サブスクリプション方式と月額課金の違い

サブスクリプション方式と月額課金の違い

最近よく耳にする「サブスクリプション方式」。
月に決まった金額を支払うことで各種サービスを受けられる方法で、マーケティングのビジネスモデルを根底から変える可能性があるとも言われます。

ここでは「サブスクリプション方式の概要」と「サブスク方式と月額課金方式との違い2点」をご説明しましょう。
サブスクリプション方式は顧客といかに長く関係を維持していくかが大きなポイント。
ユーザーとともに問題解決や目標達成を目指すことが最終的な目標なのです。

人気急上昇中のビジネスモデル「サブスクリプション方式」

「サブスクリプション方式」とは、商品やサービスを一定期間利用し、利用期間に応じて使用料を支払う方式です。
当初はソフトウェアの利用形式として始まりましたが、今では音楽配信・動画配信のほか、車のレンタルサービス・お花の配達・ブランドバッグのレンタルなどジャンルは多岐にわたります。

サブスク方式がこれほど広がる前は、ソフトウェアでも物販でも購入したら終了という「買い切り方式」が一般的でした。
しかしサブスク方式では顧客は利用したいときだけ利用することになります。つまり「商品やサービスの利用権を時間で借りる方式」です。

顧客にとっては「要な時に必要な分だけ借りることができるのでコスパも良好ですし、何よりも余計なものを所有せずにすみます。
手軽で便利なことから、サブスク方式は「所有することに興味がない若者層から人気に火が付き、今では幅広い年代でさまざまなジャンルのサブスクが利用されています。

月額課金との違いは「顧客の満足度」を高める点にある

毎月お金を払って借りるなら、月額課金と同じでは?と思うかもしれません。
単純にお金の流れを追うだけならサブスク方式と月額課金に大きな違いはないように見えます。

しかしサブスクは
「顧客の満足度に焦点を当て、顧客ごとに特化したサービスを積極的に提案する」
と言う点に最大の特徴があります。

月額課金では毎月同額のお金を払って、同じサービスを手に入れます。
いっぽうサブスク方式では、顧客はつねに企業から最新のサービスを提案してもらえたり、個人に特化したサービスを提案してもらえたりする点が月額課金とは大きく異なります。

サブスク方式の場合、顧客はどんどん新しい商品やサービスを得ることができるので顧客満足度が高く、利用期間は延長されていきます。
利用期間が伸びるほどに企業側は収益を得られることになり、顧客は次々と新しいサービスやプランを次々と提案されて満足度の高い状態が続きます。

「顧客の満足度を高めて、できるだけ長い期間ずっとサービスを利用してもらう」
これこそがサブスク方式と月額課金の違う点なのです。

問題解決・目標達成をゴールとし、「既存客」をターゲットとする

サブスク方式と月額課金の違いは「顧客の満足度」と「長期利用」にあります。
顧客が抱えている問題を解決し、満足度を高めてもらってサービスの長期利用を促す。さらに追加サービスでアップセル・クロスセルを狙うのです。

サブスク方式では、一人の顧客からできるだけ長くサービスを利用してもらうのが目的です。
ひとりの顧客の生涯価値(LTV:LIFE TIME VALUE)を高めていくことが目的なのです。
ですからメインターゲットは「既存客」になります。

すでに商品やサービスを購入し、利用している既存客に対してきめ細やかな提案をすることで、固定額に上乗せして新サービスを利用してもらう。
別サービスを提案してより長期にわたり利用してもらうことが最大の目的です。

月額課金では毎月固定の支払いで、利用する商品やサービスに変更はありません。
新しい商品のトライアルや別サービスの提案をしないので、アップセル・クロスセルにつなげるのはむずかしいでしょう。

サブスク方式ではまずフリートライアルやベーシックプランで新規客を取り込み、顧客の利用データから最善のプランを割り出して提案していきます。
場合によっては顧客のプラン乗り換えで一時的に損をすることもありますが、それでも顧客の問題解決を優先することで良好な関係を作り上げ、長期利用につなげることができるのです。

まとめ

サブスクリプション方式では、ひとりの顧客と長くつきあうことが主眼です。
顧客と良好な関係を作り上げるためには以下の3点に十分注意して始めましょう。

  1. 従来の月額課金と違い、「顧客の満足度」を高めてサービスの長期利用をうながす
  2. 顧客満足度のために、つねに最新のサービス・オリジナリティのあるプランを提案する
  3. 既存客をメインターゲットとし、アップセル・クロスセルで収益を上げる

従来の買い切り型とちがい、サブスク方式では顧客も企業もウィンウィンの関係を作ることが可能です。
顧客満足度に焦点を置いて、長く収益をあげられるビジネスモデルを作り上げましょう。

ファン獲得とストーリーテリングの関係性

ファン獲得とストーリーテリングの関係性

Webマーケティングの手法のひとつに、物語を利用した「ストーリーテリングマーケティング」があります。
ストーリーの力を借りて顧客を獲得・育成するもので、とくに近年、人気が集まっている手法です。

ここでは「ストーリーテリングの概要」から始めて、ストーリーテリングマーケティングにおける「ファンの獲得と育成」についてご説明しましょう。
成功するビジネスはファンを獲得しつづけ、しかもファンとの良好なコミュニケーションを維持し続けています。
そこにはストーリーそのものの力だけではないマーケティング技術も含まれているのです。

「ファンの獲得と育成」のビジネスモデル

ストーリーテリングとは自社の宣伝・広報に「ストーリー」を織り込んでいく手法です。
ストーリーには顧客の感情を大きく揺り動かす力があり、人の記憶に残りやすいという利点があります。
実際にコンテンツを制作する際には、自社商品やサービスに関する客観的・論理的なデータや文献にくわえて適度に人間味のある「ストーリー」も取り入れていくと効果的でしょう。

しかも最近はSNSや画像・動画など多種多様な方向からストーリーを発信することができるようになりました。
ビジュアルとテキストの併用で顧客の情緒に強く訴えかけるストーリーを届ける。
これで顧客と企業・商品・サービスとのあいだに感情的な結びつきを構築することができるのです。

それでは具体的に「ファンの獲得方法」「持続的なファンとのむすびつき」をご紹介しましょう。
「ファン獲得と関係の維持」がかみ合うとストーリーテリングマーケティングはうまく前進していくのです。

1.ストーリーを顧客と共有して、ファンを獲得し続ける

ストーリーテリングマーケティングでまず大切なのが、ファンを獲得すること。
ストーリーに共感してくれるファンを得て、企業と顧客がストーリーを共有することからマーケティングが始まります。

ではファンが共有しやすいストーリーとはなんでしょうか?
ストーリーを語る力は大切ですが、技術や力以上に重視されるのが「リアル感があること」です。

ストーリーテリングマーケティングというと、顧客が感動しやすい・感情移入しやすいドラマチックな物語が必要だと思うかもしれません。
しかしマーケティング上で必要なのは「顧客がすなおにストーリーの世界に入っていけるリアル感」です。

このリアル感は、ストーリーを発信している企業の「中」からしか出てきません。
創業時の秘話や苦労話、ヒット商品が生まれるまでのプロセスなど企業や商品の中にはたくさんのストーリーが詰まっています。
そこから顧客の情緒にアタックできる要素を洗い出し、ストーリーに組み立て直して顧客に提供してみましょう。

真実味のあるストーリーは、顧客に嘘をつきません。そして顧客は、企業に嘘をつかれるのが大嫌いです。
本当のストーリーには人を引き付ける力があります。だから次々と新しい顧客を発掘し、ファン化できるのです。

成功する者はファンと一緒に夢をかなえる

では、獲得したファンを維持し続けるのはどうしたらいいのか。
ここでは「ファンをストーリーに巻き込む」手法を取りましょう。いわゆる「ファン参加型」のコンテンツを発信するのが有効な方法です。

ネット上で潜在的顧客に有用な記事を発信し続けるコンテンツマーケティングは「ファン参加型」コンテンツを作りやすい形のひとつ。
なぜならさまざまなキーワードに反応して企業サイトへコンテンツを読みに来る顧客はすでに能動的にコンテンツに向かってきているからです。

そこで顧客に対して商品・サービスを利用した場合のビジョンを、ストーリーとして明確に語りましょう。
人はビジョンが明確に見えるストーリーに納得します。納得し共感すると、ストーリーが他人事ではなく「自分ごと」に変化します。
これで顧客をストーリーに巻き込む、参加させることが可能になるのです。

ファンがサイトやコンテンツに対して共感してくれれば、企業とのあいだに強固な関係性が構築されます。
「ストーリー」と言う感情に働きかけるパーツを介して、企業と顧客はともに同じ方向を見ることになり、関係性は長期にわたって持続するのです。

まとめ

ストーリーテリングマーケティングは、ストーリーのもつ強い吸引力を使用する手法です。
顧客の感情を動かすためには、以下の2点を踏まえた精密なテクニックが必要になります。

  1. ファン獲得のためには、事実に基づいたリアル感のある「本当のストーリー」を探して発信する
  2. ファンが共感できるコンテンツで「ファン参加型」「自分ごと」ストーリーを作り、関係を強化する

ストーリーテリングマーケティングが成功すれば、忠誠心の強いファンを獲得・育成することができます。
企業や商品にまつわるストーリーを上手に利用して顧客の情緒面にアプローチしていきませんか。

高額商品の購入に至るプロセス

高額商品の購入に至るプロセス

高額商品はネット上では売りにくいと言われます。
反面、上手に顧客を育成していくことでかなり高額な商品でも販売することは可能です。

ここでは一例として顧客がネット上で注文住宅を購入するまでの手順を、「ステップメール」から「必要な情報をコンテンツで解説する」「リスティング広告とコンテンツマーケティングのSEOと効果検証」の3点からご紹介しましょう。
顧客がいる各ステージに適した情報提供を続けることで、ネット上でもかなりの高額商品を買ってもらうことができるのです。

高額商品は「分かりやすい購入プロセス」の解説コンテンツで高額商品も売れる!

注文住宅のように高額なものをネットで購入!?と驚くかもしれませんが、逆に住宅のような「選択肢や決めなければならないことがたくさんあるもの」の購入のほうがネット上でのセールスが向いているアイテムです。
ネット上では時間をかけて「比較検討→相談→支援→購入決定」ができ、顧客はじゅうぶんに納得してから購入に踏み切れるからです。

つまり、高額商品こそわかりやすい購入プロセスを解説したコンテンツが必要だということ。
それでは、具体的な手順・解説コンテンツについて見ていきましょう。

1.売り込みのためのステップメール

「ステップメール」とは、顧客に必要な情報を提供するためのメールです。
顧客ひとりひとりがその時にいるステージに配慮して送信タイミングや配信期間、内容を変えてから送付します。

ステップメールは顧客がその時に一番必要としている情報を提供することで、顧客とのあいだの良好な関係の基盤とします。
メルマガが企業からの最新情報の一斉送信だとすると、ステップメールは企業からお客さん一人ずつに送るパーソナルレターのようなもの。
ステージごとに細かく作り込むと、より効果が上がります。

2.プロセスの丁寧な解説コンテンツ

ステップメールの開封率が上がれば、次に実際に注文住宅を購入するまでの流れをわかりやすく説明した「解説コンテンツ」の出番です。
ここでは最終ゴールを「住宅の購入・発注」として顧客のイメージに沿ってコンテンツを作成します。

「注文住宅が欲しい」と思う→お金は足りるのか・資産チェック→実際に不動産屋に行き物件見学
→ローンの相談・審査に通るか?→具体邸なローン返済計画を考える
→土地購入の手続きとローン審査申し込み・住宅メーカーと打ち合わせ→棟上げ式・竣工

最終ゴールに至るまでの各プロセスについては、顧客にコンテンツ内で細かく解説しましょう。
解説コンテンツはわかりやすさを優先して作成し、顧客の安心を得るようにセールス的な内容は極力入れないようにするのがコツです。

効果的なリスティング広告とSEP対策・効果検証

ステップメール、分かりやすい解説コンテンツときたら、最後は「リスティング広告」と「SEO対策」をおこないましょう。

「リスティング広告」とは、グーグルなどの検索エンジンでユーザーが検索するキーワードと連動してネット上で掲載される広告のことです。
注文住宅の場合なら、よく検索されるビッグワードとして「住宅」「注文住宅」「戸建て」などがあげられます。
これらのビッグワードで検索をかけたユーザーに対して注文住宅メーカーが広告を出せばクリック率は上がります。

ただしリスティング広告ではクリックされて終わりというケースもあるため、「ビッグワード+地域名」を掛け合わせたキーワードを使用するといいでしょう。
とくに注文住宅のように「地域・エリア」に深くかかわっている商品は、地域性を重視してキーワードに入れ込むことが大切です。

またサーチエンジン上で高く評価されるための「SEO対策と効果検証」も欠かさずにおこないましょう。
SEO対策では顧客からのニーズが高いキーワードをチェックしてタイトルやコンテンツ内に入れ込みます。
ただしSEO対策をしたら、その後の効果検証が重要です。

具体的には「検索順位の推移・検索流入の推移」をチェックすることで、検索順位の変化を確認します。
順位が思ったように上昇していない場合は、再度SEO対策をほどこしてまた検証。
とくに高額商品を売り込みたいときは、コンテンツやサイトのSEO対策と効果検証を繰り返して、サイトを常に最良の状態にしておくことが重要です。

まとめ

高額商品、たとえば注文住宅のような多大なお金がかかわるアイテムこそ、ステップメールやコンテンツを使った「プル型マーケティング」が効果的だと言われます。
特に以下の3点に注意して進めてみましょう。

  1. ステップメールや、顧客が必要とする情報をわかりやすくまとめたコンテンツを配信する
  2. リスティング広告のキーワードには「ビッグワード+地域名」を入れて、地元客に情報を提供する
  3. サイトおよびコンテンツにSEO対策をおこない、適宜、効果を検証してサイトをブラッシュアップする

丁寧なプロセス解説を提供することで、顧客の「欲しい!」というシンプルな購入意欲を実際の購入アクションにつなげることができます。
コンテンツはできる限りわかりやすく、顧客の疑問に答えを与えるようにしましょう。

プッシュ型マーケティングの成功事例

プッシュ型マーケティング

長い間、営業と言えば営業マンが企業を回る「プッシュ型」スタイルが主流でした。
テレアポやCM、Web広告などを利用する営業法ですが、Webマーケティングの隆盛にしたがい後退を余儀なくされている雰囲気があります。

しかし営業マンが顧客に直接的に働きかける営業法は成果が短期間で得られやすいのが利点です。
ここでは「プッシュ型マーケティングの概要」と成功例3件をご紹介しましょう。
プッシュ型マーケティングは購買アクションの最後の一押しになりますし、既存客との関係構築に役立つ手法です。

プッシュ型マーケティングとは

「プッシュ型マーケティング」とは、企業・営業マン側から顧客に対して情報を発信するスタイルのマーケティング手法です。
「アウトバウンドマーケティング」とも言われます。

これまでの日本の営業マンにみられる「顧客とのコミュニケーションを密にとり、人間関係を構築してから売り上げにつなげる」営業スタイルのことで、テレアポやテレビCM、バナー広告、DM、メール配信などがプッシュ型に含まれます。

やや古いマーケティング手法だといわれますが業種によっては高い集客効果がありますし、時期によっては非常に有効なため見逃せません。
それでは、具体的なプッシュ型マーケティングの成功例3つを見ていきましょう。

プッシュ型マーケティングの成功事例①「モバオク!」

最近のプッシュ型マーケティングでは「スマホのプッシュ通知」を取り入れているところが多いです。
プッシュ通知とは導入したアプリで店のセール情報やクーポンなどを顧客に送るサービスのこと。

たとえばオークションサイトを運営する「モバオク」ではプッシュ通知を送信することでタイミングよく顧客をサイトに誘導する仕組みを作りました。
たとえば「イベント開始直前のプッシュ通知」で、確実に購入意欲のある顧客を特定のイベントへ誘導しています。

「モバオク!」内でも人気の高い「1円オークション」では、とくに開催直後にユーザーが集中し、盛り上がる傾向が強い。
そのためにオークション直前にプッシュ通知をして、確実に情報を提供しているのです。

ちなみにプッシュ通知はメールよりも視認率・開封率が高いと言われまし、顧客自身がプッシュ通知に事前登録することで参加意識が高まり、能動的な購入アクションを誘発できます。

プッシュ型マーケティングの成功事例②「LINEショッピング」

スマホのプッシュ通知を上手に使っている事例では「LINEショッピング」も有名です。現在では流通額が2000億円以上となっている有望株。
LINEショッピングではとくに金曜の夜20時以降に急激に購入件数が伸びるのに目をつけ、LINEの公式アカウントからの広告を20時直前に集中的に配信しています。

これでユーザーの目線を
「公式アカウントからの広告→LINEショッピングに誘導」
することで効果を上げ、実際の購買アクションをプッシュ型マーケティングで後押ししています。

ちなみにLINEショッピングでは、各ユーザーの現在の「顧客ステータス」によってプッシュ型とプル型マーケティングを使い分けているのも大きな特徴。
購入経験1~2回のライトユーザーに対しては、購入後のポイントバック、キャッシュバックキャンペーンで「購入後の実質値引き」をおこない、ライトユーザーの長期ユーザー化、企業ロイヤリティの高いユーザーへの育成をめざしています。

プッシュ型マーケティングの成功事例③美容業界・飲食業界

業種によってはイベント時期だけプッシュ型マーケティングをおこなうことで高い集客効果を得られることもあります。
たとえば美容業界や飲食業界では、クリスマスや卒業式・入学式などのイベントシーズン直前にだけ事前登録のメルマガやプッシュ通知を使い、集中してプッシュ型マーケティングを展開する方法で成功をおさめている店舗が多数あります。

メルマガやWeb広告などのプッシュ型マーケティングは1年じゅう続けると、顧客を疲れさせるおそれがあります。
反対にイベントシーズン直前だけSNSでアプローチしたりメルマガを送ったりすれば、顧客からの開封率も上がります。

メッセージとともに期間限定クーポンを送付すれば、メルマガの開封率はさらにアップ。非常に効果の高いプッシュ型マーケティングです。

まとめ

プッシュ型マーケティングの強みは成約率が高いと思われる顧客をターゲットにできる点です。
やや押しが強い側面がありますので、営業時には以下の2点に注意しましょう。

  1. イベント前のスマホのプッシュ通知や、特定シーズンのみのメルマガ送付などでクリック率を上げる
  2. 自社サイトでのコンテンツマーケティングなど、オフライン+オンライン営業を併用する

最近は「待ちの手法・プル型マーケティング」が流行していますが、プル型だけでは足りない部分もあります。
プッシュ型・プル型マーケティングの併用で、顧客の取りこぼしがないように営業を進めていきましょう。

ストーリーテリングマーケティングの成功例

長いあいだ採用され続けている王道のマーケティング手法には、確実な集客力があります。物語・ストーリー性を核にした「ストーリーテリングマーケティング」は、シンプルな手法ながらバリエーションが豊富で、ユーザーへの訴求力も高い方法です。

ここではストーリーテリングマーケティングの説明とあわせて、実際の成功例を3つご紹介しましょう。「アマゾン」「apple」などの巨大企業も物語を通して、自社のコンセプトや商品の魅力を伝えているのです。

ストーリーテリングマーケティングとは

「ストーリーテリングマーケティング」とは、企業のブランドコンセプトや商品・サービスを「物語」を使ってユーザーに印象づける手法です。

太古の昔から物語(ストーリー)には人を強く引き付ける力があり、また見た人・聞いた人の記憶に深く、長く残るという利点があります。
商品やサービスの紹介は具体的な数値や機能データを伝えたほうが効率的な気がしますが、人間は論理的・数値的なデータだけでは物を購入する気にはなりにくいもの。
物語の吸引力を通じて「情緒」にアプローチして、より深い「共感」をよびさまし、購入アクションにつなげることがストーリーマーケティングの目的です。

それでは、実際のストーリーテリング成功例を企業ごとにご紹介しましょう。

アマゾンを利用した後の幸せな風景を表現する「アマゾン」

アマゾンは、アメリカのウェブサービスおよび巨大ECサイトの会社です。アマゾンの場合、「アマゾン→幸せを提供する企業」というコンセプトを、ドラマという情緒的に受け入れやすい手法で表現しているのがポイントです。

アマゾンのCMは物語をたくみに使い、情緒的に企業コンセプトを伝えているのが大きな特徴。
物語を通じて「アマゾンを利用すると、こんなふうに”幸せな気持ち”になれます」と言うことを、分かりやすく伝えています。
一般的なマーケティングなら、アマゾンの利点である「便利さ・取扱商品の豊富さ・送料の安さ」などを売りこみのポイントとして、他社との比較のために数値を駆使した論理的なコンテンツを制作するのが王道でしょう。
しかしアマゾンは、あえて合理性や論理性を排除して「幸せな物語」を見せることによって視聴者のなかの「情緒」に訴えかけ、記憶に強く残るマーケティングを展開しているのです。

魅力的なユーザー像を通して購買意欲を高める「Apple」

Appleは、アメリカのインターネット関連製品およびソフトウェアなどを開発・販売している多国籍企業です。
企業発足当初から、物語を非常に上手に使ったマーケティングが得意で、企業コンセプトの「自分らしく生きること」の支援を訴えるCMを多数制作しています。Apple製品を使うことで世界に革新をもたらすというメッセージを発信しているのです。

たとえば「Macの向こうからー新海誠」というCMでは、Apple製品について語られている部分はわずかしかありません。製品の魅力や性能よりも「Macを使って、こういうスタイルで作品を作っているひとがいる」と言う点に焦点が当てられており、CMの主人公はあくまでも映像作家の新海誠さんです。
しかし製品やサービスの具体的な機能については語らないのに、Macという商品がくっきりと記憶に残るのがAppleのストーリーマーケティングの特徴です。

Apple製品を使っている人の魅力そのものが、非常に力強いストーリーとなって視聴者にアピール。その結果として製品を買ってみたいと思わせることに成功しています。

共通の悩みを提示して共感性を高める「アフラック生命」

がん保険・医療保険大手のアフラック生命。こちらは実際にがんにかかったことのある人の物語を中心として、見る人の共感性を高めていくストーリーテリングマーケティングです。

強く印象に残っているのが、お笑い芸人の宮迫博之さんを起用したCM。自分自身ががんになったときの体験談を語ったもので、事実だけが持つリアルさ、力強さが特徴です。
内容は、がんに直面した時に受けたショックや家族をもつ父親としての経済的な不安など、「がんになったら誰でも直面する悩み・問題点」が中心。問題提起後に、解決策としてがん保険を購入すべき理由がシンプルに伝えられており、すんなりと必要性が理解できる仕組みです。

がんが身近な病気になった現在だからこそ、アフラックのがん保険CMは見る人の共感を得やすいのでしょう。

まとめ

「物語」を通じて、商品の魅力を伝えるのがストーリーテリングの手法です。伝えるときには、以下の2点を強調して進めるようにしましょう。

  1. 合理性ではなく、ユーザーの情緒に訴える「物語」を軸にして商品紹介を展開する
  2. 問題提起→解決の物語を通じて、ユーザーの共感性を高める

ストーリーテリングの強みは、どの業種でも効果を発揮できる点です。ブランドや商品にかかわる物語を紹介することによって、企業への好感度を高めてユーザーの購入意欲を促進しましょう。

 

ストーリーテリングマーケティングの強み

マーケティングの世界は、つねに新しい手法を開拓し続けています。同時に、昔ながらのベーシックな手法を磨き上げて、より進化させて採用することもあるんです。
ここでは「物語」を使ってマーケティングをする「ストーリーテリングマーケティング」の利点についてご説明しましょう。

ストーリーテリングマーケティングの強みは「吸引力」と「拡散力」です。物語性が強いほどユーザーを引き付ける事ができ、SNS上で広く拡散していくことになります。

ストーリーテリングマーケティングとは

「ストーリーテリングマーケティング」とは、ブランドや商品およびサービスに関する「物語」を訴えることで、ユーザーの共感を生み出して販売成果を上げるマーケティング手法です。

一般的にマーケティングと言えば、商品やサービス、あるいは企業ブランドを「性能や機能、優位性」から紹介して、購入をうながします。その際、マーケティングの前面に出て来るのは商品・サービスの具体的なデータです。
ある商品の機能や優位性を説明するには、数値での比較が一番わかりやすい・ユーザーに伝わりやすいため、「データ重視」のマーケティング手法には「スピーディな伝達能力」と言う利点があります。他社製四より○○円安い、耐久性が高い、コスパが良いなどの機能的な利点は、数値でこそインパクトがある説明ができます。

いっぽうストーリーテリングマーケティングの場合は、商品やサービスの優位性を訴えるのに数値ではなく「物語」を利用します。商品の開発秘話や自社サービスにまつわるエピソードなどを盛り込み、ユーザーの「情緒」に訴えて、共感を引き出すのが目的です。
なぜ情緒・共感に訴えるのかというと、記憶と結びつきやすいからです。感情を揺さぶられた小説は長く覚えているものですし、共感度の高いCMは記憶に残ります。

このように「物語」を核としたストーリーテリングマーケティングでは、ユーザーに強い印象を与えられます。いい物語を持つCMは長く深く記憶され、企業イメージと一体化して商品購入を促進していくのです。

ストーリーテリングマーケティングには、つよい吸引力がある

ストーリーテリングマーケティングのもっとも大きな利点は「物語の吸引力」です。

小説でも映画でも、起承転結のあるストーリーや心温まるストーリーにはつい引き込まれてしまうもの。多くのユーザーを引き付けて記憶に長く残るうえ、マーケティングを展開している企業やブランドのイメージの底上げもしてくれます。そして物語を通じて企業にプラスイメージを持ったユーザーは、企業サイトをじっくりと見てくれ、コアなファンに成長します。そこから商品のリピート購入をしてくれたり堅実に商品やサービスを購入する優良な顧客になってくれたりするのです。

商品にまつわる「物語」を核にしたストーリーテリングマーケティングが成功すると、ネット上の潜在的顧客を上手に育成することができます。顧客との間に、長期間にわたって信頼関係を維持できる基盤ができるのです。

ストーリーマーケティングは広がりを持つ

ストーリーマーケティングのもうひとつの強みは「拡散力」です。

ネットの世界は個人が自由に情報を発信できるSNSの登場で、大きく変わりをしました。それまでの「特定の人が情報を発信し、それ以外は受け取るだけ」という形から、フェイスブックやツイッター、インスタなどのSNSツールであらゆるひとが簡単に情報を「発信」できる形へ進化しました。
その結果「自分がいいと思った情報、共感できたコンテンツ」を他者と共有することも、重要な自己表現のツールになったのです。
自分が見て共感できた動画CMなどをSNS上で共有・拡散する、受け取った情報を再び拡散すると言う流れの中で、多くの人がスピーディに情報を共有することになり、企業に対するイメージも一気に広がります。

「物語」はとくに人の共感を引き出しやすいツールです。
自分がハマって面白く感じたCMやコンテンツを誰かに教えたい・面白さをシェアしたいという意識の高まりを利用するのがストーリーテリングマーケティングです。

まとめ

ストーリーテリングマーケティングは、昔からよく使われている王道の手法です。「ユーザーの共感」を引き出して寄り添うことで、企業およびブランドは顧客と長期的な関係を結ぶことができます。ストーリーマーケティングを展開するときには、以下の3点を踏まえて進めてみましょう。

  1. ユーザーの「共感」を生む物語で、購入意欲を刺激する
  2. 物語を通して、ユーザーの企業好感度を揚げる
  3. SNSを利用した「物語の拡散」で、企業や商品の知名度・好感度を上げる

ストーリーテリングマーケティングでは、物語における「伝播力の強さ・拡散力の速さ」という特徴を生かす方法です。あえてデータや論理による情報提供を控えて、商品に関するストーリーに特化しましょう。

 

OODAループの成功例

OODAループは観察、状況判断そして意思決定と行動のそれぞれの英単語の頭文字を合わせたものです。
もともとはアメリカ空軍のパイロットが考え出した理論であり、戦場においては瞬時の判断が必要であったため理論が利用されていました。

意思決定の速さ、迅速な対応が求められるスポーツや教育、ビジネスなど様々な場所でも応用されるようになり、その現場に応じた行動をするために考え出された仕組みとして認知されています。

OODAループを活用するには

OODAループの観察は周囲の状況をよく観て多くの情報を的確に収集しそれを把握する、ということが含まれます。
この時の見るはただその状況を見ているだけではなく、見た結果を瞬時に認識し、気づきを得ることになります。

状況判断は集めた情報に対して状況を判断し、将来はどのようになっているかを予測していきます。
この時、自分の知識や過去の経験なども参考にしながらビジョンをつくります。

正確性よりも方向性、世界観に意味があることを優先させており、それを実現するために意思決定があります。
さらにただ意思決定をしただけではなく、決定した方法を実際の行動に移すようになり、移した後は最初の観察に戻ります。

つまりOODAループは
●観察
●状況判断
●意思決定
●行動

が繰り返されているものであり、繰り返すことが多ければ多いほど次に何か起きたときに瞬時に判断しやすくなり、すぐに行動と結びつけられるようになります。

PDCAサイクル

OODAループと似たものにPDCAサイクルがあります。
PDCAサイクルは日本で品質管理または生産管理で活用されている方法であり、業務管理や改善が目的です。日本人好みのような手法であり、計画をしっかりと立てて計画通りに動くことが重要であり、目標を作成しその目標の結果に対して改善するまではある程度の期間が必要になります。

そのため瞬時に判断するというよりも、じっくりと長期的に考えだしていくフレームワークであり、PDCAサイクルを導入しているのは日本のみとなっています。

製造業や食品加工業などに向いている方法であり、しっかりと計画を立てることでより生産性があがります。
PDCAサイクルにも良い点があるので、状況に応じて使い分けることが大切であり、しっかりとした目標が立てられない場合はOODAループを使うとすぐに行動に移すことができます。

OODAループのメリット

メリットはとっさの判断が必要なときに効力を示し、予想外のことが起きたとしても実行することによって解決していくことができる、個々に責任感を与えることができる、目標をあらかじめ設定する必要がないので、新規事業の場合に活用しやすい点があげられます。

さらに個人の生産性を高めることが可能であり、計画を立てることに時間をかけないので、その時間を有効活用することができ、処理速度が高まります。
OODAループを利用してユーザー層をより早く集客する時に用いることができ、成功例はインターネット販売が多いです。

近年ではめぐるましくネットマーケティングは状況が変わっており、計画や評価などを考えていると乗り遅れてしまいます。
その時々の現場の判断と実行が求められるため、インターネット通販では必要な手法と言えます。ですが、一般的な会社においても使用できる方法であり、事務や人事にも生かすことができます。

OODAループの成功例

成功例としては、以前はPDCAサイクルによって顧客の要望や必要な情報を聞き出し、その情報を当てはめて運用してその結果どうなったかを測定し、改善点を試しながら進めていくことを行っていました。

ですが、この方法であると流行や話題となっていることを取り入れることが難しく、情報を集めただけでそれを生かし切れていませんでした。

そのためOODAに変更をし、必要な情報を聞き出すだけでなく顧客の要望を理解してどのような手法でアプローチをしていくかを決め、実際に実行して集客をし、うまくいかない部分を改善していくという方法を取り入れました。

その結果より知りたい内容がタイムリーとなり、必要としている情報を様々な人に提供できるようになり、売上も高まっています。

また、教育現場においても子どもは想定外のことを行うことがあるので、OODAの考えを取り入れたほうが、より様々なことに迅速に対応することが可能です。

適切な手法を取り入れるのが最善

OODAとPDCA、どちらの手法も目標を達成するための手法であり、どちらかが劣っているわけでもありません。

ですが、インターネットが普及した現在においてはスピードが大切であり、常に変わっていく状況にいち早く対応しなくてはなりません。

ルーティンとなる仕事が多く、スケジュールが細かく決まっている場合はPDCAの方が合っていますし、ベンチャー企業や教育などのように人の心理に応じて状況が変わるような職業の場合はOODAの方が合っています。

どちらの手法をとるかは会社の雰囲気、仕事内容に関係してくるので、社風に合ったものを選び実行していくことが大切です。

ストーリーテリングマーケティングとは

ストーリーテリングマーケティングは、ビジネスに物語性を付け加えて顧客心理を掴む手法で、ストーリーを求める消費者の心に訴えかけるのに役立ちます。

この手法はいわゆるコンテンツマーケティングの一種で、コンテンツを発信する側が消費者に情報を提供することによって、購買意欲を育てたり購買行動を促すのが特徴です。
ストーリーテリングの方法は、昔話や童話のように、物語性を感じさせる書き出しで興味を持たせるのがポイントです。

昔々というように話し始めたり、あるところで誰が何をといった具合にストーリーを作っていきます。
ストーリーに主人公を設定したり、舞台設定や目的、ストーリーの展開と結末まで簡潔にまとめることが大切です。

テレビで物語仕立てのCMが多いのは、それだけ消費者がストーリーを求めている証拠で、伝わりやすい上に興味を持って購買意欲が高まるからに他ならないといえるでしょう。

起業や商品開発ストーリーテリング

これを創業者の起業ストーリーに用いると、消費者は興味を持って、企業や創業者の人となり、そして商品にも興味を持ち始めます。

当然ですが、魅力的なストーリーを用意しなければ消費者は惹かれないので、惹きつける物語にすることが肝心です。
それと、主人公には課題とヒーロー性を与えて、困難に立ち向かい課題を解決する流れでストーリーを仕上げるのもコツです。

顧客像をペルソナとして設定したり、商品やサービスを擬人化するテクニックもあるので、ストーリーテリングマーケティングは奥深いといえます。
誰を物語の語り部に設定するか、これも消費者が受け取る印象を大きく左右しますから、読み手の気持ちになってストーリーを作り上げることが必要です。

物語を作りビジネスに用いるのであれば、共感してもらえる話を活用することが大事です。
印象に残したり魅力を伝えて興味を持ってもらう、それこそがこの手法における成功の鍵を握ります。

ストーリーは創業者の存在を印象づけたり、ものづくりに対する思いをメッセージに乗せるのに有用です。
また、商品やサービスの魅力を伝えるのにも有用で、企業の成り立ちを知ってもらうのにも便利です。

感覚的にはツールとして使えますが、使い方を間違えると消費者に異なるメッセージを発信してしまったり、望む結果とは異なる着地点に至ることがあるので注意をしましょう。

創作か事実のストーリーか

ストーリーテリングマーケティングでは、物語を作って発信する方法を用いるので、やろうと思えば創作を事実のように使うことも可能です。
しかし、顧客を騙すようなやり方は歓迎されませんし、嘘がバレると失うものの方が大きいですから、事実に反しない範囲でストーリーを魅力的にすることが求められます。

事実の方が創作よりも話に説得力が生まれますし、事実を魅力的に伝えた方が顧客は惹かれたり喜びます。
共感を生むことが目的の1つなので、消費者が抱いている悩みや不満を設定して、それに気がついた創業者が解決に挑むという物語にすると共感を呼びやすくなります。

共感を生むストーリーテリング

解決すべき問題や課題を仮想的に据えることで、発信する側と消費者の共通の敵が生まれます。
この仮想敵を倒す流れで物語を組み立てていくと、ヒーローの創業者や敵を打倒した武器の商品やサービスが共感を呼ぶ結果に至ります。

ストーリーテリングマーケティングの活用方法には、消費者をヒーローに仕立て上げて、敵を打ち倒す疑似体験を提供する手もあります。
その為には、魅力に感じられる舞台や設定を用意して、倒すに値する敵や打倒までの道筋を丁寧に物語にすることが重要です。

このような物語の提供は、創業者を印象づけて企業の顔にしたり、企業名や商品、サービスを消費者の記憶に残すことになります。
市場には沢山の商品やサービスが溢れかえっていますが、その中で存在感を放つのは至難の業です。

小規模事業者でも活用できるマーケティング手法

企業規模が大きく、マーケティングに使える予算が大きければ話は別ですが、零細企業であったり個人商店だと限界があります。
中小規模の企業や個人が大手と勝負するには、やはり消費者を味方につけてビジネスを展開していくことが不可欠です。

ビジネスの力をつけるのに役立つのがまさにストーリーテリングで、存在に気がついてもらったり、名前を覚えてもらうことがビジネスの武器になります。
物語はメッセージの内容と伝え方が重要なので、方向性を明確にして伝えたいことを伝えるようにします。

次に、感情を揺さぶる方向に持っていき、更に物語の展開に惹き込んでいきます。
消費者の顧客心理を掴むことができれば、消費者は購買意欲が高まって、商品の購入やサービスの利用を考えるようになるわけです。

ストーリーは必ずしも時系列順に並べる必要はありませんし、抽象化して伝わりやすいように工夫すると、物語の魅力が増してシンプルに伝わります。
敵を倒すだけでなく、再生の物語や壮大な冒険の旅、出発して戻ってくるまでの道筋など、用いることのできる設定は沢山あります。

無の状況から成り上がる話や、悲劇と喜劇も人を惹きつけますから、面白いストーリーを考えて伝えたいことを伝えるのがポイントとなります。

共感マーケティングとは

近年、スマートフォンが世代を問わず普及しています。
それに伴い従来のマーケティング手法ではなく、共感マーケティングが注目されており利用する企業が増えている現状があります。

これはお店の集客力を上げるには身近な売り場、親近感のわく会社やスタッフ、身近に感じることができる商品やサービス、価格、日常の悩みを解決する、何を伝えたいかがわかりやすいといった5つの項目が必要となり、息の長いヒット商品を生み出すには身近で親近感があり、日常に寄り添ったものになります。

ですがこれらを会社がある地域だけでなく様々な地域に広めるには、人が会社訪問などをして営業をする、新聞広告を出すだけでは不十分です。
そのためソーシャルメディアを利用した手法が注目されています。

共感マーケティングとは

共感マーケティングとは人の心に寄り添い、売れる仕組みを作り上げる手法とその効果を指しています。
人の心に寄り添っているため営業などのセールス活動を行わなくても自然と売り上げが伸びていくほか、ソーシャルメディアを巧みにより戦略的に活動できるため宣伝効果が高い、宣伝効果が高い割に低コストである特徴があります。

実際にその商品を使ってみた人が口コミを書き、それを見た人が欲しくなって購入する、または友人が使用しているのを見て使ってみたいと思うなど共感を得ることができる効果であり、営業を無理に行わなくても商品が売れることを実現できる手法になります。

つまり共感マーケティングの場合、消費者を売上率向上に向けて仕掛けてもらうので、消費者が発信者であり、1人が発信したことがソーシャルメディアを利用して3人になり、そして10人に広がるということを利用しています。

つまりつねに消費者が主人公であり、主人公が興味があり使用してみたい、または行ってみたいと思わない限り効果を得ることができません。

インフルエンサーを活用

共感マーケティングの一番簡単な方法は、インフルエンサ―とも言われる影響力のある人にある商品を試してもらい、その感想をブログやサイト、動画に配信してもらうことであり、見ている人が多ければ多いほど様々な人に拡散していき、自然と売りたい商品の宣伝をしてもらえます。

ただし、共感マーケティングは上手に活用しないと売れる仕組みを作り上げることはできません。
インターネットの仕組みを理解し、それを十分に生かしていけるスキルが必要となります。

インターネットで物を売る場合、その商品を現実に手に取ることはできません。
そのため商品の価値を見える化し、わかりやすく伝えることが大切です。

商品へのこだわりや、その商品の特徴はもちろんのこと日常からさほどかけ離れない言葉や画像、映像を的確な場所に配置をし、随時配信をしていく、常に商品の紹介やこだわりばかりではなくクオリティが高い画像などを適度にちりばめる、など会社の印象をあげていきます。

共感マーケティングの基本

人と会社が共感しあうには、

●どの世代をターゲットにするかを明確にする
●自社の強みを示す
●共感してほしい部分はどこなのかを考える
●一つのチームのみでなく会社全体がメッセージを共有し、それを言語化する

という4つが基本となります。

そしてそれらを発信する力が必要であり、たくさんのユーザーを獲得し口コミを集め、インフルエンサーの力を借りて広めてもらわなくてはなりません。
インフルエンサーの協力が得られない場合は、共感を得てくれる人を多く集めることが大切なため、サイトの構築は慎重に行うようにし、ある程度頻繁にソーシャルメディアを更新していくと良いです。

なお、インフルエンサーの力を借りたとしてもそれがすぐに売上率向上には結びつきません。
影響力のある人であっても、それを見た側が価値を見出せなかったり、情報がつまらないものであったりする場合はスルーされてしまうからです。

ユーザーの心理を考え抜く

近年ではブログやサイトを立ち上げる人が多くなっており、多くの人は他の人への貢献欲、そして認められたいという承認欲求があります。
これは人と人とが直接触れ合ることがきっかけとなり、誰かに貢献することによって自分に価値を見出しているからです。

つまり自分が心の底から良いと思い、それを誰かに伝えてその人から感謝されたいと思っているので、このような貢献欲や承認欲求を満たすようなものであれば、簡単に配信されていきます。
共感マーケティングとは影響力のある人、もしくは貢献欲や承認欲求を満たしたいと考えている人の発信力によって成功するものであり、売り上げを伸ばしていくにはこれらの人が求めているものは何かを考えなくてはなりません。

そのためには売りたい商品の情報を魅力あるものにし、それを使用することによってどのような利点があるのか、実際に試すとどのようないいことが起こるのか、などを明確に書き記すことが大切です。

特に最近ではビジュアルの良さも大切になっているので、写真の撮り方にも注意をすることが必要であり、よりセンスのよい画像は拡散される傾向があります。

ライフタイムバリュー(LTV)の向上で、長期収益型ビジネスをめざす

顧客の「ライフタイムバリュー(LTV)」は、Webマーケティングで重要視される要素の一つです。
LTVは「ひとりの顧客から得た利益」の総計で、長期収益型ビジネスモデルで収益を上げ続けるにはLTVの向上が欠かせません。

ここでは「顧客のLTVをアップさせる方法」と「売ってからの顧客育成型」の2点から、Webマーケティングとライフタイムバリューの関係を考えました。
一人の顧客を丁寧に育てて高い収益をあげる、持続的、継続的な営業が長期収益型ビジネスにつながるのです。

顧客のLTVアップ=企業収益の拡大

顧客のライフタイムバリュー(LTV)は「顧客生涯価値」とも訳されます。
つまり「顧客が取引期間全体を通じて、企業にもたらした売り上げ」のことです。

Webマーケティングにおいては顧客のLTVを上げ、なるべく長く、なるべくたくさんの売り上げになるよう顧客をケアする必要があります。
ここではLTVアップの方法として

1.平均顧客単価のアップ
2.購入頻度のアップ

の2点をご説明しましょう。

1.平均顧客単価を上げる

物販であってもサービスであっても、顧客一人当たりの単価を上げていけば総合的な売り上げもアップします。
では、平均顧客単価を上げるにはどうしたらいいのでしょうか。おすすめの方法は二つあります。

1.関連商品の購入をうながす「クロスセル」
2.アップグレードした商品の購入をうながす「アップセル」

クロスセルは、顧客が興味を持ちそうな関連商品をこれまでの購入データから割り出して、販促活動を行う方法です。
アップセルは、顧客に従来よりもハイグレードな商品を紹介してメリットに納得してもらい、単価の高い商品購入を進める方法。

クロスセルではこれまでの顧客の購入データの蓄積とデータからの推測が必要になりますし、アップセルでは商品・サービスのクオリティが重要になります。
顧客がハイグレードな商品を見て「これなら余分に払ってでも欲しい」と思うようなレベルでなければ、購入してもらえないからです。

顧客の平均単価をあげるには、これまでの地道なリサーチやデータの蓄積、分析、そして商品・サービスの魅力が揃っている必要があります。
もっともWebマーケティングでは、顧客データなどは売り上げが発生した段階から蓄積されていることが多いので、客単価を上げやすい環境がととのっているとも言えるのです。

2.客の購入頻度を上げる

顧客ひとりが買う回数が増えれば、LTVも相対的に上がります。
適正な購入頻度は企業が扱っている商品・サービスによって異なりますが、一度買ったらもう二度と必要ないというアイテムはほとんどありません。

ですから購入頻度をあげるには、商品がなくなるタイミングやサービス期間が終了する時期を狙って、再購入を促すようにするのが効果的です。
たとえば家電なら、購入後半年で「調子はいかがですか」という状況を尋ねるメールを送り、1年後には「無料メンテナンスが受けられますが、どうでしょうか」などのサポート案内を送付して、顧客にメリットのある内容のコンタクトを取り続けます。

定期的にコンタクトを取ることが重要で、メールやメルマガでは売り込みはかけません。
営業しないことで顧客の企業に対する好感度が上がり、もう一度買ってみようかと思うことになるからです。

売ってからの顧客育成型

WebマーケティングでLTVを重視するのは、企業と顧客の関係が「売り切り」から「売る→コンタクトを維持→リピーター化」という流れに変わってきたからです。
これまでは一人でも多くの新規客を得て商品を売ればよかったのですが、今の日本では新規客を開拓するには時間も手間もかかりすぎます。

また新規客から得られる売り上げはそれほど大きな金額になりません。
同じ時間とコストをかけるなら、一度でも自社製品・サービスを購入した既存客に継続的にコンタクトを取り、企業ロイヤリティの高い顧客に育成して利益を上げるほうが収益につながるのです。

コンテンツマーケティングでは、顧客それぞれに必要な情報を提供することにより、顧客を育てていきます。
既存客との良好な関係を維持してリピーターになってもらう。これこそがLTVをあげる最終兵器なのです。

まとめ

社会と市場が変わってゆくにつれて、収益を上げられるビジネスモデルも変化していきます。
顧客のLTVをあげるには、以下の3点に十分注意をしていきましょう。

1.顧客のLTVアップには、顧客ごとのデータを利用した「クロスセル」で関連商品を販売する
2. LTVアップのためにハイグレード商品の購入をすすめる「アップセル」で単価の高い商品を販売する
3.「売り切り型」ではなく「売ってからの顧客育成型」に切り替えて、既存客をリピーターにする

企業にとっての優良客とは、長い期間にわたって商品やサービスを購入してくれる顧客です。
優良客から引き出せるLTVを上げるためにも、売った後から始まる関係を大事にして顧客育成につとめましょう。