キャラクターマーケティングの成功例

キャラクターマーケティングの成功例

自社製品やサービスを販売するためのマーケティングにはさまざまな手法があります。
「キャラクターマーケティング」は個性的なキャラクターを使い、ユーザーの身近なところで購買意欲に訴えかける方法です。

ここでは「キャラクターマーケティングの概要」と、実例をあげた「成功例3つ」をご紹介しましょう。
キャラクターマーケティングは、成功すれば知名度が一気に上がるのが大きなメリット。SNS発信も併用して、キャラクターの魅力を伝えていきましょう。

キャラクターマーケティングとは

「キャラクターマーケティング」は個性のあるキャラクターを使って、商品やサービスのイメージや企業ブランドを発信するマーケティング手法です。
かわいい・アピール力が強いキャラクターを起用することによって企業に対する親近感を持ってもらい、ブランドイメージをあげる狙いもあります。

自社製品やサービスの売込みに使えるだけでなく、このところ各自治体が積極的に推進している「ご当地ゆるキャラ」も地域活性化を目的としたキャラクターマーケティングです。
キャラクターマーケティングは反響がSNSなどで一気に拡散されることがあり、ときには想定以上の注目を得ることがあります。オリジナルキャラの場合は強力なアピール力を持つ造形を考え、キャラクターそのものを広く知ってもらえるようにするのが重要なポイントです。

では、ここから具体的な成功例3つを見ていきましょう。誰でも一度は目にしたことがあるおなじみのキャラクターも売り上げに一役買っているのです。

キャラクターマーケティングの成功例①くまモン

地方自治体のキャラクターマーケティングでもっとも成功した例は熊本県庁の「くまモン」でしょう。

黒い顔・体に丸い目、赤いほっぺのくまモンは一目見たら忘れられない印象的なビジュアル。2011年から熊本県のPRのために活動をはじめ、またたくまに人気者となり2011年の「ゆるキャラグランプリ」でみごと王者に輝きました。以来、日本じゅうに知られるようになった超有名キャラクターです。

くまモン成功の秘密は「商標使用が原則無料」である点。
熊本県の許可を得れば個人でも企業でも無料で使用できるキャラクターのため、熊本県関連の企業だけでなく全国の企業からグッズなどが販売され「共有型キャラクターマーケティング」を幅広く展開できることになりました。

ちなみに2020年7月の熊本豪雨災害のためにもくまモンは活躍中。
豪雨被害支援のための募金活動、チャリティー活動などで使用するポスター、のぼり、チラシ、募金箱、ホームページについては特例措置として「現在公表している全てのイラストを、届出制(許諾不要)とする」ことが決まっています。おなじみキャラ「くまモン」の魅力で災害支援を訴えています。
(引用サイト:熊本県 https://www.pref.kumamoto.jp/kiji_34128.html)

キャラクターマーケティングの成功例②キョロちゃん

「キョロちゃん」はお菓子の森永製菓の有名キャラクター。
赤い頭に黄色いくちばしをもつ架空の鳥で、森永のお菓子「チョコボール」の看板キャラクターです。

キョロちゃんは、森永製菓とは別に独自のツイッターアカウントを持っている人気者。
メインユーザーである若者層からの反応を得やすくするため、コンテンツ内容にはアンケートやクイズを取り入れたり、ユーザーから投稿されたイラストを紹介したり、各種キャンペーンの「あたり報告ツイッター」をリツイートするなど、頻繁なつぶやきで人気を集めています。
親しみやすいキャラをベースにしてSNSで競合他社との差別化をはかり、緻密な計算でキャラクターマーケティングを大成功にもって行ったみごとな事例です。

キャラクターマーケティングの成功例③ハローキティ

キャラクターマーケティングの王道を行くのがサンリオの「ハローキティ」。
こちらもツイッターなどのSNSで頻繁に情報を発信し、オンラインショップの新製品や他企業とのコラボ商品のお知らせなどファンが知りたい情報をいち早く提供しています。

注目すべきは更新頻度。平日はほぼ毎日投稿で、日によっては2~3回もツイッターでつぶやくなど新しい情報が欲しいファン層の需要に的確に答えて売り上げにつなげています。

ちなみにハローキティはアジア圏での人気も高いキャラクターで、SNSでは海外からの投稿も多数あります。また公式YouTubeチャンネルが開設されており、(https://www.youtube.com/channel/UCyof-1Ko_jy2sOtivyTpc4Q)
チャンネル登録者数が25万人を越える人気チャンネルです。

まとめ

キャラクターマーケティングは戦略がものをいうマーケティング方法です。運用前に以下の3点に十分配慮をして始めましょう。

  1. マーケティングの目的を明確にして、適切なキャラクターデザインを行う
  2. キャラクターの知名度を上げるため、「商標使用を原則無料」を検討する
  3. SNSでこまめに情報を発信し、キャラクターへの好感度を販売につなげる

キャラクターの魅力を活用することで企業への好感度が上がり、知名度アップや売り上げ促進につながります。
ビジュアルでユーザーに訴えかけやすいキャラクターを上手に使いしょう。

WEB集客におけるターゲティング[中小企業マーケティング]

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、マーケティングの世界は大きく様変わりしようとしています。
人との接触を極力避けるという観点から、従来の飛び込み型よりWebを使ったデジタルマーケティングに注目が集まっています。

ここでは「中小企業のWeb集客」「ターゲット選定の重要要素4点」の2点から、Web集客における顧客ターゲット設定の重要性をご説明しましょう。
実は中小企業こそ自社サイトから顧客を呼び込む「Web集客」が効果的。顧客を集めるには、自社サイトを見てほしい顧客の要件を明確にしておくべきなのです。

中小企業のWeb集客ではターゲット設定が重要!

日本のビジネス界では中小企業が約99%を占めると言われます。
しかし大企業と比べると、資金や人材面からいって大企業と同じようなマーケティングを展開するのは難しいでしょう。

この状況を打破できるのが、Web上でユーザーにアピールする「Web集客」の手法。
中小企業では「競合他社との差別化」が売り上げに直結しますから、自社製品・サービスにしかない価値や利点をWeb上で徹底してアピールして集客につなげましょう。
効率的な集客のためには、マーケティングの初期段階で「どの年代、どの性別、どんなタイプの顧客に売りたいか」と言う点を明確にしておく必要があります。

そこで重要なのが「顧客のターゲット設定」。ターゲットを絞り込むためには「顧客要素 4点」がポイントになります。
初めてのWeb集客でもこの4点を抑えておくと作業を進めやすいでしょう。

必須要素1.年令

まず考えるべきなのがメインターゲットの「年令」です。年令層を固定することで効果的なマーケティング手法が分かってきます。
たとえばメインターゲットを10代から20代とするのなら、その年齢に刺さりやすいキーワードを探してコンテンツのタイトルおよび内容に盛り込み、さらにツイッターなどのSNSでこまめにコンテンツ更新の案内をしましょう。

若い顧客は気に入ったコンテンツを積極的に拡散してくれる傾向がありますから、こまめな発信が効果を上げます。
いっぽう、30代以上をターゲットとするのならコンテンツの文章量を増やして長文コンテンツにするのがおすすめ。一定以上の年齢層には具体的な問題解決につながる記事が好まれる傾向があるからです。

必須要素2.性別・未婚と既婚

ターゲットの「性別」も重要な要素です。
自社製品やサービスの種別によっては、性差が大きくなります。たとえばコスメ業界なら女性がメインターゲットのことが多いですし、男性用ビジネススーツのターゲットは男性です。

性別だけではくくりが大きすぎるので、サブジャンルとして「未婚・既婚」も入れておくといいでしょう。「未婚か既婚か」によって本人の可処分所得が大きく違ってきますし、Webマーケティングを展開するうえでも方向性に大きな影響を与える要素です。

同じ製品・サービスを売るとしても
「おしゃれで女子ウケばつぐんのコーヒードリッパー」
とするか
「コスパ最高!○○円以下で買える最強コーヒードリッパー」
とするかは、ターゲットの性別と未婚・既婚によって使い分けるべきなのです。

必須要素3.地域

地元密着型の中小企業にとっては「地域」は重要視すべき要素。中小企業では職種にかかわらず、ローカルマーケティングと言われる特定地域のユーザーを対象にした戦略が有効です。

地元のユーザーはリピート率が高く、とくに企業ロイヤリティが高い顧客になる可能性を秘めています。長期にわたる売り上げを確保しやすい客層ですし、口コミで企業の評価を拡散してくれる大切なお客さん。
地元に根ざした中小企業は、ターゲット設定の際に「地域性」を欠かさずに取り入れておきましょう。

必須要素4.興味・趣味

忘れてはならないのがターゲットの「興味・趣味」です。嗜好品をあつかう中小企業にとっては、もっとも大きな要素だと言ってもいいでしょう。

興味や趣味は非常に幅が広く、「釣り」や「スポーツ」などのように売り上げに直結するものから「絵画鑑賞」「散歩」などのようにすぐ売り上げに結びつかないものもあります。
しかし特定の「興味・趣味」に関係するキーワードをコンテンツタイトルや内容に入れ込むことで、類似コンテンツとの差別化ができてクリック率やサイト内の滞在時間が変わります。Web集客では意外と影響力の大きな要素です。

まとめ

中小企業のWebマーケティングでは、ターゲット設定が成否を分けます。設定時は以下の3点に留意しましょう。

  1. マーケティング初期にターゲットを明確にする
  2. 中小企業のWebマーケティングでは「年令・性別・地域」を必ず入れ込む
  3. 類似コンテンツとの差別化のためにも「趣味・興味」要素も取り入れる

中小企業のターゲッティングでは最初の段階で狙いたい客層を明確にしておくとで無駄のない売り込みが期待できます。

サブスク成功は、リピーターをターゲットにすることでできる

サブスク成功は、リピーターをターゲットにすることでできる

ビジネスにも流行があり、さまざまな手法が新しく登場しては注目を集めています。
最近各分野で導入されているのが「サブスクリプション型ビジネスモデル」です。

ここではサブスクリプションの成功理由を「顧客の満足度」「LTV(顧客生涯価値)の高さ」「既存客の長期利用」の3点から考えてみましょう。
サブスクの成功は、既存客をターゲットにすることから生まれてきます。徹底した顧客視点のシステム設定がカギを握るのです。

顧客の満足度が高いサブスクリプション

「サブスクリプション」とは、ユーザーがサービスや商品を一定期間利用できる権利に対してお金を払うモデルです。動画配信サービスや音楽配信などが分かりやすい例で、ユーザーは動画を購入するわけでなく一定期間だけ「動画を見る権利を買う」というものです。
現在ではさまざまな業界がサブスクリプション型モデルを始めており、カーシェアや家電・女性向けの高級バッグ・ファッションの分野でも人気を集めています。

サブスクリプションが従来の定額制と大きく異なるのは、つねに「顧客の満足度」を視野に入れてマーケティングを展開している点です。
定額制では毎月同じ金額で同じサービスを提供します。サブスクリプションでは定額制から一歩踏み込んで、顧客のニーズに合わせてサービスや商品を変え、満足度を高めていきます。顧客の「長期利用を目指す」ことが目的だからです。
ですからサブスクリプション型モデルでは顧客の利便性が高いシステムを導入しています。
多様な料金形態を用意して必要な分だけサービス・商品を使えるようにしたり、休止期間をもうけてユーザーの脱退を防ぎ、定期的に再利用をうながしたりして、顧客との関係性を継続していくことを重視しているのです。

つまりサブスクリプション型モデルでは、新規顧客の開拓よりも既存客が大切であり、もっと言えば既存客の「LTV(顧客生涯価値)」を高めることが目的なのです。

LTVが高い=既存顧客を常連化できている

「LTV(Life Time Value・顧客生涯価値)」とは「1人の顧客が企業にもたらす総支払額」を意味する言葉です。
サブスクでは長くサービスを利用してもらい、顧客のLTVを最大限に高めることで、安定的な収益をねらいます。企業にとってのサブスクのメリットは

  1. すでに関係性のできている既存顧客の長期利用を促し、低コストで収益を上げる
  2. 顧客のニーズに合わせて提供するサービス・商品を変更し、よりニーズに沿った改善が行える

という2点です。
企業の手元には、サブスクを利用しているユーザーの基本情報があります。これを利用して顧客にとっての最適なタイミングで別のサービス・商品を提案したり、料金形態の変更をうながしたりして、1人の顧客からの売り上げをアップさせます。
新規顧客から1万円の売り上げをあげるより、毎月8000円のサブスクを長期利用している既存客から1万円のサブスクへ変更してもらうほうが確率も高いでしょう。そしていったん1万円に変更した顧客の多くは、8000円に戻ることはありません。1万円のまま継続してもらえるケースが多いのです。

このように、サブスクが成功しているということは「既存客のLTVが非常に高い・既存客の常連化ができている」ことを意味しています。

顧客ニーズに合わせて長期利用をめざすサブスク

サブスクでは「既存客をターゲットにして、既存客のニーズに合わせていく」ことが成功につながるポイントです。

長期利用・客単価アップのためには、顧客のニーズにあわせて商品・サービスのほうが変化していかなくてはなりません。
企業側のメリットを追求していくのではなく、顧客が喜ぶことを優先して、顧客に長く利用されるシステムに日々作り替えていくことで収益を上げているのです。この点も、従来の月額型とは大きく違うところでしょう。

成功したサブスクリプションでは
「顧客視点のサービス→顧客満足度アップ→企業ロイヤリティの高まり→長期利用・安定収益→顧客目線のサービス」
という理想的な循環がおきています。
企業側は、ときには顧客にサービスのダウングレード(低料金プランへの変更など)の提案をすることもあります。あえて目先の利益を落としてでも、「長期利用」の達成をめざしているのです。

まとめ

ビジネスの新しい流れともいえるサブスクリプション。成功させるためには以下の3点を抑えておく必要があります。

  1. ターゲットは既存客とし、顧客の満足度を高めて安定収益を得る
  2. 多様なプランを用意して、1人の顧客のLTV(顧客生涯価値)を高める
  3. 顧客のニーズに合わせてサービス内容を変化させ、長期利用をめざす

サブスクリプションでは新規顧客の獲得以上に既存客を重視します。顧客と企業との関係性を重視するビジネスモデルのため、企業側にはつねに柔軟に変化していくことが求められます。顧客目線に立ったサービス提供で安定的な収益をあげましょう。

 

飲食店にこそ、ストーリーテリングマーケティングを導入しよう

飲食店にこそ、ストーリーテリングマーケティングを導入しよう

新型コロナウイルスのために、日本中の飲食店が苦境におちいっています。なにか売り上げのために出来る事はないか‥とお考えの店主さんも多いでしょう。
ここでは、飲食店にこそストーリーテリングマーケティングが適しているという観点から「ストーリーによる付加価値」「飲食店とストーリーテリングマーケティングの好相性」「顧客にストーリーを伝える仕組みづくり」についてご説明しましょう。

物語性のある商品やサービスには見えない付加価値があります。コロナで苦境にある飲食店こそ、ストーリーを取り入れるといいでしょう。

店やメニューの「ストーリーによる付加価値」

「ストーリーテリングマーケティング」とは、企業のブランドコンセプトや商品・サービスを「物語」を使って印象づける手法です。飲食業界でもクチコミの多い人気店にはメニューやスタッフに「ストーリー」があり、それが魅力となってお客さんを引き付けています。

とくに飲食店の場合、メニューや食材、料理の背景にはたくさんのストーリーがあり、お客さんに向かってアピールすればかなり効果的な売り込みになります。
またストーリー性のある食材やメニューはSNSなどでも拡散されやすく、店側が気づかないうちに多様な客層に情報が届いていることもあるのです。SNS上ではひとつのストーリーが広く伝わり、大化けする可能性もあります。

身の回りを丹念に探して、メニューや食材、店舗についての物語を探してみましょう。ストーリーを発掘してくる苦労はありますが、お店のスタート当初の苦労話や営業が軌道にのるまでのエピソードなど飲食店には思わぬストーリーが転がっているものです。

飲食店とストーリーテリングマーケティングは好相性

ストーリーテリングマーケティングと相性がいい飲食店とは、以下の2点の条件をクリアしている店です。

  1. 飲食店としてのこだわり・コンセプトが強固でブレがない
  2. お客さんがSNSなどで拡散したいストーリーである

もともと、コンセプトがしっかりとある飲食店とストーリーテリングマーケティングは好相性の組み合わせです。
ストーリーとはつまり「こだわり」という事ですから、飲食店としてのこだわり・コンセプトが強固であればあるほどお客さんは店のストーリーに興味を持ち、やがて店そのものにハマってくれます。

ストーリーテリングマーケティングは、お客さんの「感情」を揺り動かす手法です。しっかりしたコンセプトのある飲食店のストーリーは強固であるだけに人の心に刺さりやすくなっています。
そしていったん店のストーリーに賛同した顧客は、ロイヤリティの高い優良な顕在的顧客となり、長期間にわたって店に通う熱心なリピーターに成長します。

リピーターに支えられている飲食店はコロナ禍においても堅実に営業を続けているところがとても多い。これは店側のこだわりストーリーを貫き通すことで、顧客との良好な関係が作れているからなのです。

ストーリーを伝える仕組みづくり

ストーリーテリングマーケティングで重要なのが「ストーリーを伝える仕組みづくり」です。どれほどいいストーリーがあっても、それをお客さんに伝えていかなければ訴求力にはつながりません。
ストーリーを伝えるには、次の2点に注目するといいでしょう。

  1. メニューに料理や食材に関するストーリーをのせておく
  2. ツイッターやフェイスブックなどのSNSでストーリーを発信する

いずれも低コストでできるストーリー伝達なのがポイント。
飲食店に必ずあるメニューには、食材や料理のストーリーを短い文章で書いておきましょう。お客さんはオーダー時にストーリーに接することが出来ますし、あるいは食事の待ち時間中に読んでくれるかもしれません。
メニューに載せるストーリーには画像が付いているとなおいいでしょう。ビジュアルの記憶は比較的長期間にわたって記憶に残ることが多いからです。
あるいは飲食店の店主さんやオーナーさんみずからが、ツイッターなどのSNS上で店のストーリーについてつぶやくのも効果的です。その日仕入れた食材にまつわる話や、調理法のエピソードなど、ちょっとした小ネタでも十分でしょう。

大切なのは、その店に関するストーリーを少しずつ積み上げ、お客さんの感情にふれる部分をたくさん作っておく事なのです。

まとめ

ストーリー・物語には人を強く引き付けるパワーがあり、集客力は非常に高いです。飲食店でストーリーテリングマーケティングを取り入れるには以下の3点に留意しましょう。

  1. 料理やメニューにストーリーを紐づけて、付加価値を高める
  2. 飲食店ならではのストーリーを探し、お客さんによるSNSの拡散を狙う
  3. ストーリーを伝える仕組みを作り、お客さんの感情に訴える

味覚や嗅覚に訴える飲食店は、もともとストーリーテリングマーケティングとの相性がいい業種です。ブレのないコンセプトを伝える事により、リピーターのお客さんを育成しましょう。

 

 

アフターコロナにマーケティングが激変

アフターコロナにマーケティングが激変

新型コロナウイルスは世界中の人の生活を一気に変化させました。日常生活はもちろん経済活動そのものも激変し、マーケティングも大きな動きに翻弄されている真最中です。
ここではコロナと共に生きるウィズコロナ時代と、コロナ終息後のアフターコロナにおけるマーケティングを「生活様式の不可逆的な変化」「オンライン消費」「既存客へのアプローチ」の3点から考えましょう。

世界は、アフターコロナを見据えた新しいスタイルのマーケティングを模索する段階に入っているのです。

新しい生活が、マーケティングに不可逆な変化をもたらす

コロナ禍で世界中の人々の生活は大きく変わりました。この変化はコロナが終息した後も継続するという予測があり、多くの人が「コロナがおさまっても以前の消費活動には戻らない」という認識を持ち始めています。

生活の変化は日常生活に必要な商品の選び方や買い方にまで影響を及ぼしました。
たとえば週に3回スーパーへ買い物に行っていた人が週に1回のネットスーパー宅配に変更したり、高齢者がスマホを使いこなしECサイトで買い物をしたりと、これまでとは違った視点で消費をするようになっているのです。
また在宅でのリモートワークに切り替わったことによって自宅にいる時間が長くなり、これまで毎日買っていたコンビニコーヒーをやめて、自宅でドリップするためのコーヒー豆購入に切り替えたという人もいます。

日常生活のさまざまな場面でコロナ以前とはことなる消費活動がすでに始まっており、しかも多くの人が新しい生活様式になじんできています。コロナ以前の生活に完全に戻ることは難しい状況になりつつあるのです。
こういった人々の意識改革を受けて、マーケティングの世界も「アフターコロナにおける新しいマーケティング方法」を探さねばならないでしょう。

オンライン消費の多様化

新型コロナウイルスが日本のビジネスにもたらした、最も大きな変化は以下の2点です。

  1. 企業のリモートワークの推進
  2. 在宅時間の長時間化によるオンライン消費の多様化

それ以前も日本ではリモートワークをすすめよう、という動きはありましたが実際には浸透しなかったのが実情でした。しかしウイルスの感染予防という観点から、一気にリモートワークが実現。それまで具体的に動いてこなかった企業も、政府の緊急事態宣言を受けてやむを得ずにリモートワークを進めることになったのです。

もちろん準備不足のためにリモートワーク開始直後はさまざまなトラブルが起きたようですが、こまごましたトラブルが解消した現在では、リモートワークの利便性があらためて評価されはじめています。
企業側にとっても交通費削減やオフィスの縮小化などリモートワークの利点は少なくありません。そこで緊急事態宣言の解除後もリモートワークを継続する企業が多く、この動きは今後ますます進むと予測されています。
つまり、コロナウイルスが終息した後もリモートワークが働き方の選択肢のひとつとして残るのです。

今まで以上にリモートワークが一般化してくると、消費活動にも多大な変化が訪れるでしょう。売れ筋商品も変化するでしょうし、ECサイトでの買い物がより一層普及すると思われます。
在宅での仕事を持つという生活スタイルの変化がオンライン消費の多様化を進めるにしたがって、マーケティングも多様化に対応せねばなりません。

既存客への再アプローチ

アフターコロナのマーケティングで最も重視すべきなのが「既存客との関係維持」です。
ネットの世界では、これまでの大量消費から「気に入ったもの・こと」を厳選してリピート購入するスタイルが増えてきました。

企業側としても新規顧客を得るために多大な投資をするより、すでに購入履歴のある既存客に働きかけ、別の商品を購入してもらったりサブスクリプションで長期利用してもらったりするほうが効率よく収益を上げられます。新規顧客の開拓には既存客への関係維持に必要な金額の約5倍もの投資が必要だとされており、コスパは決して良くありません。

それよりも購入履歴がある既存客との密なコンタクトを心がけ、サイトへの再訪をうながしたり新商品をすすめたりするほうが購買アクションにつながる可能性が高いのです。

まとめ

誰もが予想もしなかった新型コロナウイルス。ウイルス対策として「新しい生活様式」が欠かせません。アフターコロナのマーケティングを考えるのなら、以下の3点に注意してみましょう。

  1. 生活の変化は不可逆的、コロナ以前には戻らない前提でマーケティングをすすめる。
  2. 在宅時間の長いリモートワークなどで、多様化したオンライン消費に柔軟に対応する
  3. 新規顧客の開拓より既存客のリピートを重視する

アフターコロナの世界では従来のマーケティングの常識が通用しなくなりました。日々はげしく移り変わる状況を読みつつ、柔軟な発想で対応していくことが大切です。

 

CPA・ROAS・ROI・LTVからマーケティングを考える

CPA・ROAS・ROI・LTVからマーケティングを考える

Webマーケティングでは、いずれも「実施後の実績評価」が求められます。マーケティング効果を測定するためにはCPA・ROAS・ROI・LTVなどの指標があり、デジタルマーケティング担当者は適切な指標を用いて実績評価をおこないます。

ここでは押さえておきたい指標として「CPA」「ROI」「ROAS」「LTV」の四つを簡単にご説明しましょう。
指標は一つだけ覚えていても足りません。顧客や測定目的によって使い分けなければいけませんので、基本だけでも頭に入れておきましょう。

Webマーケティングの効果を測定するための指標

1.CPA「コンバージョン単価」

「CPA (Cost per Action / Acquisition)」とは、1件のコンバージョンを得るためかけた費用の割合をあらわすものです。
数式としては「CPA = 広告費用/コンバージョン数」で求められます。

CPAのメリットは「手軽に算出できる指標であること」「業種に関係なく広告のパフォーマンスを測定できること」です。算出するために必要なデータは広告費用とコンバージョン数だけですから、顧客からのヒアリングなどはいりません。比較的容易に算出でき、また広告主の業種に関わらず利用できる指標です。

デメリットとしては原価等の要素をふくまずに計算しますので、利益率などは読み取れません。利益率を含む測定には、次の「ROI」が適切です。

2.ROI「投資の費用対効果」

「ROI (Return on Investment)」とは、投資額に対して得られた利益をあらわすものです。ROIが高ければ高いほど、投資に対するリターンが大きかったことを意味します。
ROIは「ROI =(売上-売上原価-投資額)÷投資額×100(%)」で求められます。

ROIのメリットは「規模の異なる投資でも効果測定ができて比較しやすい」「効果が数値で判断できるので事業継続の判断が容易になる」の2点です。
企業の投資は案件ごとに異なりますが、ROIをみれば各案件の投資効果を見比べることができます。ROIの高い事業は投資効果が優れているため継続すべきでしょうし、逆にROIが低い事業は改善をおこなって費用対効果を上げる必要があります。

ROIのデメリットは「広告に対する売上がわかりにくい」点です。投資効果は読み取れますが売上効果を見るには、次の「ROAS」が適しています。

3.ROAS「広告費回収率」

「ROAS (Return on Advertising Spend)」は、広告費用の回収率または、広告の費用対効果をあらわします。広告出稿後の売り上げ効果を見るものです。ROASとROIはどちらも「支払った費用に対する効果」をあらわすものですから、数値が高ければコスト以上のリターンがあったことになります。
ROASは「広告からの売上÷広告費×100%」の数式で求められます。これで広告費1円当たりの売上額が分かります。

ROASのメリットは「出稿費に対して得られた売り上げが一目で見える」点です。測定したROASが100%以上であれば、その広告は支払った広告費以上の売り上げをもたらしたことになります。

ROASのデメリットは「売上効果が分かっても、利益が出ているのかわからない」点。企業としては売り上げ効果以上に「利益は出たか?」という事を重視しますから、ROASよりもROIの測定を優先することもあります。

LTV「顧客生涯価値」

「LTV(Life Time Value)」とは、1人あるいは1社の顧客が取引を始めてから終了するまでのあいだにもたらす利益の総額です。「顧客生涯価値」とも言われ、顧客1人から得られる平均の売上をあらわします。
数式としては「LTV=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間」から算出します。

LTV測定のメリットは、「既存客からの売り上げの上限が推測できる」こと。
Webマーケティングにおいては既存客からどれだけの売り上げを得られるかが勝負の分かれめになります。なぜなら既存顧客との関係を良好に保ち、より多くの商品をより長く購入してもらうことが安定的な収益につながるからです。
新規顧客の獲得コストは「1:5の法則」に見られるように、既存客の維持コストよりも高額です。コストパフォーマンス面から言っても既存顧客との関係を堅持し拡大していくほうが、利益率が高いのです。

LTVのデメリットは、顧客とのコミュニケーションを確保するマネジメント= CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)が必要であること。
顧客の購買履歴やクレーム履歴を把握しておくことでより緊密な信頼関係を生み出し、LTVを高めるよう努めねばなりません。

まとめ

Webマーケティングでは実施後のデータ分析が欠かせません。実績評価のための指標として、以下の4つは押さえておきましょう。

  1. CPA(コンバージョン単価)=1コンバージョンあたりにかかった費用
  2. ROI(投資の費用対効果)=投資額に対して得られた利益
  3. ROAS(広告費回収率)=広告の費用対効果
  4. LTV(顧客生涯価値)=顧客それぞれがもたらす利益の総額

各指標はあらわす意味合いが異なりますので、顧客が求める分析によって使い分けます。的確な実績評価をおこない、同時に、必要に応じて改善策を提案できるようにしておくといいでしょう。

 

コロナ禍で成功した飲食店マーケティング

コロナ禍で成功した飲食店マーケティング

世界中が想像もしていなかった新型コロナウイルス。各国での感染拡大が止まる様子はなく、日本でも二波・三波への警戒感から飲食店は苦境を強いられています。
ここではコロナ禍でも成功しつつある飲食店について「デリバリー、テイクアウトで新規開拓」「新規客のリピーター化」「コンテンツマーケティングによる顧客育成」の3点からご説明しましょう。

コロナ禍にあっても従来どおりの売り上げを維持できている店舗もあり、マーケティングによって営業成果に大きな差が見られるのです。

デリバリー、テイクアウトで新規顧客を開拓

コロナウイルスの感染拡大防止をうけて、多くの飲食店が営業自粛を余儀なくされました。とくに居酒屋系やファミレスなどは大きく収益を下げており、売り上げは前年の同期比でみると半減しているところもあります。

いっぽうでテイクアウト中心のマーケティングを進めてきたファストフード店の多くは堅調に業績を維持しています。ケンタッキーフライドチキンやマクドナルドでは減収はほとんど見られません。
このほか新規顧客開拓のために、ウーバーイーツを利用したデリバリーやテイクアウトに大きく切り替えた飲食店も多数あります。
ただしデリバリーやテイクアウトでは、従来のように来店して飲食をしてもらうほどの売り上げが見込めず、大きくダウンしているケースが多いようです。

やはりデリバリーやテイクアウト中心では飲食店は無理なのか…と思うかもしれませんが、「新規顧客のリピーター化」と「顧客の育成」の2点に絞ったマーケティングを展開していけば十分に活路を見出す可能性があるのです。

最重要課題は既存客のリピーター化

デリバリーやテイクアウトでの収益アップには「既存客リピーター化」が最も有効な方法です。ここではすぐにできる対策として以下の2点を考えてみましょう。

  1. リピート利用の既存客の接客をパーソナライズして対応
  2. 同梱チラシで推しメニューやテイクアウトメニュー表を配布

既存客をリピーターにするには顧客に「特別感」を抱かせる必要があります。
既存客に対しては以前の注文からメニューの好みを割り出し、顧客それぞれにパーソナライズしたおすすめメニューを紹介するなどして「あなたのためだけのサービス」を強調していくといいでしょう。

またデリバリーやテイクアウトから実店舗に予約来店があったときは、サービスメニューを用意しておくなど「あなたは特別な顧客です」という店側のメッセージがしっかりと伝えるとリピーター化が早く進みます。
テイクアウトの場合は「同梱チラシ」が効果的。
テイクアウトメニューとともにチラシを入れてコロナ禍で変わった実店舗の営業時間を伝えたり、テイクアウトのメニュー表を入れたりしましょう。
スタッフや店の紹介など、ストーリーが伝わる文章をチラシ内につけておくのもおすすめです。

接客のパーソナライズ化や同梱チラシなどは、それほどコストをかけなくても始められます。新規顧客のリピーター化に向けて、すぐに試してみましょう。

コンテンツマーケティングを利用した顧客育成

コロナ禍の生活においてはネットを介した情報収集が急増しました。それまであまりネットを利用していなかった高齢者層を中心として、在宅で情報を得る「ネット」の利用が従来よりも増えた印象があります。
そこで営業効果が見込めるのが、「コンテンツマーケティング」です。

「コンテンツマーケティング」はネット上の読者に向けて役に立つコンテンツを無料で発信し、コンテンツを読んでもらう・動画コンテンツを見てもらうことを通じて、企業ブランドへの顧客のファン化を狙うマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングは中小規模の飲食店でも始めやすいのが大きな利点。とくにツイッターやインスタグラムといったSNSを利用する方法は、個人で運営する飲食店でも気軽に始められるのでおすすめです。

ただし、コンテンツマーケティングでは継続して記事を発信し続けることが重要。継続することで顧客の中に信頼感を生みますから、一度始めたら途中でやめないことだけは必要です。
なかなかうまく軌道に乗らない場合は外注のコンテンツマーケティング業者に業務を委託することもできますから、チャレンジする価値のある顧客育成方法です。

まとめ

コロナかで大きな転換を迫られている飲食店。新しい生活様式に合わせていく為には、以下の3点をふまえたマーケティングを始めましょう。

  1. デリバリー・テイクアウト・実店舗の相互作用で収益をあげるスタイルに変更
  2. 既存客はパーソナライズした接客でリピーター化
  3. コンテンツマーケティングで新規客を開拓・ファン化

大勢があつまりにくいコロナ禍においては、飲食店は従来の営業スタイルからの脱却を強いられています。ネットを利用した顧客獲得・育成に力を入れて大きな時代の変化を乗り切りましょう。

 

商品名を変えてバカ売れ(大ヒット)した商品

商品名を変えてバカ売れ(大ヒット)した商品

商品のネーミングはお客さんにアピールするための大切なもの。簡単に変更することはできませんが、もし名前を変えるだけで爆発的に売れるとしたら、商品名の変更はぜひともやるべきでしょう。

ここではおなじみの「シュレッダーハサミ」を例にとって、「商品名の変更」と「想定外の使用方法」「柔軟なカスタマイズ対応」の3点から、視点変更の重要性を考えてみました。
用途とネーミング、ちょっとしたパッケージ変更で「大化け」する商品もあるのです。

もとは「きざみ海苔用ハサミ」だった人気アイテム「シュレッダーハサミ」

「シュレッダーハサミ」とは、個人情報が記載されている書類などを細かく刻んで切って処分するためのハサミです。使い方は一般的なハサミと同じですが、ハサミの歯が何枚か重なった形をしており、一度切っただけでとても細かく切れるのでシュレッダーがわりに使用できるのです。

しかしこのハサミは、もともと料理で使う「きざみ海苔」を作るアイテムとして販売されていました。きざみ海苔を自宅で作りたい人からの需要はあるが購買層がとても限定的という商品でした。
しかしあるお客さんが「自宅で、シュレッダーがわりに封筒やはがきなど個人情報が記載されているものを捨てる前に切り刻むのに便利」と言ったことから急展開。
「シュレッダーハサミ」として売り出したところ、手軽さからたちまち人気に火が付き、急激に売り上げが上がったのです。

発想の転換が売り上げを生む

このように、本来の使用用途とはまったく別の使い方で人気が高まるアイテムは珍しくありません。
たとえば文房具のポストイット。こちらも強力な接着剤を作る過程で「非常に粘着性が高いがすぐはがれる」という一長一短の接着剤ができてしまったことから生まれた商品です。接着剤としてはすぐにはがれてしまうために利用できませんでしたが「貼った後に、いつでも好きなように剥がせる」点がメリットに転じて、付箋・ポストイットとなりました。

シュレッダーハサミもポストイットも、マーケティング上から見れば「失敗作」です。
しかし実際のユーザーからの声を丹念に拾い上げていくと、失敗作のなかに別の可能性を見いだせる事があります。本来は想定されていない使用方法が商品の新しい機能となり、本来の用途を凌駕してしまった好例なのです。
さらにシュレッダーハサミは、売り出してみたら予想以上に売り上げが伸びました。つまりだれも考えていなかったような客層・需要が存在していたということになります。

このように発想の転換で売り上げを生み出すには顧客の声を聞くことが重要ですし、声として社内に入ってきた想定外のアイディアに即座に対応する柔軟性も必要でしょう。

発想の転換+カスタマイズで大ヒット商品に

発想の転換をする、本来の用途とはまったく違う使用方法を採用して新しい商品として売り出す。
簡単なことのように思えますが、なかなかできません。

なぜなら商品を開発しているひとや「きざみ海苔ハサミだ」とすでに認識しているひとの頭の中には、他の目的に転用すると言う発想がないからです。そのため、顧客からの声として聞こえてきた情報もそのままスルーしてしまう恐れがあります。
発想の転換をするためには、日ごろから思考を柔軟にしておかねばなりません。またどんな物事もそのまま受け入れて再検討するという、思考上の癖をつけておく必要もあるのです。

さらに新しい商品として売り出すときには、ちょっとしたカスタマイズをほどこすとより効果的です。
シュレッダーハサミの場合は持ち手の色を変えてパッケージを新しくしただけで爆発的に売れましたが「ラカタンバナナ」というバナナでは「新しい発想を売り込むための新パッケージ」が役に立ちました。
「ラカタンバナナ」とはフィリピンでよく食べられている種類のバナナで、栄養価が高くクエン酸が豊富に含まれています。しかし酸味があるバナナであまり売れませんでした。
しかしクエン酸がエネルギー代謝に効果的な点から「スポーツ時に役立つバナナ」ということで「スポーツバナナ」と名付けてシールを貼り、売り出したところ劇的に売り上げも認知度も上がりました。
価値観を「味」から「機能性」にかえるという発想の転換とパッケージの変更が功を奏した一例です。

まとめ

どのような商品にも「化ける」可能性が秘められています。発想の転換で商品をリニューアルしたい場合は、以下の2点を考えてみましょう。

  1. ユーザーの声として、本来の用途以外の使用方法を吸い上げる
  2. 柔軟に方向転換をして、パッケージやデザイン変更などのカスタマイズで効果的に売り出す

どちらも「まったく新しい発想を素直に受け入れる」という企業側の柔軟性が求められます。思考の方向を百八十度転換することは簡単ではありませんが、あらためて商品を見直してみると新しい価値・用途が見つかるでしょう。

 

共感マーケティングの成功例

共感マーケティングの成功例

マーケティングにはさまざまな手法があり、なかでも記事や動画コンテンツなどを通じてネットユーザーの共感を得ることで収益につなげるのが「共感マーケティング」です。
ここでは共感マーケティングの基本を説明したうえで、具体的な成功例を2件ピックアップしました。

共感マーケティングでは、企業のブランドコンセプトや商品コンセプトを明確に伝えることがとても大切です。
ネットユーザーの感情に寄り添う内容のコンテンツを発信することで、結びつきの強い顧客を育成していくことができるのです。

モノの先にある「コト」に価値を見出す共感マーケティング

ネット上にいる潜在的顧客は商品そのものを買おうと思うだけでなく、「商品にかかわる物語」もふくめて購入したいと考えています。そこにあるのは、企業や商品・サービスと「感情でつながる」消費です。
しかし商品やサービスに、ただ関連するストーリーを紐づけても共感を得られやすいコンテンツは制作できません。

共感マーケティングを効率的に進めていくためには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. マーケティング対象のペルソナを作り込み、ターゲットを明確にする
  2. 設定したペルソナが共感しやすいポイントを考える
  3. 共感ポイントにそってコンテンツを作成・テキスト・動画コンテンツ全体に統一感を持たせる

この3点を基本に置き、潜在的顧客の視点に立って共感マーケティングを始めましょう。

顧客が楽しいと思うこと・顧客自身が参加したいと思うこと、顧客が感情的に同意できることを中心にコンテンツを組み立てていくと、共感マーケティングはいっそうの集客力・訴求力を持つことになります。
狙っている潜在的顧客にしっかりしたブランドコンセプトがハマれば、一気に売り上げにつながるマーケティング方法です。

ブランドコンセプトを徹底的に伝えて共感を喚起する「良品計画」

「良品計画」は、無印良品やMUJIブランドの商品開発と製造・販売を展開する会社です。現在では雑貨だけでなく、住宅や家具、衣類、食品などの販売店を国内外で運営しています。

良品計画の共感マーケティングで重視されているのは「良品計画のブランドコンセプトに共感・賛同し、応援してもらえる人を増やすこと」です。
たとえば主要ブランド「無印良品」の動画コンテンツの一つでは、人気商品であるスニーカーの製造工程がドキュメンタリー映画のように映し出されます。動画にはナレーションもなく、宣伝・広告的な内容はほとんどありません。しかし「無印良品」のブランドコンセプトである、「ユーザー目線に立ってていねいに商品を作る」ことが分かりやすく伝えられています。

「良品計画」のコンテンツは、企業理念や「なぜこの商品を作ったのか」が見ている人に伝えるためのものです。
広告色を排除したコンテンツですがユーザーの共感を得やすく顧客育成につながるものなのです。

スタイリッシュな世界観をぶれずに伝えることで共感を得る「土屋鞄製造所」

「土屋鞄製造所」は皮革製品の企画・製造・販売をしている企業です。もともとはランドセルの制作から始まった会社ですが、フェイスブックや自社のECサイトを立ち上げてから急激に売り上げをアップさせました。

土屋鞄が共感マーケティングで成功した理由は「明確な世界観・ブランドコンセプト」があったからです。
初めはショッピングモール型のECサイトへ出店していましたが、「土屋鞄の世界観」を十分に伝えきれないと自社ECサイトへ方向転換。それからはフェイスブックやSNSを使い、スタイリッシュな世界観をシャープに伝達することに集中しました。

しかし、ECサイトやSNSなど多数のツールを並行して使うコンテンツ発信では「世界観のブレ」が起きやすく、伝えたいことがバラバラになりがちです。世界観のブレを防ぐために、土屋鞄では特定の部署の主要メンバーがECサイトやSNS、カタログ、ブログのコンテンツ内容をすべてチェックしています。統一された世界観を維持するためです。

発信されたブランドコンセプトにブレがないために、顧客は安心して土屋鞄のブランドコンセプトに共感でき、収益に直結するのです。

まとめ

商品のもつ物語やコンセプトで潜在的顧客に共感してもらうマーケティング手法では、企業の「理念」が大きく関係してきます。マーケティング展開の際には、以下の3点に留意しましょう。

  1. ターゲットを絞り込み、特定の共感ポイントにそってコンテンツを制作・発信する
  2. 売り上げと同時に、商品や理念に共感してくれるファンの育成をこころがける
  3. 明確な理念を、ブレずに発信し続ける

現在は消費行動が大きく変化している時代です。
これまでのように大量消費ではなく、モノの向こうにある「コト=物語・ストーリー」に価値が見いだされつつあります。共感性の高いコンテンツの発信で、ストーリーを含めた販売力をアップさせましょう。

 

共感マーケティングの強み

共感マーケティングの強み

Webマーケティングで欠かせないのが、SNS上での「共感」です。
Webマーケティングでは、読者による「共感」が企業への好感度と信頼感を生み、商品やサービスの売り上げにつながります。

ここでは読者の共感を引き出す「共感マーケティングの説明」から始めて「顧客と企業の信頼感」「差別化しにくい業界での共感マーケティング」について考えていきましょう。
読者の共感を得るには、読者の「情緒」に訴えかけるのが有効なのです。

共感マーケティングとは

「共感」とは、読んだり見たりした他人の意見・感情などに同意すること、または同意する「感情」のことです。人間が共感するのは本や映像作品だけではありません。わたしたちが、日ごろよく接しているWebの世界でも「共感」が起きています。

たとえばWebでみた動画コンテンツや記事の内容に同感したり同意したりすることは、共感していると言う意味です。人間は無意識のうちに共感していることが多く、気が付かないうちにSNS上のシェアや「いいね」をつけることで同意や共感・賛意をあらわしています。
そこで、共感マーケティングでは商品・サービス・ブランドコンセプトの「情緒的価値」が重要になります。

従来のマーケティング手法では性能やコスパなど「機能的な価値」を伝えることを優先してきました。
しかし共感マーケティングでは、読者の感動や共感など感情の動きを喚起して、そこから「買ってみよう」という行動をうながすのが狙いなのです。

価値観の共有が企業への信頼感となる

共感マーケティングの目的は、ユーザーとの間に「価値観の共有」をすることです。

Web上にいる潜在的顧客の多くは、一般的に流行している「トレンド」を意識しつつ、どこかで「価値観を共有できる商品・ブランド」をさがしています。それは「自分だけのもの・自分が見つけたもの」を探しているといってもよく、「みんなが持っているから」というより「私が見つけ出した、私が選んだもの」を好む傾向があります。
なぜなら「私が見つけたもの」の背後には、ユーザーが共感できるブランドコンセプト・商品コンセプトがあるからです。物語性を背後に持った商品・サービスはユーザーの情緒を刺激し、共感を生みます。そして共感できる商品を購入するのは自己肯定の一環でもあり、ユーザーの感情に深く揺り動かすことができるのです。
ユーザーにとってはエコやエシカルなど企業コンセプトを共有できる商品が魅力的ですし、購入にも抵抗がありません。そして共感できる商品を多く販売している企業に信頼感を持つようになり、やがて熱心な顕在的顧客となって売り上げを支えてくれます。

共感マーケティングの真髄は、ユーザーの情緒・感情を揺り動かすことで忠実な顧客を育成することにあるのです。

差別化が難しい領域こそ、共感マーケティング

共感マーケティングの強みは、「差別化が難しい分野でこそ集客力を発揮する」点です。

従来のマーケティングでは数値で機能性をあらわすことで、他社製品との比較検討をうながしてきました。数値は検討するには有用なものですが、ユーザーは比較をするうちに「どれも高性能に思えて、どれを買ったらいいのかわからない」という事態におちいります。
つまり機能性だけでは、潜在的顧客は購買に踏み切れないのです。

しかし共感性をベースにしたマーケティングでは、機能性よりも情緒性が優先されます。商品への「気持ち」が優先されるのです。そこでは「AとBの違いはあまりよくわからないが、Aのほうがなんとなく好きだから買おう」という流れができています。
ユーザーが「なんとなく好き」だと感じる商品の背後には、感動を共有しやすい物語・ストーリーがひそんでいます。ユーザーは無意識のうちに商品が持つ物語に感情を動かされ、その物語ごと商品を支援するようになります。
これを繰り返せば、ユーザーは購買アクションを通じてどんどん企業に対する信頼感を強めてくれ、次第に企業との「一体感」を感じ始めます。こういった意識の流れは、機能性を紹介するマーケティングでは得られにくいものです。
情緒・感情を介してつながっているから、差別化がしにくい分野でも強力な集客が可能なのです。

まとめ

共感マーケティングはユーザーの感情と結びついて購買アクションをうながします。以下の3点に特に注意して進めていきましょう。

  1. 商品・サービスに、ユーザーの共感を得られやすい「情緒的価値」を付加しておく
  2. 価値観を共有することによって、ユーザーと企業との間の信頼関係を構築する
  3. 差別化しにくい分野でこそ、共感・情緒的価値を利用する

共感という感情の動きは人間の根源に根ざしたものです。商品やブランドコンセプトに共感を持ってもらえれば非常に強固な信頼関係が構築できます。差別化しにくい分野・商品こそ共感マーケティングを利用しましょう。