潜在顧客・既存客との企業の接触について考える

Webマーケティングでは、ネット上で顧客に対してさまざまな情報を提供することで売り上げにつなげます。

情報提供をする場合は、「潜在顧客」「既存客」にわけて接触頻度やタイミングを考えると効果的なマーケティングになります。
ここでは「潜在顧客と既存客の大きな違い」から始めて「潜在顧客に対するベストな接触」「既存客に対するベストな接触」をそれぞれ考えてみましょう。

潜在顧客と既存客は購買プロセスにおける「ステージ」がバラバラで、単一の接触では十分な営業成果をあげられないこともあります。
アプローチには細かな差異をつける必要があるのです。

潜在顧客と既存客の大きなちがい

「潜在顧客」と「既存客」における大きな違いは、購買プロセス上のどこにいるのかという「立ち位置の違い」にあります。
潜在顧客は、顧客が解決すべき問題を持っているにもかかわらず、問題の存在が目の前に浮上してきていない段階にある人です。

購買プロセスのモデル「AISAS」で言えば、意思決定の初期段階「注目」ステージにいる客層で、商品やサービスを買うところからはまだ遠いところにいます。
しかし「遠い場所にいる」とはいえ、問題があるからこそ商品やサービスに「注目」しているのですから、潜在顧客は「将来的に顕在顧客・既存客となりうる客層」です。

これに対して既存客は、すでに一度は商品を購入していたり具体的に購入を検討したりした人です。
自分が抱える問題を知っており、解決のために行動を起こす段階にあります。「AISAS」で言えば「検索」ステージに入っており、次の「購入」に進むか迷っている段階です。

つまり潜在顧客は「購買アクションがまだ視野に入っていない層」であり、既存客は「購買アクションに手がかかりかけている層」だと言えるでしょう。
これほどステージの違う顧客に、同じコンタクト頻度、同じ内容のコンタクトをおこなっても、十分な手ごたえは得られません。顧客が必要とする頻度・情報が異なるからです。

潜在顧客と企業のベストコンタクト

潜在顧客は「購買アクションがまだ視野に入っていない層」ですから、Webマーケティング上での接触回数は積極的に増やした方が効果的です。
具体的には次の2点で、潜在顧客へのベストコンタクトを狙いましょう。

●1.潜在顧客が興味を持った商品・サービスの「広告バナー」を集中的に配信する
●2.「リマーケティング広告」の活用で、商品に興味を抱いた潜在顧客へピンポイントにアピールする

とくにリマーケティング広告は上手に利用しましょう。
まだ商品購入を考えていない段階の潜在顧客でも、ピンポイントで何度も狙い撃ちしていくうちに次第に顧客育成が進みますから、コンテンツ発信などを継続していくことが大切です。

内容としては、商品やサービスに関連する情報提供がいいでしょう。
潜在顧客の段階ではまだ商品やサービスについての理解が深まっていません。

企業側からの接触回数を増やしていくことで正確な情報提供ができますし、顧客に役立つ情報を送ることで企業に対する信頼感を育成できます。
ただし潜在顧客への情報提供では、営業色が強くなりすぎないように配慮しましょう。

たとえばカーシェアを運営する企業からの情報提供なら、「車の便利な使い方」や「車で行ける範囲の、おすすめスーパー」など潜在顧客に有用性を感じさせる内容がおすすめです。

既存客と企業のベストコンタクト

既存客は「購買アクションに手がかかりかけている層」であることから、接触頻度をあげるより「定期的・継続的な情報提供」に的を絞りましょう。
具体的には次の2点で、既存客へのベストコンタクトを狙います。

●1.週に1回など、定期的なメルマガで最新の情報提供をする
●2.年に1回の無料メンテ案内や既存客専用のクーポンを送信する

既存客の場合、接触頻度は低くてもいいのですが定期的にコンタクトを取ることが重要です。
またコンタクトの理由として「顧客にとってメリットになる情報を提供する」と言うスタンスを取れば、既存客にも受け入れられやすいでしょう。

具体的には無料メンテナンス案内や既存客専用のクーポンを配信すること。
既存客のメリットを前面に出して「お得感」を打ち出して再購買をうながす、既存客をリピーターにすることが最終的な目的です。

まとめ

同じ顧客と言っても、潜在顧客と既存客には「現在地」に大きな差があります。
以下の2点に留意して顧客育成を進めていきましょう。

●1.潜在顧客には積極的に接触し、顧客に役立つ情報を発信。顕在顧客へ育成する
●2.既存客には定期的な接触を継続し、顧客が得をしたと感じる情報を発信。リピーターへ育成する。

潜在的顧客も既存客も、ステージは違えど同じ「購買プロセス」の途中にいます。
アプローチ法を使い分けて、どちらも常連客へ育成していきましょう。