プッシュ型マーケティングの成功事例

プッシュ型マーケティング

長い間、営業と言えば営業マンが企業を回る「プッシュ型」スタイルが主流でした。
テレアポやCM、Web広告などを利用する営業法ですが、Webマーケティングの隆盛にしたがい後退を余儀なくされている雰囲気があります。

しかし営業マンが顧客に直接的に働きかける営業法は成果が短期間で得られやすいのが利点です。
ここでは「プッシュ型マーケティングの概要」と成功例3件をご紹介しましょう。
プッシュ型マーケティングは購買アクションの最後の一押しになりますし、既存客との関係構築に役立つ手法です。

プッシュ型マーケティングとは

「プッシュ型マーケティング」とは、企業・営業マン側から顧客に対して情報を発信するスタイルのマーケティング手法です。
「アウトバウンドマーケティング」とも言われます。

これまでの日本の営業マンにみられる「顧客とのコミュニケーションを密にとり、人間関係を構築してから売り上げにつなげる」営業スタイルのことで、テレアポやテレビCM、バナー広告、DM、メール配信などがプッシュ型に含まれます。

やや古いマーケティング手法だといわれますが業種によっては高い集客効果がありますし、時期によっては非常に有効なため見逃せません。
それでは、具体的なプッシュ型マーケティングの成功例3つを見ていきましょう。

プッシュ型マーケティングの成功事例①「モバオク!」

最近のプッシュ型マーケティングでは「スマホのプッシュ通知」を取り入れているところが多いです。
プッシュ通知とは導入したアプリで店のセール情報やクーポンなどを顧客に送るサービスのこと。

たとえばオークションサイトを運営する「モバオク」ではプッシュ通知を送信することでタイミングよく顧客をサイトに誘導する仕組みを作りました。
たとえば「イベント開始直前のプッシュ通知」で、確実に購入意欲のある顧客を特定のイベントへ誘導しています。

「モバオク!」内でも人気の高い「1円オークション」では、とくに開催直後にユーザーが集中し、盛り上がる傾向が強い。
そのためにオークション直前にプッシュ通知をして、確実に情報を提供しているのです。

ちなみにプッシュ通知はメールよりも視認率・開封率が高いと言われまし、顧客自身がプッシュ通知に事前登録することで参加意識が高まり、能動的な購入アクションを誘発できます。

プッシュ型マーケティングの成功事例②「LINEショッピング」

スマホのプッシュ通知を上手に使っている事例では「LINEショッピング」も有名です。現在では流通額が2000億円以上となっている有望株。
LINEショッピングではとくに金曜の夜20時以降に急激に購入件数が伸びるのに目をつけ、LINEの公式アカウントからの広告を20時直前に集中的に配信しています。

これでユーザーの目線を
「公式アカウントからの広告→LINEショッピングに誘導」
することで効果を上げ、実際の購買アクションをプッシュ型マーケティングで後押ししています。

ちなみにLINEショッピングでは、各ユーザーの現在の「顧客ステータス」によってプッシュ型とプル型マーケティングを使い分けているのも大きな特徴。
購入経験1~2回のライトユーザーに対しては、購入後のポイントバック、キャッシュバックキャンペーンで「購入後の実質値引き」をおこない、ライトユーザーの長期ユーザー化、企業ロイヤリティの高いユーザーへの育成をめざしています。

プッシュ型マーケティングの成功事例③美容業界・飲食業界

業種によってはイベント時期だけプッシュ型マーケティングをおこなうことで高い集客効果を得られることもあります。
たとえば美容業界や飲食業界では、クリスマスや卒業式・入学式などのイベントシーズン直前にだけ事前登録のメルマガやプッシュ通知を使い、集中してプッシュ型マーケティングを展開する方法で成功をおさめている店舗が多数あります。

メルマガやWeb広告などのプッシュ型マーケティングは1年じゅう続けると、顧客を疲れさせるおそれがあります。
反対にイベントシーズン直前だけSNSでアプローチしたりメルマガを送ったりすれば、顧客からの開封率も上がります。

メッセージとともに期間限定クーポンを送付すれば、メルマガの開封率はさらにアップ。非常に効果の高いプッシュ型マーケティングです。

まとめ

プッシュ型マーケティングの強みは成約率が高いと思われる顧客をターゲットにできる点です。
やや押しが強い側面がありますので、営業時には以下の2点に注意しましょう。

  1. イベント前のスマホのプッシュ通知や、特定シーズンのみのメルマガ送付などでクリック率を上げる
  2. 自社サイトでのコンテンツマーケティングなど、オフライン+オンライン営業を併用する

最近は「待ちの手法・プル型マーケティング」が流行していますが、プル型だけでは足りない部分もあります。
プッシュ型・プル型マーケティングの併用で、顧客の取りこぼしがないように営業を進めていきましょう。