デジタル化が進む現在、中小企業でもDX戦略を積極的に取り入れたいと思われるでしょう。
でも何から取り入れていいかわからない……。
そこで「DX戦略の基本」から始めて「中小企業の成功例」「取り入れやすいDX」をご紹介します。
中小企業こそデジタル戦略で省人化・販管費削減を実現できるのです。
DX戦略の基本
「DX」とはデジタルトランスフォーメーションという意味です。
進化し続けるITテクノロジーを取り入れて、生活を豊かにするということ。
2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授が提唱した考え方です。
ビジネスでは「進化し続けるデジタル技術により、企業・社会を変革させること」を目的とします。
中小企業なら小さなことから社内改革をはじめ、会社をよりよくすることが大きな目的となります。
DX戦略のメリット事例:「陣屋」に学ぶ省人化・販管費削減
では、具体的にDX戦略が成功した事例を見ていきましょう。神奈川県秦野市の老舗旅館「陣屋」の例です。
陣屋は大正7年開業の老舗旅館。
しかしバブル後は客足が落ち、7000万円の赤字を抱えて借入金は10億円に
。そこで平成21年ごろからDX戦略をとり、少しずつ状況を改善していって現在は人気旅館となりました。
事業がうまく行かない原因は、社内の情報管理の不備にありました。
スタッフ各自が必要と思われる情報を持ったまま動いていたため業務の大半はバックルームでの確認作業。旅館のかなめである接客サービスに費やす時間がどんどん減ってしまったのです。
そこで陣屋では自社で予約システムを開発。
伝達すべき情報がデジタル上で共有されて、人員配置も効率的になりました。
少ないスタッフで旅館を回せる「省人化」が実現されたのです。
ちなみに「陣屋コネクト」と呼ばれる予約システムは、のちに勤務管理、原価管理機能などが追加され、外販されています。
中小企業が導入しやすいDX戦略
陣屋にみられるように、中小企業でも導入できるDX戦略はたくさんあります。
とくに適しているのは「アーリースモールサクセス型DX」でしょう。
小さなDX戦略を実施し、成功することでノウハウを積み重ねて別のDXにチャレンジするスタイルです。
変革を実施することで問題提起から対策、実行、フィードバックからの再試行という流れを経験できますし、反応も早くやってきます。
省人化や販管費削減など、効果を可視化しやすいのです。
DX戦略に対して社内に抵抗がある場合こそ、アーリースモールサクセス型で成功実績を積み上げていくのがいいでしょう。
まとめ
中小企業のDX戦略では、以下の2点が重要です。
1 小さなことから始めて、成功実績を積みあげていく
2 省人化や販管費削減など、成功を可視化しやすい状況を作り社内の理解を深める
企業内のDXが成功し続け、いつしか社会全体に影響が及んだ例も少なくありません。まずは手近なところ、実現可能な部分からDX戦略をはじめていきましょう。