最近、大注目を集めているビジネスモデル「サブスクリプション」。
いわゆる「定額制・使い放題」のビジネスモデルで、初めは動画や音楽配信サービスや飲食店から火が付きました。
ここでは、実際にサブスクリプションを導入できる業種・内容を考えてみました。
「提案型のコーヒーサブスク」と「買い切り・レンタル型のオーディオブックサブスク」です。
どちらも既にあるサブスクを参考にしたものですが、まだまだ独自の切り口もありそうです。
ユーザーの好みを知り、長期利用を促す!提案型「コーヒーのサブスク」
コーヒー好きの顧客を取り入れたいカフェにおすすめの「コーヒーのサブスクリプション」。
顧客の好みに合わせたコーヒー豆を毎月定額で購入してもらうものです。
こちらはすでにUCC上島珈琲やPOST COFFEE社が行っているサブスクで、コーヒー豆の種類の多さを生かして顧客の嗜好を絞り込み、「顧客の好みに合ったコーヒーを届ける」ことを主眼としています。
たとえばUCCのサブスクでは顧客が毎月購入したコーヒーの味を「判定」し、飲んだ後にスマホ経由でUCCに対し、「これは好き」「これは嫌い」という判定を送ります。
これにより企業側は顧客のコーヒーの好みを細かく把握することができ、次月商品には顧客の意見を反映させたコーヒー豆をチョイスできるのです。
顧客それぞれのデータベースはサブスクを利用するほど詳細になり、顧客にとっては「長期に続ければ、ますます好みに合致したコーヒーが送られてくる」という利点になります。
そのため比較的長く継続してもらえることになり、企業にとっては安定的な収益を上げられる方法です。
耳で読書!買い切り型とレンタル型2種類の「オーディオブックのサブスク」
このところ「オーディオブック」の人気が上がっているのをごぞんじですか?
スマホの普及により「耳で聞く読書」が20代から40代を中心にじわじわと広がりつつあります。
スマホでのオーディオブック利用なら、通勤時間でも家事のあいだにも「読書」でき、しかも最近は有名俳優を起用したオーディオブックも登場してきて、人気は高まるばかりです。
オーディオブックのサブスクでは、購入方法を「買い切り型」と「レンタル型」の2種類に分けておくといいでしょう。
サブスクリプションでは「定額・使いたい放題」が基本ですが、オーディオブックの場合は気に入った作品は購入して何度も聞きたいと思う顧客がいます。そのため
●1.月に決まった冊数を選んで利用、やや割高だがサブスク退会後も作品を聞ける「買い切り型」
●2.月の上限はなく効き放題で格安だが、サブスク退会後は作品を聞けない「レンタル型」
に分けておくと、顧客の利便性は高まります。
実際にオーディオブックのサブスクを開始するに当たっては朗読する作品の著作権などがからみ、簡単ではありませんが、同じシステムでインディーズバンドがオリジナル曲を音源としてサブスク配信するなど参考にできそうです。
成功するサブスクは、収益と顧客満足度の高さを両立させている
顧客が定額を払えば、利用し放題というサブスクリプション。
しかしどんな業種でも安い価格で提供すれば成功するかと言えば、そうでもありません。
成功しているサブスクにはふたつの共通ポイントがあります。
●1.企業に収益をもたらす価格設定がされている
●2.顧客が満足できるレベルの商品・サービスを提供している
サブスクは低額の料金を安価に設定すれば一時的には人気が出ます。
しかしそれでは長期にわたって利用してもらうことができず、結果として収益に反映されません。
サブスク型モデルは顧客が継続的に利用してこそ、安定した収益が上がるのです。
では、サブスクで収益が上がらないのはなぜか?
理由は、顧客が提供される商品やサービスに満足しておらず、利用が続かないからです。
サブスクでは、固定客をつかむために顧客のニーズをすくいあげて問題解決につながる商品・サービスを適正価格で提供する必要があります。
既存客にとって、従来の購入方法よりも利便性とコスパがよいサブスクを提案すれば、安定的な長期利用が見込めます。
その際に重視すべきなのが、商品の品質と設定価格です。
高すぎるサブスクは多数の利用を見込めませんが、安すぎる価格設定では収益にならない。
サブスク型モデルであっても商品と価格のバランスが重要なのです。
まとめ
これまでは儲からないと言われてきたサブスクビジネスですが、今では多数の企業が収益の柱としています。
売れるサブスクを考えるときには、以下の2点に注意しましょう。
●1.顧客の嗜好や問題をリサーチし、「長く使いたい」と思うサービスを展開する
●2.企業として収益が出せる価格設定・仕組みを作る
サブスク業界には、カーシェアやブランドバッグレンタル、健康相談まで多種多様な業種が参入しています。
新しいビジネスの場として検討してみてはいかがですか。