLTVを上げ、なるべく長く、なるべくたくさんの売り上げになるよう顧客をケアする必要があります。
ここではLTVアップの方法として

1.平均顧客単価のアップ
2.購入頻度のアップ

の2点をご説明しましょう。

1.平均顧客単価を上げる

物販であってもサービスであっても、顧客一人当たりの単価を上げていけば総合的な売り上げもアップします。
では、平均顧客単価を上げるにはどうしたらいいのでしょうか。おすすめの方法は二つあります。

1.関連商品の購入をうながす「クロスセル」
2.アップグレードした商品の購入をうながす「アップセル」

クロスセルは、顧客が興味を持ちそうな関連商品をこれまでの購入データから割り出して、販促活動を行う方法です。
アップセルは、顧客に従来よりもハイグレードな商品を紹介してメリットに納得してもらい、単価の高い商品購入を進める方法。

クロスセルではこれまでの顧客の購入データの蓄積とデータからの推測が必要になりますし、アップセルでは商品・サービスのクオリティが重要になります。
顧客がハイグレードな商品を見て「これなら余分に払ってでも欲しい」と思うようなレベルでなければ、購入してもらえないからです。

顧客の平均単価をあげるには、これまでの地道なリサーチやデータの蓄積、分析、そして商品・サービスの魅力が揃っている必要があります。
もっともWebマーケティングでは、顧客データなどは売り上げが発生した段階から蓄積されていることが多いので、客単価を上げやすい環境がととのっているとも言えるのです。

2.客の購入頻度を上げる

顧客ひとりが買う回数が増えれば、LTVも相対的に上がります。
適正な購入頻度は企業が扱っている商品・サービスによって異なりますが、一度買ったらもう二度と必要ないというアイテムはほとんどありません。

ですから購入頻度をあげるには、商品がなくなるタイミングやサービス期間が終了する時期を狙って、再購入を促すようにするのが効果的です。
たとえば家電なら、購入後半年で「調子はいかがですか」という状況を尋ねるメールを送り、1年後には「無料メンテナンスが受けられますが、どうでしょうか」などのサポート案内を送付して、顧客にメリットのある内容のコンタクトを取り続けます。

定期的にコンタクトを取ることが重要で、メールやメルマガでは売り込みはかけません。
営業しないことで顧客の企業に対する好感度が上がり、もう一度買ってみようかと思うことになるからです。

売ってからの顧客育成型

WebマーケティングでLTVを重視するのは、企業と顧客の関係が「売り切り」から「売る→コンタクトを維持→リピーター化」という流れに変わってきたからです。
これまでは一人でも多くの新規客を得て商品を売ればよかったのですが、今の日本では新規客を開拓するには時間も手間もかかりすぎます。

また新規客から得られる売り上げはそれほど大きな金額になりません。
同じ時間とコストをかけるなら、一度でも自社製品・サービスを購入した既存客に継続的にコンタクトを取り、企業ロイヤリティの高い顧客に育成して利益を上げるほうが収益につながるのです。

コンテンツマーケティングでは、顧客それぞれに必要な情報を提供することにより、顧客を育てていきます。
既存客との良好な関係を維持してリピーターになってもらう。これこそがLTVをあげる最終兵器なのです。

まとめ

社会と市場が変わってゆくにつれて、収益を上げられるビジネスモデルも変化していきます。
顧客のLTVをあげるには、以下の3点に十分注意をしていきましょう。

1.顧客のLTVアップには、顧客ごとのデータを利用した「クロスセル」で関連商品を販売する
2. LTVアップのためにハイグレード商品の購入をすすめる「アップセル」で単価の高い商品を販売する
3.「売り切り型」ではなく「売ってからの顧客育成型」に切り替えて、既存客をリピーターにする

企業にとっての優良客とは、長い期間にわたって商品やサービスを購入してくれる顧客です。
優良客から引き出せるLTVを上げるためにも、売った後から始まる関係を大事にして顧客育成につとめましょう。

コンテンツマーケティングにおける「PR型コンテンツ」のベストバランス

ネット上でコンテンツを継続配信して、潜在的顧客の中に信頼感を育成する。
これがコンテンツマーケティングの基本的な手法ですから、重要なのが「企業好感度の上がるコンテンツテーマ」です。

ここでは「顧客を放さないコンテンツテーマ」「新規リードのための問題解決型コンテンツ」と「顧客育成のためのPR型コンテンツ」の3点から、コンテンツテーマのベストバランスを探ってみましょう。
たくさんのコンテンツが読まれ、好感をもたれる企業サイトには、剛柔のコンテンツテーマがバランスよく並んでいるものなのです。

顧客を放さないコンテンツテーマのバランス

実際のところコンテンツマーケティングを展開している企業では、どんなバランスでコンテンツテーマをチョイス・制作しているのでしょうか。
企業によってバランスは異なりますが、「顧客のかかえる問題を解決する柔らかめコンテンツが50%」「自社商品販促のためのPR型コンテンツが50%」と言うのが一般的なようです。

問題解決型コンテンツが50%とは高比率だと感じるかもしれません。
しかしコンテンツマーケティングではネット上で有用性の高い記事を探しているユーザーをターゲットとしています。

問題解決型コンテンツは問題を抱える潜在的顧客に読まれやすく、その先に企業サイトへ誘導してさらにたくさんのコンテンツを読んでもらうための「釣り針」のようなものです。
企業に対してまだ関心も興味もないユーザーを企業サイトへ自然流入させるには、剛柔のバランスが取れたコンテンツを多数そろえる必要があるのです。

まずは問題解決型で新規リードをゲット

企業サイトへの自然流入をねらうなら、まずは問題解決型コンテンツを十分な数だけ発信しましょう。
有用性の高い問題解決型コンテンツは、企業に対する知識のない状態のユーザーにも抵抗感なく読んでもらえますし、「営業しすぎ」というマイナスイメージも持たれません。

だから「新規リード」を入手できます。
一般ユーザーが読みたいのは、役に立つ、あるいはおもしろいコンテンツです。

ですから自社製品やサービスのPRやセールスはいったん忘れて、ひたすらにユーザーに役立つコンテンツを発信することに専念しましょう。
サイト内のコンテンツ数が増えるうちに、次第に検索からの自然流入が始まります。

安定的に自然流入が認められたら、そろそろ次の段階へ進みましょう。
自社製品やサービスに関する詳細な情報提供や使用方法などのPR型コンテンツを、問題解決型コンテンツの中に交えて少しずつ発信、サイト全体のバランスを整えていくのです。

PR型コンテンツでは、製品・サービスの情報提に徹して顧客を育成

製品やサービスの情報を提供する「PR型コンテンツ」を制作・発信する時には、以下の2点に注意しましょう。

●1.売りたいという意図よりも、潜在的顧客に必要な情報を提供するスタンスを優先する
●2.企業に対する信頼感が育成される前に、セールス色の強いコンテンツを発信しない

企業である以上、コンテンツマーケティングの最終目的は「営業成果」です。
たとえコンテンツに一切の営業色をふくまず、純粋に一般ユーザーのためのお役立ち記事に徹するとしても、その背後には企業のブランディング戦略がかくれています。

企業コンテンツである以上、多少は営業的な内容が入ってくるのは当然ですが、あまりにも売り込みが強い記事はユーザーに拒否されることもあります。
今のネットユーザーは毎日たくさんの記事を読んでいますから、有用性の高い記事と売り込みメインの記事を瞬時に見分けてしまうのです。

ただし商品の詳細な情報提供であっても、「ほんとうに、ユーザーに必要な情報だからコンテンツ内で提示する」と言う意図があれば、ユーザーは抵抗感なく受け入れてくれます。
単純な売り込み記事ははねられてしまうが必要な情報なら好感をもって受け入れられ、企業に対するマイナスイメージにならない。

どこまでも顧客目線でコンテンツを作成するところが、テーマバランスとして難しいところです。

まとめ

コンテンツマーケティングでは、価値の高いコンテンツを発信し続けることで顧客を育成します。
企業ロイヤリティの高い顧客を育てるためには、以下の3点に注目してコンテンツのテーマを決めましょう。

●1.顧客に有用な「問題解決型コンテンツ」と、商品の「PRコンテンツ」の割合は1:1がベスト
●2.「問題解決型コンテンツ」で新規リードをつかみ、企業への好感度をあげる
●3.「PR型コンテンツ」では、売り込みより必要な情報提示を優先するスタンスをみせる

売り上げを上げるために、あえて営業色の薄いコンテンツをたくさん配信する。
矛盾しているようですが、長い目で見れば企業のイメージアップにも収益にもつながります。

長期的な視野に立って、自社にとってベストなコンテンツテーマのバランスを探っていきましょう。