KPI戦略について

デジタルマーケティングで欠かすことのできない戦略が「KPI」です。
業績を評価する指標のひとつ、と言われていますが、つまり「企業の設定するゴール」と考えるといいでしょう。

ここでは「デジタルマーケティングにおけるKGI・KPIとは何か」からはじめて「KPI戦略のメリット」「中小企業が取り入れやすいKPI戦略」をご紹介します。
KGI・KPIを理解したうえで具体的に設定、落とし込むことでスムーズな事業成長が見込めるのです。

KPI戦略とは

KPIとは「Key Performance Indicator」の略語です。
日本語では「重要業績評価指標」という訳語があてられています。

「事業ゴールにいたるまでの評価指標」のこと。
デジタルマーケティングでは最初に、事業目的に応じたKGIを決定します。

KGIは「Key Goal Indicator」の略。
こちらは「事業におけるゴール設定」のことで、ビジネス用語で言う「重要目標達成指標」です。
基本的なデジタルマーケティングの流れでは

1 重要目標達成指標として「KGI」を設定
2 「KGI」達成のために、重要目標達成指標「KPI」を複数設定し、実行
3 実行後フィードバックを行い、改善策が効果を上げていない場合は「KPI」を再設定

一般的にはひとつのKGIに対して4~5のKPIが設定、実行されます。
たとえば「企業利益の最大化」のKPIとして

1 営業アポ数
2 顧客のリピート率
3 新規獲得の顧客数
4 取引単価

などがあげられます。
一つ一つに改善策を策定して、実行。

重要目標達成指標・KPIを用いて成果をチェック。
成果が上がっていない場合はKPI設定に齟齬があるので、再設定・再試行します。
PDCAサイクルを回して継続的な改善の流れを作っていくのです。

企業のKPI成功事例:サイゼリヤ

具体的なKPI戦略の成功例として外食産業の「サイゼリヤ」があります。
サイゼリヤは低価格帯メニューが充実している人気チェーン。

それを支えているのが独自のローコストオペレーションです。
サイゼリヤでは、KGIとして「徹底したローコスト+顧客に選ばれる料理の提供=売上アップ」を設定。

コストをかけずに優秀な料理を提供するには、徹底したコスパの再検討が必要です。
そこでKPIとして「スタッフ1人あたりの‟人時生産性“アップ」を設定。
スタッフ1人・1時間当たりの粗利を数値化し、人時生産性として評価しました。

数字で1人当たりの粗利益を見ることで作業の無駄が省かれ、結果としてサイゼリヤの人時生産性は飛躍的にアップ。
外食業界では平均的な人時生産性=約3000円ですが、サイゼリヤでは約4000円と言われています。

サイゼリヤのケースは、的確なKGI・KPI設定で業務が改善、高い利益率を維持できるようになった好例です。

まとめ

KPI戦略においては、以下の3点が重要です。

1 KGIを設定
2 KPIを4~5設定。プロセス評価基準にのっとって改善策を導入
3 改善策が機能しない場合はKPIを再設定し、リスタート

この流れを繰り返すことによって事業目的が達成されていきます。
KPIの成功はKGIに直結しますので、改善が見られない場合はKPIを見直し、プロセス評価を設定し直すようにしましょう。

中小企業のDX戦略

デジタル化が進む現在、中小企業でもDX戦略を積極的に取り入れたいと思われるでしょう。
でも何から取り入れていいかわからない……。

そこで「DX戦略の基本」から始めて「中小企業の成功例」「取り入れやすいDX」をご紹介します。
中小企業こそデジタル戦略で省人化・販管費削減を実現できるのです。

DX戦略の基本

「DX」とはデジタルトランスフォーメーションという意味です。
進化し続けるITテクノロジーを取り入れて、生活を豊かにするということ。

2004年にスウェーデンのエリック・ストルターマン教授が提唱した考え方です。
ビジネスでは「進化し続けるデジタル技術により、企業・社会を変革させること」を目的とします。

中小企業なら小さなことから社内改革をはじめ、会社をよりよくすることが大きな目的となります。

DX戦略のメリット事例:「陣屋」に学ぶ省人化・販管費削減

では、具体的にDX戦略が成功した事例を見ていきましょう。神奈川県秦野市の老舗旅館「陣屋」の例です。
陣屋は大正7年開業の老舗旅館。

しかしバブル後は客足が落ち、7000万円の赤字を抱えて借入金は10億円に
。そこで平成21年ごろからDX戦略をとり、少しずつ状況を改善していって現在は人気旅館となりました。

事業がうまく行かない原因は、社内の情報管理の不備にありました。
スタッフ各自が必要と思われる情報を持ったまま動いていたため業務の大半はバックルームでの確認作業。旅館のかなめである接客サービスに費やす時間がどんどん減ってしまったのです。

そこで陣屋では自社で予約システムを開発。
伝達すべき情報がデジタル上で共有されて、人員配置も効率的になりました。

少ないスタッフで旅館を回せる「省人化」が実現されたのです。
ちなみに「陣屋コネクト」と呼ばれる予約システムは、のちに勤務管理、原価管理機能などが追加され、外販されています。

中小企業が導入しやすいDX戦略

陣屋にみられるように、中小企業でも導入できるDX戦略はたくさんあります。
とくに適しているのは「アーリースモールサクセス型DX」でしょう。

小さなDX戦略を実施し、成功することでノウハウを積み重ねて別のDXにチャレンジするスタイルです。
変革を実施することで問題提起から対策、実行、フィードバックからの再試行という流れを経験できますし、反応も早くやってきます。

省人化や販管費削減など、効果を可視化しやすいのです。
DX戦略に対して社内に抵抗がある場合こそ、アーリースモールサクセス型で成功実績を積み上げていくのがいいでしょう。

まとめ

中小企業のDX戦略では、以下の2点が重要です。

1 小さなことから始めて、成功実績を積みあげていく
2 省人化や販管費削減など、成功を可視化しやすい状況を作り社内の理解を深める

企業内のDXが成功し続け、いつしか社会全体に影響が及んだ例も少なくありません。まずは手近なところ、実現可能な部分からDX戦略をはじめていきましょう。

ウィズコロナでのコンテンツマーケティングの強み3点!

「ウィズコロナでのコンテンツマーケティングの強み3点!

いまだ感染拡大がおさまらない新型コロナウイルス。これまでの生活スタイルはもちろん、ビジネスにおいても大きな変化が余儀なくされています。
そんななか、直接対面しないで営業活動ができるコンテンツマーケティングは人気が急上昇。

ここではコンテンツマーケティングの強みとして「対面でなくても営業ができる」「ウィズコロナの消費スタイルに順応できる」「顧客と強固な信頼関係を構築できる」の3点をご紹介しましょう。
ネット上で顧客育成ができるコンテンツマーケティングは、今こそ強さを発揮するときなのです。

1.顧客と直接顔を合わせなくても継続的な営業ができる

コロナ時代におけるコンテンツマーケティング最大の利点は「顧客と直接対面しなくても、営業活動を継続できる」ことです。
従来のビジネスモデルでは営業マンが企業に通ったり、セミナーや展示会で潜在的顧客にアピールしたりすることが一般的でした。
しかしウィズコロナの現在、飛び込みで営業をかけたり大規模な展示会に参加したりすることは難しい状況です。

コンテンツマーケティングは、ネット上で良質のコンテンツを発信し続けることで顧客と良好な関係を作り上げて販売につなげる手法。
企業と顧客との間にあるツールは記事や画像、動画といった「コンテンツ」。顧客も営業マンと直接顔を合わせる必要はありません。

コロナウイルス感染拡大防止のためにも、オンラインだけで営業活動がおこなえるコンテンツマーケティングは非常に有望な方法です。
またコロナショックのためにマーケティング予算の縮小が始まるなか、オンラインだけで営業活動ができるコンテンツマーケティングに対して、残された宣伝・広告部門の予算が集中的に向けられているという現状もあります。

2.ウィズコロナの消費スタイルの変化に対応できる

現在はコロナウイルスを共存する「ウィズコロナ」の時代です。
ウィズコロナ時代の消費活動の特徴は「オンラインで販売されている商品・サービスは、できるだけオンラインで購入する」という点です。
感染防止のためになるべく不特定多数の人が集まる飲食店やスーパーでの滞在時間を短くし、オンラインですむ用事はネット上で済ませてしまう人が多数派。

コンテンツマーケティングはネット上で顧客と信頼関係を作り、自社商品やサービスを販売する方法です。
在宅で買い物や各種サービスを利用したいユーザーの需要と、みごとに合致した手法だと言えるでしょう。

また良質のコンテンツを発信し続けることで、空き時間が増えてしまった潜在的顧客へ効率よく商品やサービス、企業理念を伝えることも可能になりました。
そしてコンテンツを読んだユーザーは優良な顕在的顧客に育成されて売り上げに結びつきます。
コンテンツマーケティングはウィズコロナの時代における新しい消費スタイルに柔軟に対応できる手法なのです。

3.顧客と強固な信頼関係を構築できる

コンテンツマーケティングの強みは「顧客との間に強固関係を作り上げられる」点です。

そもそも、コンテンツマーケティングは商品やサービスを買うと決めているわけではない「潜在的顧客」をターゲットとしています。
それほど購入意欲が高くない潜在的顧客に問題解決につながるコンテンツを提供することで、実際に購入する顕在的顧客へ「育成」をするのが狙いです。

潜在的顧客が企業サイト内にあるコンテンツを読み進める過程で、次第に企業に対する好感度・信頼度をアップさせ、最終的に商品やサービスの購入に踏み切るところまで「育成」されます。
営業的な成果が上がるまでには多少の時間がかかりますが、いったん出来上がった信頼関係は非常に強固です。
「育成」が終わった潜在的顧客は、長期にわたって商品やサービスを購入し続ける「優良顧客」に変わっているからです。

飛び込み営業などのプッシュ型マーケティングでも、もちろん顧客とのあいだに信頼関係を作り上げることはできます。
しかしコンテンツマーケティングの場合は「ウィズコロナ」の状態でも休むことなく、顧客に働きかけることができる点が大きなメリットなのです。

まとめ

今はコロナウイルスとの共存の時代です。コンテンツマーケティングを使う場合は、とくに以下の3点の強みを生かすとより効果があがるでしょう。

  1. 直接、顧客と顔を合わさない利点を生かして、ウィズコロナ時代でもネット上で営業活動ができる
  2. リサーチ、比較検討、購入まですべてネットで済ませたいユーザー需要に対応できる
  3. 顧客育成を柱としているため、育成後は企業と顧客のあいだに強固な信頼関係ができる

新型コロナウイルスの感染拡大で、オフラインの営業活動は大きな影響を受けました。
今後はネット上でできる営業活動も視野に入れて、ウィズコロナに対応した新しい営業スタイルを進めていきましょう。

サブスクリプション方式と月額課金の違い

サブスクリプション方式と月額課金の違い

最近よく耳にする「サブスクリプション方式」。
月に決まった金額を支払うことで各種サービスを受けられる方法で、マーケティングのビジネスモデルを根底から変える可能性があるとも言われます。

ここでは「サブスクリプション方式の概要」と「サブスク方式と月額課金方式との違い2点」をご説明しましょう。
サブスクリプション方式は顧客といかに長く関係を維持していくかが大きなポイント。
ユーザーとともに問題解決や目標達成を目指すことが最終的な目標なのです。

人気急上昇中のビジネスモデル「サブスクリプション方式」

「サブスクリプション方式」とは、商品やサービスを一定期間利用し、利用期間に応じて使用料を支払う方式です。
当初はソフトウェアの利用形式として始まりましたが、今では音楽配信・動画配信のほか、車のレンタルサービス・お花の配達・ブランドバッグのレンタルなどジャンルは多岐にわたります。

サブスク方式がこれほど広がる前は、ソフトウェアでも物販でも購入したら終了という「買い切り方式」が一般的でした。
しかしサブスク方式では顧客は利用したいときだけ利用することになります。つまり「商品やサービスの利用権を時間で借りる方式」です。

顧客にとっては「要な時に必要な分だけ借りることができるのでコスパも良好ですし、何よりも余計なものを所有せずにすみます。
手軽で便利なことから、サブスク方式は「所有することに興味がない若者層から人気に火が付き、今では幅広い年代でさまざまなジャンルのサブスクが利用されています。

月額課金との違いは「顧客の満足度」を高める点にある

毎月お金を払って借りるなら、月額課金と同じでは?と思うかもしれません。
単純にお金の流れを追うだけならサブスク方式と月額課金に大きな違いはないように見えます。

しかしサブスクは
「顧客の満足度に焦点を当て、顧客ごとに特化したサービスを積極的に提案する」
と言う点に最大の特徴があります。

月額課金では毎月同額のお金を払って、同じサービスを手に入れます。
いっぽうサブスク方式では、顧客はつねに企業から最新のサービスを提案してもらえたり、個人に特化したサービスを提案してもらえたりする点が月額課金とは大きく異なります。

サブスク方式の場合、顧客はどんどん新しい商品やサービスを得ることができるので顧客満足度が高く、利用期間は延長されていきます。
利用期間が伸びるほどに企業側は収益を得られることになり、顧客は次々と新しいサービスやプランを次々と提案されて満足度の高い状態が続きます。

「顧客の満足度を高めて、できるだけ長い期間ずっとサービスを利用してもらう」
これこそがサブスク方式と月額課金の違う点なのです。

問題解決・目標達成をゴールとし、「既存客」をターゲットとする

サブスク方式と月額課金の違いは「顧客の満足度」と「長期利用」にあります。
顧客が抱えている問題を解決し、満足度を高めてもらってサービスの長期利用を促す。さらに追加サービスでアップセル・クロスセルを狙うのです。

サブスク方式では、一人の顧客からできるだけ長くサービスを利用してもらうのが目的です。
ひとりの顧客の生涯価値(LTV:LIFE TIME VALUE)を高めていくことが目的なのです。
ですからメインターゲットは「既存客」になります。

すでに商品やサービスを購入し、利用している既存客に対してきめ細やかな提案をすることで、固定額に上乗せして新サービスを利用してもらう。
別サービスを提案してより長期にわたり利用してもらうことが最大の目的です。

月額課金では毎月固定の支払いで、利用する商品やサービスに変更はありません。
新しい商品のトライアルや別サービスの提案をしないので、アップセル・クロスセルにつなげるのはむずかしいでしょう。

サブスク方式ではまずフリートライアルやベーシックプランで新規客を取り込み、顧客の利用データから最善のプランを割り出して提案していきます。
場合によっては顧客のプラン乗り換えで一時的に損をすることもありますが、それでも顧客の問題解決を優先することで良好な関係を作り上げ、長期利用につなげることができるのです。

まとめ

サブスクリプション方式では、ひとりの顧客と長くつきあうことが主眼です。
顧客と良好な関係を作り上げるためには以下の3点に十分注意して始めましょう。

  1. 従来の月額課金と違い、「顧客の満足度」を高めてサービスの長期利用をうながす
  2. 顧客満足度のために、つねに最新のサービス・オリジナリティのあるプランを提案する
  3. 既存客をメインターゲットとし、アップセル・クロスセルで収益を上げる

従来の買い切り型とちがい、サブスク方式では顧客も企業もウィンウィンの関係を作ることが可能です。
顧客満足度に焦点を置いて、長く収益をあげられるビジネスモデルを作り上げましょう。

ファン獲得とストーリーテリングの関係性

ファン獲得とストーリーテリングの関係性

Webマーケティングの手法のひとつに、物語を利用した「ストーリーテリングマーケティング」があります。
ストーリーの力を借りて顧客を獲得・育成するもので、とくに近年、人気が集まっている手法です。

ここでは「ストーリーテリングの概要」から始めて、ストーリーテリングマーケティングにおける「ファンの獲得と育成」についてご説明しましょう。
成功するビジネスはファンを獲得しつづけ、しかもファンとの良好なコミュニケーションを維持し続けています。
そこにはストーリーそのものの力だけではないマーケティング技術も含まれているのです。

「ファンの獲得と育成」のビジネスモデル

ストーリーテリングとは自社の宣伝・広報に「ストーリー」を織り込んでいく手法です。
ストーリーには顧客の感情を大きく揺り動かす力があり、人の記憶に残りやすいという利点があります。
実際にコンテンツを制作する際には、自社商品やサービスに関する客観的・論理的なデータや文献にくわえて適度に人間味のある「ストーリー」も取り入れていくと効果的でしょう。

しかも最近はSNSや画像・動画など多種多様な方向からストーリーを発信することができるようになりました。
ビジュアルとテキストの併用で顧客の情緒に強く訴えかけるストーリーを届ける。
これで顧客と企業・商品・サービスとのあいだに感情的な結びつきを構築することができるのです。

それでは具体的に「ファンの獲得方法」「持続的なファンとのむすびつき」をご紹介しましょう。
「ファン獲得と関係の維持」がかみ合うとストーリーテリングマーケティングはうまく前進していくのです。

1.ストーリーを顧客と共有して、ファンを獲得し続ける

ストーリーテリングマーケティングでまず大切なのが、ファンを獲得すること。
ストーリーに共感してくれるファンを得て、企業と顧客がストーリーを共有することからマーケティングが始まります。

ではファンが共有しやすいストーリーとはなんでしょうか?
ストーリーを語る力は大切ですが、技術や力以上に重視されるのが「リアル感があること」です。

ストーリーテリングマーケティングというと、顧客が感動しやすい・感情移入しやすいドラマチックな物語が必要だと思うかもしれません。
しかしマーケティング上で必要なのは「顧客がすなおにストーリーの世界に入っていけるリアル感」です。

このリアル感は、ストーリーを発信している企業の「中」からしか出てきません。
創業時の秘話や苦労話、ヒット商品が生まれるまでのプロセスなど企業や商品の中にはたくさんのストーリーが詰まっています。
そこから顧客の情緒にアタックできる要素を洗い出し、ストーリーに組み立て直して顧客に提供してみましょう。

真実味のあるストーリーは、顧客に嘘をつきません。そして顧客は、企業に嘘をつかれるのが大嫌いです。
本当のストーリーには人を引き付ける力があります。だから次々と新しい顧客を発掘し、ファン化できるのです。

成功する者はファンと一緒に夢をかなえる

では、獲得したファンを維持し続けるのはどうしたらいいのか。
ここでは「ファンをストーリーに巻き込む」手法を取りましょう。いわゆる「ファン参加型」のコンテンツを発信するのが有効な方法です。

ネット上で潜在的顧客に有用な記事を発信し続けるコンテンツマーケティングは「ファン参加型」コンテンツを作りやすい形のひとつ。
なぜならさまざまなキーワードに反応して企業サイトへコンテンツを読みに来る顧客はすでに能動的にコンテンツに向かってきているからです。

そこで顧客に対して商品・サービスを利用した場合のビジョンを、ストーリーとして明確に語りましょう。
人はビジョンが明確に見えるストーリーに納得します。納得し共感すると、ストーリーが他人事ではなく「自分ごと」に変化します。
これで顧客をストーリーに巻き込む、参加させることが可能になるのです。

ファンがサイトやコンテンツに対して共感してくれれば、企業とのあいだに強固な関係性が構築されます。
「ストーリー」と言う感情に働きかけるパーツを介して、企業と顧客はともに同じ方向を見ることになり、関係性は長期にわたって持続するのです。

まとめ

ストーリーテリングマーケティングは、ストーリーのもつ強い吸引力を使用する手法です。
顧客の感情を動かすためには、以下の2点を踏まえた精密なテクニックが必要になります。

  1. ファン獲得のためには、事実に基づいたリアル感のある「本当のストーリー」を探して発信する
  2. ファンが共感できるコンテンツで「ファン参加型」「自分ごと」ストーリーを作り、関係を強化する

ストーリーテリングマーケティングが成功すれば、忠誠心の強いファンを獲得・育成することができます。
企業や商品にまつわるストーリーを上手に利用して顧客の情緒面にアプローチしていきませんか。

プル型マーケティングの成功事例

マーケティングの世界では注目を浴びて、それまでの既存の営業スタイルにとってかわる新しい動きが常に生まれています。
「プル型マーケティング」は、今やWebマーケティングの主流になりつつある手法。

ここでは「プル型マーケティングの概要」からはじめて、実際の成功事例3件をご紹介いたします。
従来の「プッシュ型マーケティング」とは違い、どこまでも顧客主体の手法である点が大きな特徴なのです。

プル型マーケティングとは

「プル型マーケティング」とは、自社製品やサービスについて顧客が興味を持ち、みずから購入に動いてくれるように喚起・誘導していくマーケティング方法です。
「インバウンドマーケティング」ともいわれます。

これまでの日本の基本的な営業スタイルは、CMやテレアポ、企業訪問といった直接的な売り込みが中心。
比較的、短期間で売り上げにつながるのがメリットでしたが、現在では「徹底した顧客目線」で展開する「プル型マーケティング」が主流となりつつあります。

コンテンツやSNSを使ったプル型マーケティングでは「届けたい客層に、確実に情報を届けられる」点が大きなメリット。
企業と顧客との信頼関係がしっかりと構築されるので、長期間にわたって購入してくれる優良顧客を育成できます。

それでは、具体的なプル型マーケティングの成功例3つを見ていきましょう。
今では、大企業もプル型マーケティングを採用してすでに成功しているのです。

プル型マーケティングの成功事例①キリン

キリンはキリンビールでおなじみの、国内大手の飲料メーカーです。

こちらでは自社サイトの中で「キリンレシピノート」という下部サイトを運営しています。
サイト内では「カンタン・おいしい・楽しい」をテーマにしたレシピを紹介。メニューはビールやワインなどにあうおかずやおつまみ、簡単に作れるスイーツまでとても多様です。

注目すべきは、飲料メーカーとして自社商品の売り込みをする姿勢がとても薄い点。
キリン商品にあうレシピを紹介するという位置づけですが、実際のレシピ内容にはキリン商品はほとんど関係がありません。
ただレシピ横に、「この料理に合う飲み物」として、おすすめのキリン商品がピックアップされているだけなのです。

こちらのレシピサイトの目的は「おいしく簡単にお料理」であり、なによりも顧客の利益が優先されているのが如実にわかります。
セールス色が薄く、しかも使えるレシピサイトを無料で公開することで、キリンというメーカーのめざす企業理念がユーザーに理解されやすくなっています。

プル型マーケティングの成功事例②ベルリッツ・ジャパン

ベルリッツ・ジャパンは語学レッスンの有名ブランドです。
こちらでは「ベルリッツブログ」という語学レッスン用のコンテンツサイトを運用しています。

週に1回の更新頻度で、その時期に検索されることが多いキーワードを使ってタイミングよくコンテンツを配信。
コンテンツ配信とともにWeb広告なども併用し、その時期ならではのコンテンツに注目が集まるようにしています。

現在ではブログコンテンツをきっかけとした見込み客からの問い合わせも増えており、紙媒体の広告と同様に集客力を発揮しています。
このブログコンテンツの特徴は、MP3の音声データを豊富に使っていること。

もともと外国語に興味のあるユーザーをターゲットとしているために、音声で耳から理解したいというニーズが非常に高かったそうです。
そのため英語のトレーニング用ブログはすべて音声入り。顧客目線に立って、ニーズを的確に拾い上げている好例です。

プル型マーケティングの成功事例③三越伊勢丹

つねに攻めている百貨店、三菱伊勢丹。
こちらではECサイトではなく、ファッション情報を発信する「FASHION HEADLINE」というサイトを運営しています。

注目すべきはその徹底した中立性。
サイトは中立性を守るために、三越伊勢丹+ニュースサイト運営の実績があるIT企業・イードとの共同出資という形をとっています。

そのため三越伊勢丹の商品紹介だけでなく、その時期に必要なファッション情報をどんどん提供していくというスタンスのため、プロのバイヤーによるセレクトや気になる雑貨など、印象的なコンテンツが多いです。
宣伝色を排することで、かえって三越伊勢丹のブランドがきわだつという成功例です。

まとめ

プル型マーケティングは、顧客目線に立った情報提供で、顧客とのあいだに緊密な信頼関係を作り上げていくのが特徴です。
マーケティング展開時には以下の2点に注意しましょう。

  1. 徹底して顧客目線に立ち、情報を届けたい客層をねらって発信する
  2. サイト、コンテンツでは情報提供に集中し、中・長期的に顧客を育成する

プル型マーケティングは成果が上がるまでに時間がかかることもありますが、いったん動き始めたら連鎖的に反応がある手法です。
しんぼう強く、時間をかけて顧客を育成していきましょう。

高額商品の購入に至るプロセス

高額商品の購入に至るプロセス

高額商品はネット上では売りにくいと言われます。
反面、上手に顧客を育成していくことでかなり高額な商品でも販売することは可能です。

ここでは一例として顧客がネット上で注文住宅を購入するまでの手順を、「ステップメール」から「必要な情報をコンテンツで解説する」「リスティング広告とコンテンツマーケティングのSEOと効果検証」の3点からご紹介しましょう。
顧客がいる各ステージに適した情報提供を続けることで、ネット上でもかなりの高額商品を買ってもらうことができるのです。

高額商品は「分かりやすい購入プロセス」の解説コンテンツで高額商品も売れる!

注文住宅のように高額なものをネットで購入!?と驚くかもしれませんが、逆に住宅のような「選択肢や決めなければならないことがたくさんあるもの」の購入のほうがネット上でのセールスが向いているアイテムです。
ネット上では時間をかけて「比較検討→相談→支援→購入決定」ができ、顧客はじゅうぶんに納得してから購入に踏み切れるからです。

つまり、高額商品こそわかりやすい購入プロセスを解説したコンテンツが必要だということ。
それでは、具体的な手順・解説コンテンツについて見ていきましょう。

1.売り込みのためのステップメール

「ステップメール」とは、顧客に必要な情報を提供するためのメールです。
顧客ひとりひとりがその時にいるステージに配慮して送信タイミングや配信期間、内容を変えてから送付します。

ステップメールは顧客がその時に一番必要としている情報を提供することで、顧客とのあいだの良好な関係の基盤とします。
メルマガが企業からの最新情報の一斉送信だとすると、ステップメールは企業からお客さん一人ずつに送るパーソナルレターのようなもの。
ステージごとに細かく作り込むと、より効果が上がります。

2.プロセスの丁寧な解説コンテンツ

ステップメールの開封率が上がれば、次に実際に注文住宅を購入するまでの流れをわかりやすく説明した「解説コンテンツ」の出番です。
ここでは最終ゴールを「住宅の購入・発注」として顧客のイメージに沿ってコンテンツを作成します。

「注文住宅が欲しい」と思う→お金は足りるのか・資産チェック→実際に不動産屋に行き物件見学
→ローンの相談・審査に通るか?→具体邸なローン返済計画を考える
→土地購入の手続きとローン審査申し込み・住宅メーカーと打ち合わせ→棟上げ式・竣工

最終ゴールに至るまでの各プロセスについては、顧客にコンテンツ内で細かく解説しましょう。
解説コンテンツはわかりやすさを優先して作成し、顧客の安心を得るようにセールス的な内容は極力入れないようにするのがコツです。

効果的なリスティング広告とSEP対策・効果検証

ステップメール、分かりやすい解説コンテンツときたら、最後は「リスティング広告」と「SEO対策」をおこないましょう。

「リスティング広告」とは、グーグルなどの検索エンジンでユーザーが検索するキーワードと連動してネット上で掲載される広告のことです。
注文住宅の場合なら、よく検索されるビッグワードとして「住宅」「注文住宅」「戸建て」などがあげられます。
これらのビッグワードで検索をかけたユーザーに対して注文住宅メーカーが広告を出せばクリック率は上がります。

ただしリスティング広告ではクリックされて終わりというケースもあるため、「ビッグワード+地域名」を掛け合わせたキーワードを使用するといいでしょう。
とくに注文住宅のように「地域・エリア」に深くかかわっている商品は、地域性を重視してキーワードに入れ込むことが大切です。

またサーチエンジン上で高く評価されるための「SEO対策と効果検証」も欠かさずにおこないましょう。
SEO対策では顧客からのニーズが高いキーワードをチェックしてタイトルやコンテンツ内に入れ込みます。
ただしSEO対策をしたら、その後の効果検証が重要です。

具体的には「検索順位の推移・検索流入の推移」をチェックすることで、検索順位の変化を確認します。
順位が思ったように上昇していない場合は、再度SEO対策をほどこしてまた検証。
とくに高額商品を売り込みたいときは、コンテンツやサイトのSEO対策と効果検証を繰り返して、サイトを常に最良の状態にしておくことが重要です。

まとめ

高額商品、たとえば注文住宅のような多大なお金がかかわるアイテムこそ、ステップメールやコンテンツを使った「プル型マーケティング」が効果的だと言われます。
特に以下の3点に注意して進めてみましょう。

  1. ステップメールや、顧客が必要とする情報をわかりやすくまとめたコンテンツを配信する
  2. リスティング広告のキーワードには「ビッグワード+地域名」を入れて、地元客に情報を提供する
  3. サイトおよびコンテンツにSEO対策をおこない、適宜、効果を検証してサイトをブラッシュアップする

丁寧なプロセス解説を提供することで、顧客の「欲しい!」というシンプルな購入意欲を実際の購入アクションにつなげることができます。
コンテンツはできる限りわかりやすく、顧客の疑問に答えを与えるようにしましょう。

プッシュ型マーケティングの成功事例

プッシュ型マーケティング

長い間、営業と言えば営業マンが企業を回る「プッシュ型」スタイルが主流でした。
テレアポやCM、Web広告などを利用する営業法ですが、Webマーケティングの隆盛にしたがい後退を余儀なくされている雰囲気があります。

しかし営業マンが顧客に直接的に働きかける営業法は成果が短期間で得られやすいのが利点です。
ここでは「プッシュ型マーケティングの概要」と成功例3件をご紹介しましょう。
プッシュ型マーケティングは購買アクションの最後の一押しになりますし、既存客との関係構築に役立つ手法です。

プッシュ型マーケティングとは

「プッシュ型マーケティング」とは、企業・営業マン側から顧客に対して情報を発信するスタイルのマーケティング手法です。
「アウトバウンドマーケティング」とも言われます。

これまでの日本の営業マンにみられる「顧客とのコミュニケーションを密にとり、人間関係を構築してから売り上げにつなげる」営業スタイルのことで、テレアポやテレビCM、バナー広告、DM、メール配信などがプッシュ型に含まれます。

やや古いマーケティング手法だといわれますが業種によっては高い集客効果がありますし、時期によっては非常に有効なため見逃せません。
それでは、具体的なプッシュ型マーケティングの成功例3つを見ていきましょう。

プッシュ型マーケティングの成功事例①「モバオク!」

最近のプッシュ型マーケティングでは「スマホのプッシュ通知」を取り入れているところが多いです。
プッシュ通知とは導入したアプリで店のセール情報やクーポンなどを顧客に送るサービスのこと。

たとえばオークションサイトを運営する「モバオク」ではプッシュ通知を送信することでタイミングよく顧客をサイトに誘導する仕組みを作りました。
たとえば「イベント開始直前のプッシュ通知」で、確実に購入意欲のある顧客を特定のイベントへ誘導しています。

「モバオク!」内でも人気の高い「1円オークション」では、とくに開催直後にユーザーが集中し、盛り上がる傾向が強い。
そのためにオークション直前にプッシュ通知をして、確実に情報を提供しているのです。

ちなみにプッシュ通知はメールよりも視認率・開封率が高いと言われまし、顧客自身がプッシュ通知に事前登録することで参加意識が高まり、能動的な購入アクションを誘発できます。

プッシュ型マーケティングの成功事例②「LINEショッピング」

スマホのプッシュ通知を上手に使っている事例では「LINEショッピング」も有名です。現在では流通額が2000億円以上となっている有望株。
LINEショッピングではとくに金曜の夜20時以降に急激に購入件数が伸びるのに目をつけ、LINEの公式アカウントからの広告を20時直前に集中的に配信しています。

これでユーザーの目線を
「公式アカウントからの広告→LINEショッピングに誘導」
することで効果を上げ、実際の購買アクションをプッシュ型マーケティングで後押ししています。

ちなみにLINEショッピングでは、各ユーザーの現在の「顧客ステータス」によってプッシュ型とプル型マーケティングを使い分けているのも大きな特徴。
購入経験1~2回のライトユーザーに対しては、購入後のポイントバック、キャッシュバックキャンペーンで「購入後の実質値引き」をおこない、ライトユーザーの長期ユーザー化、企業ロイヤリティの高いユーザーへの育成をめざしています。

プッシュ型マーケティングの成功事例③美容業界・飲食業界

業種によってはイベント時期だけプッシュ型マーケティングをおこなうことで高い集客効果を得られることもあります。
たとえば美容業界や飲食業界では、クリスマスや卒業式・入学式などのイベントシーズン直前にだけ事前登録のメルマガやプッシュ通知を使い、集中してプッシュ型マーケティングを展開する方法で成功をおさめている店舗が多数あります。

メルマガやWeb広告などのプッシュ型マーケティングは1年じゅう続けると、顧客を疲れさせるおそれがあります。
反対にイベントシーズン直前だけSNSでアプローチしたりメルマガを送ったりすれば、顧客からの開封率も上がります。

メッセージとともに期間限定クーポンを送付すれば、メルマガの開封率はさらにアップ。非常に効果の高いプッシュ型マーケティングです。

まとめ

プッシュ型マーケティングの強みは成約率が高いと思われる顧客をターゲットにできる点です。
やや押しが強い側面がありますので、営業時には以下の2点に注意しましょう。

  1. イベント前のスマホのプッシュ通知や、特定シーズンのみのメルマガ送付などでクリック率を上げる
  2. 自社サイトでのコンテンツマーケティングなど、オフライン+オンライン営業を併用する

最近は「待ちの手法・プル型マーケティング」が流行していますが、プル型だけでは足りない部分もあります。
プッシュ型・プル型マーケティングの併用で、顧客の取りこぼしがないように営業を進めていきましょう。

キャラクターマーケティングの失敗例

キャラクターマーケティング

日本人は一般的に「キャラクター好きだ」と言われます。
これまでにも多様なモチーフのキャラクターが生まれ、人気を集めて企業の売り上げなどに貢献してきました。

しかしなかにはキャラクターの良さを生かしきれず、失敗してしまったマーケティング例も少なくありません。
ここでは「キャラクターマーケティングの概要」から始めて、失敗してしまった2例をご紹介しましょう。
キャラクターマーケティングには抑えるべき要点があり、要点がズレていたり、そもそも要点そのものを抑えていなかったりするために失敗する例が多いのです。

キャラクターマーケティングとは

「キャラクターマーケティング」とは、特定のキャラクターを利用することで自社製品やサービスのプロモーションをおこない、収益につなげる手法です。

現在の市場では製品・サービスのコモディティ化が進み、競合他社との差別化が難しくなっています。技術の向上などから、製品やサービスの差が小さくなってきているためです。
そのためキャラクターマーケティングでは「キャラクター」を使うことで明確な差別化をねらうという目的もあります。

なぜキャラクターマーケティングで失敗するのか?

キャラクターマーケティングで失敗する場合、おおむね2つの敗因があげられます。

  1. キャラクターを受けさせたい「ターゲット」の分析が十分でなく、需要が掘り起こせない(要点がズレている)
  2. キャラクターを育てる手間を惜しみ、デザインをしただけで放置してある(要点そのものを抑えていない)

ただ漫然とオリジナルキャラクターをつくっても、それだけで売り上げや企業の知名度が上がるわけではありません。
マーケティングの初めからターゲットに受ける要素を盛り込んだキャラデザインをおこない、キャラクターを育てる手間をかける必要があるのです。

それでは実際の失敗例を2例、見てみましょう。
どちらも、ちょっとした要件を抑えておかなかったために多額のコストが生かされていない残念な例です。

失敗例①アピールすべき「要点のずれ」で失敗「トヨタ・プリガ―」

日本最大手の自動車メーカー「トヨタ」。
今もなお大人気の車種「プリウス」のマーケティングにおいて、かつて「美少女パーツキャラ」をつくって大失敗した例があります。

2016年のプリウス発表にともない、トヨタでは「PRIUS! IMPOSSIBLE GIRLS(通称・プリガー)」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げました。
これは約40点ものプリウスの部品・機能を美少女キャラに擬人化するというもの。

主なターゲットを若年層と定義して始まったプロジェクトですが、残念ながらほとんど話題にのぼることもなく、いつのまにか消滅。
大々的なキャラクターマーケティングの失敗例となりました。

敗因はおそらく
「ターゲットである若年男子の需要・好みを正確に分析していないキャラクター造形だった」
という点にあります。

機械の擬人化キャラクターとしては育成シミュレーションゲームの「艦隊これくしょん(略称・艦これ)」などの成功例がありますが、いずれも若年層男性が感情移入しやすいキャラ設定がされており、ユーザーが世界に入り込みやすくなっています。
しかしトヨタ・プリガ―プロジェクトの場合はキャラクターに「入り込みやすさ」の余地が少なく、ユーザーからの反応が薄かったのが敗因だと言われています。

失敗例②キャラクターの人格化が薄くて失敗・「自治体のゆるキャラ」

地方自治体が地域おこしの起爆剤として期待する、ゆるキャラ。滋賀県の「ひこにゃん」や熊本県の「くまモン」など数々の人気キャラがいますが、反面話題にも上らないキャラクターも多数あります。

Web上で注目もされない地方ゆるキャラの敗因は
「キャラクターの人格化ができておらず、育成しにくい」
点にあります。

キャラクターマーケティングではユーザーとの間に中・長期的な関係性を作り上げることが最大の「要点」です。
この要点を抑えておかないと、ユーザーは企業やブランドに愛着を持てずマーケティングは成功しません。

ユーザーに愛着を持ってもらうにはキャラクターの「育成」がポイント。
しかし多くの地方自治体のゆるキャラは、デザインができあがった段階でプロジェクトが終了してしまい、その後の運用を通じてキャラを育成することをしないために、マーケティングの展開が見られないのです。

まとめ

キャラクターマーケティングでは企業のイメージアップや宣伝広告、オリジナルキャラクターのグッズ収益などが見込めます。
効果の高い方法なので以下の2点をしっかりと抑えることが大切です。

  1. キャラデザインの前にターゲットを厳密に選定し、好みや動向をしっかり分析する
  2. キャラクターに人格を持たせ、育成することでユーザーとの間に愛着関係を作り上げる

的確なキャラクター造形をおこない、運用後の育成を通じてユーザーの支持を得るようにしましょう。

下品じゃない炎上マーケティングの成功例

下品じゃない炎上マーケティングの成功例

Webマーケティングの手法は、じつにさまざまです。
王道・正統派の手法もあれば、ややリスキーであっても短期間に大きな反響を得る手法もあります。

Web上で多大な賛否を呼ぶ「炎上」を利用した「炎上マーケティング」は、成功すれば一気に知名度が上がる方法です。

ここでは「炎上マーケティング」の手法と、「反感を買いにくい炎上マーケティングのコツ」「炎上から好感度への誘導法」を検証してみました。
いろいろな意味で反響の大きい炎上マーケティング。諸刃の剣ではありますが、使い方次第でうまくいく側面もあるのです。

炎上マーケティングとは

「炎上マーケティング」とは、Web上であえて批判を受けそうなコメントを発信したり、コンテンツを配信したりすることで注目を集めて売り上げ増をねらう手法です。
炎上マーケティングの利点は以下の2点があげられます。

  1. 商品や企業の知名度が一気に上がる
  2. SNSでの拡散やメディアへの露出でサイトアクセス数が急激に上昇する

炎上マーケティングの目的は、商品やサービス、店舗の宣伝です。

一般的なWebマーケティングの方法では知名度を得るまでに時間がかかることが多いですし、巨額の資金投下が必要になります。
企業規模によってはそれほど多大なお金が宣伝・広告費としてかけられない…という事情もあり、あえてWebユーザーの感情をあおるような内容のコメントやコンテンツを投稿して注目を集めようとするケースもあるのです。
しかし炎上マーケティングはWeb上で多大な批判を浴びるリスクもあるために実施がむずかしいといえます。

反感を買いにくい炎上マーケティングのコツ

反感を買いにくい炎上マーケティングのコツはら「下品でない」「賛同できる」と感じられるような要素をコメントやコンテンツに入れ込んでおくことです。
たとえば、炎上マーケティングの稀有な成功例と言われるルーマニアのチョコレート菓子「ROM」のケース。

「ROM」はチョコレート菓子のパッケージに長年、自国ルーマニアの国旗をモチーフとしたデザインを採用してきました。しかし採用後に時間がたつうち「パッケージデザインかっこよくない」「ダサい」と受け止められるようになり、売れ行きも減少。

そこで実施したのが「パッケージデザインを、あえてアメリカ国旗のモチーフに変更」すると告知する炎上マーケティングです。
テレビCMやWeb上での告知には多大な反響があり、Web上でもデザイン変更についての議論が白熱。「ROM」への関心は急激に高まりました。

このタイミングでROMの炎上マーケティングは第二段階にステージアップ。
「大丈夫です!実はあれはジョークでした!」と報告し、従来どおりのルーマニア国旗デザインを継続すると発表。
売り上げは急上昇して国内シェアを取り戻すこともできました。

このようにWebユーザーからの賛同を得るルートをあらかじめ確保しておけば、炎上マーケティングで想定以上の効果を上げることも可能なのです。

炎上から好感度への誘導法

しかし「ROM」の炎上マーケティングは稀有な例です。

実は炎上マーケティング効果は一時的なものにすぎません。
サイトのPVや企業および製品の知名度は急激に上がりますが、その後はWebユーザーからの反感が長く続くことがほとんど。結果的に企業の業績・売り上げにとってプラスになるとは言いにくい手法です。
一時的な注目と引き換えに大きな批判を生むリスクをつねに背負っている方法だといえるでしょう。

そこで考えてみたいのが「炎上から応援要請型の自虐マーケティングへ誘導する方法」です。

「自虐マーケティング」というのは、自社製品などのあえておとしめることで注目を集める手法。
炎上マーケティングと同じく企業ブランドやイメージに傷がつくリスクがありますが、ユーザーからの支援をもとめる方法をとると、逆に若年層などから面白がられてSNSで一気に拡散していくことがあります。

例としては三重県にあるテーマパーク「志摩スペイン村」があげられます。
テーマパークではありますが比較的すいていることを逆手に取り「すいているから、映え放題」というキャッチフレーズを自社サイトに載せて、インスタ映えを気にする若い世代からの注目を集めました。

その結果、「すがすがしいほどに自虐的」とSNSで一気に拡散され、結果的に来場者が増えて収益につながった例です。

まとめ

多くのWebユーザーの注目を集められる炎上マーケティング。しかし危険度が高い点を踏まえ、実施時には以下の2点に十分留意しましょう。

  1. Webユーザーに受け入れられるために「下品でない」「賛同できる要素のある」炎上をねらう
  2. 炎上と自虐マーケティングを併用するなど、初めからユーザーの感情の落としどころを作っておく

炎上マーケティングで注目されてもコンバージョンにつながるかは別問題です。
実施前に市場の状況や広告効果をしっかりと把握・検討して、事前にリスク計算をしておきましょう。