共感マーケティングの成功例

共感マーケティングの成功例

マーケティングにはさまざまな手法があり、なかでも記事や動画コンテンツなどを通じてネットユーザーの共感を得ることで収益につなげるのが「共感マーケティング」です。
ここでは共感マーケティングの基本を説明したうえで、具体的な成功例を2件ピックアップしました。

共感マーケティングでは、企業のブランドコンセプトや商品コンセプトを明確に伝えることがとても大切です。
ネットユーザーの感情に寄り添う内容のコンテンツを発信することで、結びつきの強い顧客を育成していくことができるのです。

モノの先にある「コト」に価値を見出す共感マーケティング

ネット上にいる潜在的顧客は商品そのものを買おうと思うだけでなく、「商品にかかわる物語」もふくめて購入したいと考えています。そこにあるのは、企業や商品・サービスと「感情でつながる」消費です。
しかし商品やサービスに、ただ関連するストーリーを紐づけても共感を得られやすいコンテンツは制作できません。

共感マーケティングを効率的に進めていくためには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. マーケティング対象のペルソナを作り込み、ターゲットを明確にする
  2. 設定したペルソナが共感しやすいポイントを考える
  3. 共感ポイントにそってコンテンツを作成・テキスト・動画コンテンツ全体に統一感を持たせる

この3点を基本に置き、潜在的顧客の視点に立って共感マーケティングを始めましょう。

顧客が楽しいと思うこと・顧客自身が参加したいと思うこと、顧客が感情的に同意できることを中心にコンテンツを組み立てていくと、共感マーケティングはいっそうの集客力・訴求力を持つことになります。
狙っている潜在的顧客にしっかりしたブランドコンセプトがハマれば、一気に売り上げにつながるマーケティング方法です。

ブランドコンセプトを徹底的に伝えて共感を喚起する「良品計画」

「良品計画」は、無印良品やMUJIブランドの商品開発と製造・販売を展開する会社です。現在では雑貨だけでなく、住宅や家具、衣類、食品などの販売店を国内外で運営しています。

良品計画の共感マーケティングで重視されているのは「良品計画のブランドコンセプトに共感・賛同し、応援してもらえる人を増やすこと」です。
たとえば主要ブランド「無印良品」の動画コンテンツの一つでは、人気商品であるスニーカーの製造工程がドキュメンタリー映画のように映し出されます。動画にはナレーションもなく、宣伝・広告的な内容はほとんどありません。しかし「無印良品」のブランドコンセプトである、「ユーザー目線に立ってていねいに商品を作る」ことが分かりやすく伝えられています。

「良品計画」のコンテンツは、企業理念や「なぜこの商品を作ったのか」が見ている人に伝えるためのものです。
広告色を排除したコンテンツですがユーザーの共感を得やすく顧客育成につながるものなのです。

スタイリッシュな世界観をぶれずに伝えることで共感を得る「土屋鞄製造所」

「土屋鞄製造所」は皮革製品の企画・製造・販売をしている企業です。もともとはランドセルの制作から始まった会社ですが、フェイスブックや自社のECサイトを立ち上げてから急激に売り上げをアップさせました。

土屋鞄が共感マーケティングで成功した理由は「明確な世界観・ブランドコンセプト」があったからです。
初めはショッピングモール型のECサイトへ出店していましたが、「土屋鞄の世界観」を十分に伝えきれないと自社ECサイトへ方向転換。それからはフェイスブックやSNSを使い、スタイリッシュな世界観をシャープに伝達することに集中しました。

しかし、ECサイトやSNSなど多数のツールを並行して使うコンテンツ発信では「世界観のブレ」が起きやすく、伝えたいことがバラバラになりがちです。世界観のブレを防ぐために、土屋鞄では特定の部署の主要メンバーがECサイトやSNS、カタログ、ブログのコンテンツ内容をすべてチェックしています。統一された世界観を維持するためです。

発信されたブランドコンセプトにブレがないために、顧客は安心して土屋鞄のブランドコンセプトに共感でき、収益に直結するのです。

まとめ

商品のもつ物語やコンセプトで潜在的顧客に共感してもらうマーケティング手法では、企業の「理念」が大きく関係してきます。マーケティング展開の際には、以下の3点に留意しましょう。

  1. ターゲットを絞り込み、特定の共感ポイントにそってコンテンツを制作・発信する
  2. 売り上げと同時に、商品や理念に共感してくれるファンの育成をこころがける
  3. 明確な理念を、ブレずに発信し続ける

現在は消費行動が大きく変化している時代です。
これまでのように大量消費ではなく、モノの向こうにある「コト=物語・ストーリー」に価値が見いだされつつあります。共感性の高いコンテンツの発信で、ストーリーを含めた販売力をアップさせましょう。