インターネットやスマホの普及によって、営業活動も大きく変化してきました。
これまでのように直接お客さんと顔を合わせて営業していくほかに、Webサイト上で顧客との関係を構築する方法も重要になりつつあります。
そこで「リードナーチャリング」に焦点を当てて、「顧客育成」「購入プロセスの長期化」「顧客の流出防止」について考えてみましょう。
見込み顧客の育成で、営業成果が違ってくるのです。
「リードナーチャリング」とは
「リードナーチャリング」とは「見込み客の育成」のこと。
ここでいう「リード」とは「見込み客」という意味です。
従来の得方法では「リードジェネレーション=新規開拓および、購入見込みのある顧客」を獲得することを主な目的としてきました。
つまり「案件につながりそうな顧客に購入を案内する」方法です。
これはこれで効果のある営業手法ですが、広く多くの人に対してアピールできるとは限りません。
そこでコンテンツマーケティングでは、コンテンツ更新やSNS発信などで集めた潜在的な顧客に対し、メルマガなどの継続的なコミュニケ―ションから、潜在顧客の購入意欲を高めていく戦略をとります。
つまり「案件につながる顧客を育てていく」のが主眼です。
良質のコンテンツを継続的に更新することによって、じっくりと顧客を育てていく。
これが「リードナーチャリング」のためのコンテンツマーケティングです。
購買プロセスの長期化とリードナーチャリングの関わり
ゆっくりじっくりと「見込み顧客(リード)を育てる」ことがリードナーチャリングの目的ですが、なぜこれが顧客の育成が効果的なのでしょうか。
実は、リードナーチャリングの台頭と、Webが発展したことによる「購買プロセスの長期化」には深い関係があります。
Webでさまざまな情報が手に入る時代になり、従来の「店頭で商品を見てから購入」という購入アクションとは、まるで違う手順を踏む人が増えてきました。
どんなものでも、情報入手後の比較検討、商品スペックやユーザーのクチコミなどの読み込みを経て、ようやく購入が決まります。
そのため営業方式も従来の見込み顧客を相手にする「リードジェネレーション」だけでは効果が上がりません。
Web上に多数いる「潜在顧客」をじっくりと育て上げ、顧客とブランドとの間に信頼関係を構築したうえで自社商品やサービスの購買へ導くことが重要。
手順が複雑なようですが、長期的に見ると営業効果が上がっていくリードナーチャリングこそ、現在の顧客動向にあった営業方法なのです。
ただし、リードナーチャリングには時間がかかります。
ネットにおけるユーザーの販売心理プロセスをあらわす「AISCEAS(アイシーズ)」から見れば、コンテンツを読んでいる顧客は、まだInterest(関心)や Search(検索)の段階です。
ここから購入まではさらに時間がかかるため、良質なコンテンツ更新を重ねて顧客の気持ちを引き付ける必要があります。
リードナーチャリングをしなければ、顧客が流出
「リードナーチャリング=潜在顧客の育成」には、時間と手間がかかります。
それならコンテンツマーケティングで「リードナーチャリング」などせずに、従来どおり、見込み顧客にだけアプローチすればいいのでは?と思うかもしれません。
それも一つの方法ではありますが、リードナーチャリングをしなければ、顧客が他社へ流れてしまう危険性もあります。
実際、コンテンツ更新やメルマガ発信などをおこたり、長期的なリード(潜在顧客)フォローを続けていけない場合は、多くの顧客は2年以内に競合他社から製品やサービスを購入するというデータがあります。
顧客を長期的に育成していくことは、たとえ短いスパンで見ると購入アクションにつながらなくても、他社への流出を食い止める力になりえるのです。
みすみす潜在顧客を他社に取られてしまうわけですから、これほど大きなビジネス上の損失はないでしょう。
「潜在顧客」や、以前は製品を購入したが最近はお休みという「休眠顧客」に対しては、コンテンツの継続発信によるソフトなアプローチが次第に効果を上げていきます。
顧客の流出を防ぐためにも、リードナーチャリングは有効な方法です。
まとめ
ネットの普及によって、企業にとって潜在顧客となりうる層は飛躍的に増大しました。
多大な可能性のある顧客層をしっかりと取り込むためには、次の3点に留意して顧客育成(リードナーチャリング)およびコンテンツマーケティングを展開していく必要があります。
1.コンテンツ更新・SNS発信・メルマガで、継続的に潜在顧客に働きかける
2.購買プロセスの長期化に対応し、中・長期的なスパンで顧客を育成する
3.定期的なコンテンツ更新で、顧客の流出をふせぐ
効果的なリードナーチャリングには、コンテンツマーケティングが有用です。
時間をかけて、潜在顧客の育成・休眠顧客の掘り起こしを続けましょう。