ストーリーテリングマーケティングの強み

マーケティングの世界は、つねに新しい手法を開拓し続けています。同時に、昔ながらのベーシックな手法を磨き上げて、より進化させて採用することもあるんです。
ここでは「物語」を使ってマーケティングをする「ストーリーテリングマーケティング」の利点についてご説明しましょう。

ストーリーテリングマーケティングの強みは「吸引力」と「拡散力」です。物語性が強いほどユーザーを引き付ける事ができ、SNS上で広く拡散していくことになります。

ストーリーテリングマーケティングとは

「ストーリーテリングマーケティング」とは、ブランドや商品およびサービスに関する「物語」を訴えることで、ユーザーの共感を生み出して販売成果を上げるマーケティング手法です。

一般的にマーケティングと言えば、商品やサービス、あるいは企業ブランドを「性能や機能、優位性」から紹介して、購入をうながします。その際、マーケティングの前面に出て来るのは商品・サービスの具体的なデータです。
ある商品の機能や優位性を説明するには、数値での比較が一番わかりやすい・ユーザーに伝わりやすいため、「データ重視」のマーケティング手法には「スピーディな伝達能力」と言う利点があります。他社製四より○○円安い、耐久性が高い、コスパが良いなどの機能的な利点は、数値でこそインパクトがある説明ができます。

いっぽうストーリーテリングマーケティングの場合は、商品やサービスの優位性を訴えるのに数値ではなく「物語」を利用します。商品の開発秘話や自社サービスにまつわるエピソードなどを盛り込み、ユーザーの「情緒」に訴えて、共感を引き出すのが目的です。
なぜ情緒・共感に訴えるのかというと、記憶と結びつきやすいからです。感情を揺さぶられた小説は長く覚えているものですし、共感度の高いCMは記憶に残ります。

このように「物語」を核としたストーリーテリングマーケティングでは、ユーザーに強い印象を与えられます。いい物語を持つCMは長く深く記憶され、企業イメージと一体化して商品購入を促進していくのです。

ストーリーテリングマーケティングには、つよい吸引力がある

ストーリーテリングマーケティングのもっとも大きな利点は「物語の吸引力」です。

小説でも映画でも、起承転結のあるストーリーや心温まるストーリーにはつい引き込まれてしまうもの。多くのユーザーを引き付けて記憶に長く残るうえ、マーケティングを展開している企業やブランドのイメージの底上げもしてくれます。そして物語を通じて企業にプラスイメージを持ったユーザーは、企業サイトをじっくりと見てくれ、コアなファンに成長します。そこから商品のリピート購入をしてくれたり堅実に商品やサービスを購入する優良な顧客になってくれたりするのです。

商品にまつわる「物語」を核にしたストーリーテリングマーケティングが成功すると、ネット上の潜在的顧客を上手に育成することができます。顧客との間に、長期間にわたって信頼関係を維持できる基盤ができるのです。

ストーリーマーケティングは広がりを持つ

ストーリーマーケティングのもうひとつの強みは「拡散力」です。

ネットの世界は個人が自由に情報を発信できるSNSの登場で、大きく変わりをしました。それまでの「特定の人が情報を発信し、それ以外は受け取るだけ」という形から、フェイスブックやツイッター、インスタなどのSNSツールであらゆるひとが簡単に情報を「発信」できる形へ進化しました。
その結果「自分がいいと思った情報、共感できたコンテンツ」を他者と共有することも、重要な自己表現のツールになったのです。
自分が見て共感できた動画CMなどをSNS上で共有・拡散する、受け取った情報を再び拡散すると言う流れの中で、多くの人がスピーディに情報を共有することになり、企業に対するイメージも一気に広がります。

「物語」はとくに人の共感を引き出しやすいツールです。
自分がハマって面白く感じたCMやコンテンツを誰かに教えたい・面白さをシェアしたいという意識の高まりを利用するのがストーリーテリングマーケティングです。

まとめ

ストーリーテリングマーケティングは、昔からよく使われている王道の手法です。「ユーザーの共感」を引き出して寄り添うことで、企業およびブランドは顧客と長期的な関係を結ぶことができます。ストーリーマーケティングを展開するときには、以下の3点を踏まえて進めてみましょう。

  1. ユーザーの「共感」を生む物語で、購入意欲を刺激する
  2. 物語を通して、ユーザーの企業好感度を揚げる
  3. SNSを利用した「物語の拡散」で、企業や商品の知名度・好感度を上げる

ストーリーテリングマーケティングでは、物語における「伝播力の強さ・拡散力の速さ」という特徴を生かす方法です。あえてデータや論理による情報提供を控えて、商品に関するストーリーに特化しましょう。