顧客の「ライフタイムバリュー(LTV)」は、Webマーケティングで重要視される要素の一つです。
LTVは「ひとりの顧客から得た利益」の総計で、長期収益型ビジネスモデルで収益を上げ続けるにはLTVの向上が欠かせません。
ここでは「顧客のLTVをアップさせる方法」と「売ってからの顧客育成型」の2点から、Webマーケティングとライフタイムバリューの関係を考えました。
一人の顧客を丁寧に育てて高い収益をあげる、持続的、継続的な営業が長期収益型ビジネスにつながるのです。
顧客のLTVアップ=企業収益の拡大
顧客のライフタイムバリュー(LTV)は「顧客生涯価値」とも訳されます。
つまり「顧客が取引期間全体を通じて、企業にもたらした売り上げ」のことです。
Webマーケティングにおいては顧客のLTVを上げ、なるべく長く、なるべくたくさんの売り上げになるよう顧客をケアする必要があります。
ここではLTVアップの方法として
1.平均顧客単価のアップ
2.購入頻度のアップ
の2点をご説明しましょう。
1.平均顧客単価を上げる
物販であってもサービスであっても、顧客一人当たりの単価を上げていけば総合的な売り上げもアップします。
では、平均顧客単価を上げるにはどうしたらいいのでしょうか。おすすめの方法は二つあります。
1.関連商品の購入をうながす「クロスセル」
2.アップグレードした商品の購入をうながす「アップセル」
クロスセルは、顧客が興味を持ちそうな関連商品をこれまでの購入データから割り出して、販促活動を行う方法です。
アップセルは、顧客に従来よりもハイグレードな商品を紹介してメリットに納得してもらい、単価の高い商品購入を進める方法。
クロスセルではこれまでの顧客の購入データの蓄積とデータからの推測が必要になりますし、アップセルでは商品・サービスのクオリティが重要になります。
顧客がハイグレードな商品を見て「これなら余分に払ってでも欲しい」と思うようなレベルでなければ、購入してもらえないからです。
顧客の平均単価をあげるには、これまでの地道なリサーチやデータの蓄積、分析、そして商品・サービスの魅力が揃っている必要があります。
もっともWebマーケティングでは、顧客データなどは売り上げが発生した段階から蓄積されていることが多いので、客単価を上げやすい環境がととのっているとも言えるのです。
2.客の購入頻度を上げる
顧客ひとりが買う回数が増えれば、LTVも相対的に上がります。
適正な購入頻度は企業が扱っている商品・サービスによって異なりますが、一度買ったらもう二度と必要ないというアイテムはほとんどありません。
ですから購入頻度をあげるには、商品がなくなるタイミングやサービス期間が終了する時期を狙って、再購入を促すようにするのが効果的です。
たとえば家電なら、購入後半年で「調子はいかがですか」という状況を尋ねるメールを送り、1年後には「無料メンテナンスが受けられますが、どうでしょうか」などのサポート案内を送付して、顧客にメリットのある内容のコンタクトを取り続けます。
定期的にコンタクトを取ることが重要で、メールやメルマガでは売り込みはかけません。
営業しないことで顧客の企業に対する好感度が上がり、もう一度買ってみようかと思うことになるからです。
売ってからの顧客育成型
WebマーケティングでLTVを重視するのは、企業と顧客の関係が「売り切り」から「売る→コンタクトを維持→リピーター化」という流れに変わってきたからです。
これまでは一人でも多くの新規客を得て商品を売ればよかったのですが、今の日本では新規客を開拓するには時間も手間もかかりすぎます。
また新規客から得られる売り上げはそれほど大きな金額になりません。
同じ時間とコストをかけるなら、一度でも自社製品・サービスを購入した既存客に継続的にコンタクトを取り、企業ロイヤリティの高い顧客に育成して利益を上げるほうが収益につながるのです。
コンテンツマーケティングでは、顧客それぞれに必要な情報を提供することにより、顧客を育てていきます。
既存客との良好な関係を維持してリピーターになってもらう。これこそがLTVをあげる最終兵器なのです。
まとめ
社会と市場が変わってゆくにつれて、収益を上げられるビジネスモデルも変化していきます。
顧客のLTVをあげるには、以下の3点に十分注意をしていきましょう。
1.顧客のLTVアップには、顧客ごとのデータを利用した「クロスセル」で関連商品を販売する
2. LTVアップのためにハイグレード商品の購入をすすめる「アップセル」で単価の高い商品を販売する
3.「売り切り型」ではなく「売ってからの顧客育成型」に切り替えて、既存客をリピーターにする
企業にとっての優良客とは、長い期間にわたって商品やサービスを購入してくれる顧客です。
優良客から引き出せるLTVを上げるためにも、売った後から始まる関係を大事にして顧客育成につとめましょう。