ストーリーテリングマーケティングとは

ストーリーテリングマーケティングは、ビジネスに物語性を付け加えて顧客心理を掴む手法で、ストーリーを求める消費者の心に訴えかけるのに役立ちます。

この手法はいわゆるコンテンツマーケティングの一種で、コンテンツを発信する側が消費者に情報を提供することによって、購買意欲を育てたり購買行動を促すのが特徴です。
ストーリーテリングの方法は、昔話や童話のように、物語性を感じさせる書き出しで興味を持たせるのがポイントです。

昔々というように話し始めたり、あるところで誰が何をといった具合にストーリーを作っていきます。
ストーリーに主人公を設定したり、舞台設定や目的、ストーリーの展開と結末まで簡潔にまとめることが大切です。

テレビで物語仕立てのCMが多いのは、それだけ消費者がストーリーを求めている証拠で、伝わりやすい上に興味を持って購買意欲が高まるからに他ならないといえるでしょう。

起業や商品開発ストーリーテリング

これを創業者の起業ストーリーに用いると、消費者は興味を持って、企業や創業者の人となり、そして商品にも興味を持ち始めます。

当然ですが、魅力的なストーリーを用意しなければ消費者は惹かれないので、惹きつける物語にすることが肝心です。
それと、主人公には課題とヒーロー性を与えて、困難に立ち向かい課題を解決する流れでストーリーを仕上げるのもコツです。

顧客像をペルソナとして設定したり、商品やサービスを擬人化するテクニックもあるので、ストーリーテリングマーケティングは奥深いといえます。
誰を物語の語り部に設定するか、これも消費者が受け取る印象を大きく左右しますから、読み手の気持ちになってストーリーを作り上げることが必要です。

物語を作りビジネスに用いるのであれば、共感してもらえる話を活用することが大事です。
印象に残したり魅力を伝えて興味を持ってもらう、それこそがこの手法における成功の鍵を握ります。

ストーリーは創業者の存在を印象づけたり、ものづくりに対する思いをメッセージに乗せるのに有用です。
また、商品やサービスの魅力を伝えるのにも有用で、企業の成り立ちを知ってもらうのにも便利です。

感覚的にはツールとして使えますが、使い方を間違えると消費者に異なるメッセージを発信してしまったり、望む結果とは異なる着地点に至ることがあるので注意をしましょう。

創作か事実のストーリーか

ストーリーテリングマーケティングでは、物語を作って発信する方法を用いるので、やろうと思えば創作を事実のように使うことも可能です。
しかし、顧客を騙すようなやり方は歓迎されませんし、嘘がバレると失うものの方が大きいですから、事実に反しない範囲でストーリーを魅力的にすることが求められます。

事実の方が創作よりも話に説得力が生まれますし、事実を魅力的に伝えた方が顧客は惹かれたり喜びます。
共感を生むことが目的の1つなので、消費者が抱いている悩みや不満を設定して、それに気がついた創業者が解決に挑むという物語にすると共感を呼びやすくなります。

共感を生むストーリーテリング

解決すべき問題や課題を仮想的に据えることで、発信する側と消費者の共通の敵が生まれます。
この仮想敵を倒す流れで物語を組み立てていくと、ヒーローの創業者や敵を打倒した武器の商品やサービスが共感を呼ぶ結果に至ります。

ストーリーテリングマーケティングの活用方法には、消費者をヒーローに仕立て上げて、敵を打ち倒す疑似体験を提供する手もあります。
その為には、魅力に感じられる舞台や設定を用意して、倒すに値する敵や打倒までの道筋を丁寧に物語にすることが重要です。

このような物語の提供は、創業者を印象づけて企業の顔にしたり、企業名や商品、サービスを消費者の記憶に残すことになります。
市場には沢山の商品やサービスが溢れかえっていますが、その中で存在感を放つのは至難の業です。

小規模事業者でも活用できるマーケティング手法

企業規模が大きく、マーケティングに使える予算が大きければ話は別ですが、零細企業であったり個人商店だと限界があります。
中小規模の企業や個人が大手と勝負するには、やはり消費者を味方につけてビジネスを展開していくことが不可欠です。

ビジネスの力をつけるのに役立つのがまさにストーリーテリングで、存在に気がついてもらったり、名前を覚えてもらうことがビジネスの武器になります。
物語はメッセージの内容と伝え方が重要なので、方向性を明確にして伝えたいことを伝えるようにします。

次に、感情を揺さぶる方向に持っていき、更に物語の展開に惹き込んでいきます。
消費者の顧客心理を掴むことができれば、消費者は購買意欲が高まって、商品の購入やサービスの利用を考えるようになるわけです。

ストーリーは必ずしも時系列順に並べる必要はありませんし、抽象化して伝わりやすいように工夫すると、物語の魅力が増してシンプルに伝わります。
敵を倒すだけでなく、再生の物語や壮大な冒険の旅、出発して戻ってくるまでの道筋など、用いることのできる設定は沢山あります。

無の状況から成り上がる話や、悲劇と喜劇も人を惹きつけますから、面白いストーリーを考えて伝えたいことを伝えるのがポイントとなります。